起業会計

公認会計士による仙台TEOの起業支援活動、会計トピック、監査トピックの解説

経営者の主張

2005-07-07 22:00:20 | 監査
今年の3月31日に監査基準委員会報告書が、新たに公表または改定されました。
これは、①一連の企業不祥事や②EUの国際財務報告基準の改定に対応する国際監査基準の改定に他おい王するものです。


具体的には、以下のとおりです。

27号 監査計画
28号 監査リスク
29号 企業とその環境の理解及び重要な虚偽表示リスクの評価
30号 評価したリスクに対応する監査人の手続
31号 監査証拠
 5号 監査リスクと監査上の重要性

かなりボリュームがあり、見るだけで圧倒されてしまうものですが、職業上、読まざるをえません。

これらの委員会報告書が公表される前に、公開草案が公表されていましたが、
公開草案と異なる表現が委員会報告書で記載されているものがあります。


それが、「経営者の主張」です。

公開草案では、「アサーション」と書かれていました。
「アサーション」・・・直訳すると「主張」・・・誰の主張かというと、「経営者の主張」。。。
もちろん、かつて年明けにNHKがやっていたXXXの主張では・・・・ありません。
監査論の学者の中には、以前から「経営者の主張」といっていた先生もいたように記憶してます。

以前は、「監査要点」と言ってました。
かといって、「監査要点」=「経営者の主張」ではないのでご注意を。



「経営者の主張」って、何なのでしょうか?

そもそも、財務諸表は、経営者が作成するものです。
もちろん、経理の担当者が作成しますが、経営者が経理担当者に任せて作っているのです。


財務諸表は、「経営者の意見」といわれることがあります。
それは、財務諸表には、「会計上の見積り」と「会計方針の判断」が<つきもの>だからです。

つまり、固定資産の耐用年数(ex.機械を何年使うか)は、経営者の意思によるものですし、
売掛金が回収不能となる可能性は、見積りの域を出ないからです(将来のことは誰にも分からない)


したがって、財務諸表項目の数字(現金が300万円、売掛金が500万円など)は、極端に言えば経営者が「こうだ」といっている数字に他なりません。

具体的に言えば、
貸借対照表に 現金300 と表示していたとします。
その意味は以下のとおりです。
①現金が300実在しています(実在性)
②現金は300しかありません(網羅性)

これが、「経営者の主張」です。


意味不明かもしれませんが。。。。。


監査を行う際には、この「経営者の主張」を検証していくことになります。

①現金が300実在しています(実在性)
という「経営者の主張」を検証するために、実査をします。
つまりは、金庫にお金がきっちり保管してあかどうか数えに行きます。


②現金は300しかありません(網羅性)
という「経営者の主張」を検証するために・・・これを検証するのはちょっと難しいですが、
金庫の中に実査した以外のお金がないか見てみます。
金庫を見たら、帯封のかかったお札の束が。。何てことがあったら大変です。
ちなみに、「預金の網羅性」なら、銀行に残高確認状を発送します。


「経営者の主張」・・・一度聞くと忘れない言葉です。




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2 コメント

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Unknown (how safe is hydroxychloroquine)
2021-07-13 21:33:30
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2021-07-23 00:16:16
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