起業会計

公認会計士による仙台TEOの起業支援活動、会計トピック、監査トピックの解説

横領と窃盗の違い

2005-10-06 08:36:48 | 監査
健保組合の積立金を19億円横領するという事件が起こりました。
敷島製パン健保組合横領、被害額は19億円か (読売新聞) - goo ニュース

横領する金額もすごいですが、15年もばれなかったというのは、どういう組織なのか非常に気になります。

よく「横領」という言葉を耳にすることがありますが、一方で「窃盗」という言葉もあります。両者の違いは何でしょうか?
一般的には、

「横領」・・・自分が管理している他人のものを自分のものにしてしまうこと
「窃盗」・・・他人が管理している他人のものを自分のものにしてしまうこと

つまり、
店の店員が店頭の処理を盗むと横領です。
店を訪れた客が店頭の商品を盗むと窃盗です。


ただし、不正に関する監査の基準(監査委員会報告書10号)では「資産の窃盗」という言葉が使われているので、厳密な区分は無いのかもしれません。

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監査手法の変遷(ここ数年間の)

2005-09-25 01:01:39 | 監査
ここ数年監査手法がめまぐるしく変わっています。
監査手法といっても、実務的な監査調書の記載方法のお話です。


私が入社した頃は、科目ごとに監査調書を作成していました。
内部統制は科目とは別個にやっていた感じがします。
この頃は、実証手続中心で科目ごとというのが特徴でしょうか。
内部統制の監査は実証手続とは切り離してやっていました。
たとえば、リファレンスNo.でいえば、Aは現預金、Bは売上債権などというようにやっていました。

3,4年ぐらい前から内部統制中心に監査をやるようになってきました。
そこで、調書体系も科目ごとではなく、ビジネスプロセスごとというように変わっていきました。
科目ごとの調書体系からビジネスプロセスごとの調書体系に切り替えるのは、最初はかなり抵抗がありましたが、慣れてしまえば、何で初めからそうしていなかったのだろうと思うぐらいになってきました。
たとえば、リファレンスNo.でいえば、Aは販売管理、Bは購買管理といった感じです。
ただ、ビジネスプロセスごとの調書体系だけでは、科目との関連が明確には分からないので、ビジネスプロセスと科目との関係の一覧表を作成しておかないと混乱をきたしてしまいます。


ようやくこのビジネスプロセスごとの調書体系になれてきたかと思ったら、また、科目ごとの調書体系へ一部戻るような調書体系に変わりつつあります。
ちょこちょこ変わってしまうと、最初にかなりの苦労が必要です。

調書体系や監査手法が変わるたびに、今回だけ苦労すれば来年以降は楽になるから、とよく言われました。
というか、毎年言われています。
毎年、来年は楽になるから、と言われているので、毎年ちっとも楽になりません。
早く楽になる日がくるといいのですが・・・。
はっきり言って、「来年は楽になる」という言葉は信じていません。


こうして3連休はいつもつぶれていくのです・・・。


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現金実査

2005-09-22 08:29:54 | 監査
監査技術の一つに「実査」というものがあります。
これは、実際に「モノ」を見て(カウントして)その実在性を確かめるというものです。
ただし、棚卸の立会で行う一部の抜取検査のことは実査とは言いません。

実査を行うものとしては、現金・預金通帳・収入印紙・有価証券・小切手帳の控(ミミと言ったりします)・手形帳の控・固定資産などです。
この中でもよく行うのが現金の実査です。
具体的に現金の実査は何をやっているかというと、手提げ金庫などに保管している現金を見せてもらって、数えて、帳簿とあっているか確認するということを行っています。
通常、会社は毎日出納担当者が現金を実査し、金種表に記入をし、管理者の確認印をもらうという手順を行っています。


子会社の往査を何社も一度に行って来て、現金の実査を続けざまにやったときのはなしです。


いつも監査を受けている会社の場合は、問題のあるケースは余りありません。
しかし、監査を受けたことがない会社の場合、実査をやるといろいろ出てきます。

①毎日実査をやっていないケース
実査を毎日やっていないと、現金が合わなくなることがあります。
合わない原因を調べるのにも手間がかかります。毎日やっていれば、原因はその日にありますから、調査に手間はあまりかかりません。
しかし、毎日やっていないと過去の古い記憶をたどっていかなければいけません。
実際、現金が合わない会社がありました。普通、会計士の監査が来ると聞くと事前にあわせておく場合が多いのでめったにそのようなことはないのですが・・・。
原因は、慰労会のために従業員から集めたお金を金庫に入れてしまったことにあるようです。
→ 現金管理に問題ありといったところでしょうか。毎日実査をやっていないと、帳簿残高と実際の残高が合っていなく、帳簿残高を信用できなくなってしまいます。また、従業員の不正につながるケースもあるので要注意です。

②現金以外に回数券が出てきたケース
現金と回数券の合計金額が帳簿上の現金残高だったケースがありました。
ちょっと分かりにくいかもしれませんが・・・。
回数券購入時には、伝票を起こさずに、回数券が使われたときに(交通費/現金)という仕訳を起こしていました。
回数券は現金ではないので、当然このような会計処理は認められません。
(貯蔵品/現金)または(仮払金/現金)という仕訳を起こす必要があります。
(交通費/現金)でもいいのですが、期末に残があったら、(貯蔵品/交通費)という仕訳を起こす必要があります。
→ 会計処理をよく確認していなかったケースです。会計処理を直してもらう必要がありました。
また、回数券の購入時に領収書を入手していなかったので、入手してもらうようにしてもらいました。

③パーソナルチェックがあったケース
パーソナルチェックとは、個人が振り出す小切手のことです。
よく見ると振出日が20日前でした。
小切手は、呈示期間というものがあります。つまり、銀行が取立を行ってくれる期間のことですが、これが10日間となっています。
この期間を過ぎると銀行では現金化できなくなってしまうので要注意です。
なぜまだ現金化していなかったか聞いたところ、裏にサインをしてもらっていなかったから一度銀行に現金化を拒否され、本人にサインをもらっていたため時間がかかったからだそうです。
パーソナルチェックは裏にもサインが必要ですので、要注意です。
→ 小切手を受取った場合には、早めに現金化することが大切です。
このパーソナルチェックは一応銀行に持って行って現金化を依頼し、だめなら本人から直接取立てるようにしてもらいました。


現金実査、意外と色んなことがあるというのが実感でした。


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カネボウの監査人逮捕

2005-09-14 00:58:44 | 監査
逮捕の公認会計士と中央青山、金融庁が処分検討 (読売新聞) - goo ニュース
会計士、不良在庫を把握 カネボウ粉飾事件 (朝日新聞) - goo ニュース


カネボウの監査を担当していた公認会計士が逮捕されました。
監査法人の処分も検討されているそうです。

報道によれば、カネボウの監査チームは40人もいたとされています。
常時40人いたかどうかは不明ですが、通常の監査ではそんなに多い監査チームは考えられないので、数年の間にちょっとでもかかわっていた会計士の数だと思います。
通常は、10人でも多いほうだと思います。

ただ、かなりの人数を投入していたのでしょう。
そんなに人数を投入して粉飾が全く発見できなかったというのも不可解です。

数年前、繰延税金資産比率(資本に対する)のランキングがダイヤモンドという雑誌に載ったことがあります。
堂々の第1位がカネボウだったと記憶しています。

通常であれば繰延税金資産は資産性が厳格に判定されるので、異常に高い比率で計上されることはありません。
これを見たときにカネボウは大丈夫かなと思ったことを覚えています。


監査法人の処分で一番重いのが解散命令です。
次が業務停止命令。
・・・・。


古き昔の時代とは変わってきたことをひしひしと感じています。


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監査法人のPCセキュリティ

2005-09-03 09:06:56 | 監査
ちょっと前に、監査法人の職員がノートPCを紛失したとかで、新聞に載ったことがありました。
確かにPCを紛失すると情報漏洩の可能性があるのですが、普通はパスワード管理を厳重にしているので、そのような可能性はほとんどないと考えられます。
私も大手の監査法人に勤務していますが、PCにはいくつもパスワードを入れるところがあってしばらく使っていないと、忘れてしまうほどです。

まず、PCを立ち上げる際にパスワードを入れる必要があります(いわゆるパワーオンパスワード)。
Windowsを立ち上げる際にもまたパスワード。
監査用ソフトを使う際にもパスワード。
外からインターネットに接続する際にもパスワード。
・・・・・

しかも、パスワードにもルールがあって、大文字を入れなきゃいけないとか、数字を入れなきゃいけないとか、何文字以上じゃなきゃいけないとか、めんどくさいです。
しかも、定期的に(というよりも頻繁に)パスワードを変更しないといけません。
中には、トークン(こんな感じのもの)と呼ばれる乱数の発生装置を使ってパスワードを入力するものもあります。
多分PCが盗まれてもハードディスク上のデータを読み取ることはほぼ不可能でしょう。


ただ、いくらセキュリティを厳しくしてもPCを無くしてしまうと大問題になるのは間違いないようです。
そこで、最近は、PCに入れるデータは、サーバに保存しておき、往査に行く際に必要なファイルだけコピーして行くようにというお達しも出ています。
でも、紛失してしまうとか、盗難にあう可能性は常にあります。

そのうち、GPSでPCの位置がいつでも分かるとか、PCをなくしたら、遠隔操作で爆破する時代がくるかも・・・・。


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会計監査人の登記

2005-08-04 23:59:20 | 監査
新しい会社法が施行されると、会計監査人が登記されます。

現行の商法では、株主総会で決めればそれで十分でした。
会計監査人が登記されるとは、ちょっと驚きです。


会計監査人の責任が重くなっていることの現われでしょうか。
株主代表訴訟の対象にもなりますしね。
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粉飾等の不正、公認会計士に通報義務!?

2005-08-02 23:53:27 | 監査
今日(2005/08/02)の日本経済新聞によれば、会計監査の過程で粉飾決算などにつながる不正を発見したり、不正の疑いを持った場合に、証券取引等監視委員会・検察等に報告義務の検討を金融庁が行っているとありました。
対象は、証取法・商法監査。
通報を怠ると、懲戒処分。
2007年度に実現予定だそうです。

公認会計士が不正・不正疑惑を見つけた場合の対応は以下のとおりだそうです。
①弁護士に相談
②企業に伝える
③金融庁等に通報

また、監査契約上で、守秘義務を緩和し、通報できることを明記するようにするそうです。



現在は、通報義務はありません。
不正を発見した場合には、経営者・監査役に報告する義務はあります。
また、粉飾の修正を行わなかった場合、監査報告書で不適正意見を表明されることがあります。



この通報義務のポイントは、「不正の疑い」を通報義務としていることにあります。
ただ、「不正の疑い」が明確でないと通報義務を課すのは難しいと思います。
「不正の疑い」はあるが、実際に不正がなかった場合、通報してしまうと、会社は大きな損失を被る可能性がありますから大変です。

たとえば、「経理担当役員の担当期間が連続3年以上」など具体的基準がなければ難しいでしょう。
もちろん、経理担当役員の任期が長いと、不正の発生の可能性はありますが、必ず不正が起こるとは限りません。
「経理担当役員の任期が長く、不正を行っている兆候がある」などの曖昧な基準では実際には通報することはできないでしょう。

また、会計上の解釈(採用している基準が会社の実態に合っているかどうか)によっては、不正の可能性があるような場合の対応も難しいです。
たとえば、出荷基準で売上を計上している会社の売買契約をみると、設置・試運転の完了をもって売上債権が発生するような形態になっている場合があります。
設置・試運転の期日が一定で問題になることが通常はない場合、出荷基準も妥当と考えられますが、
設置・試運転の完了まで長い道のりを経てなかなか相手が認めてくれないような場合には、出荷基準ではなく検収基準を採用するべきであると考えられます。
この場合、検収基準を採用するか出荷基準を採用するかで大きな違いが出てしまいます。
会社がこの場合に出荷基準を採用するべきだと主張した場合に、「不正の疑い」があり、通報義務が発生してしまうのか疑問です。

さらに言えば、商法監査を行っている会社では、不適正意見が出るケースがままありますが、その場合にも通報義務があるのか問題です。
ちなみに、不適正意見が出るケースで多いのは、税法基準で決算を行い、たとえば減価償却不足があるようなケースです。
果たして、このようなケースで通報義務を課しても意味があるのか疑問です。
ただ、企業の実態を正しく示していないと、税法基準ではOKでも、違法となるケースがあるため、企業会計基準に従って決算を行わなければいけないということの啓蒙にはなるのかなと思います。



どうせなら、通報義務が実効性のある規制になって欲しいと思います。

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英文財務諸表の監査

2005-08-01 23:59:47 | 監査
海外に駐在所を出すとき、現地の当局から監査報告書付きの財務諸表を求められることがあります。
もちろん、日本語での財務諸表は不可能で、現地の言葉か英語で求められます。
よくあるのが、海外での入札ですが、駐在所の設置の際にも求められることがあるようです。

しかし、日本では、財務諸表に監査が求められるのは限られています。
(資本金5億円以上等の大会社になって商法監査が必要になるか、ファイナンスを行って証取法監査が求められる場合です。)
しかし、中には原則としてすべての会社に監査報告書が求められる国もあるため、その感覚で日本の会社にも監査報告書を求めてくることがしばしばあります。


ここで、大きな問題が発生することがあります。

今まで監査を受けていない会社が、監査を受ける場合です。

たいての会社は税法に基づいて決算を行っていますから、そのままでは監査報告書を交付することは不可能です。
つまり、退職給付引当金や賞与引当金、不良債権に対する引当てなど、税法上は手当てをしていなくても問題ありませんが、
財務会計上は問題があります。(ちゃんと引当等をとらなければいけません)

もちろん、商法上もきちんと処理をしなければ違法であると考えられますが、
税法に従って処理をしておけば、会計監査人監査を受けていない会社で問題になることはほとんどありません。
当然このような風潮(慣行)自体が問題ではありますが・・・。

このように財務会計上問題のある処理をしている会社(ほとんどの監査を受けいていない会社)は、いきなり「監査報告書が欲しい」といわれても不可能に近いです。
まず、財務会計上必要な処理に修正する必要があります。
法律上(商法上)も必要な手当てをする必要があるので、「臨時株主総会」を開催して決算書の修正する必要があります。
税務会計とのズレが生じるので、税務申告書の別表をきちんと作成する必要があります。
監査上も必要な手続きが取れないので、(期首の数字を確かめる手続は事実上困難)監査ができない可能性もあります。
また、日本語の財務諸表を英文に直す際にどの程度翻訳するか(必要な注記を入れるか等)も含めて検討する必要があります。
今は直訳した英文財務諸表に直訳した監査報告書をつけることにも、読者に誤解を与えるとして難色を示すことがあります。


ということで、監査不能ということもありえます。
くれぐれも、突然英文の監査報告書と財務諸表は簡単には作成できませんのでご留意を。
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監査報酬

2005-07-31 22:15:37 | 監査
公認会計士協会リサーチ・センターから、毎年1回の「監査実施状況調査」というものが公表されていて、監査報酬の統計を公表しています。(週刊経営財務No.2725等参照)

H15年4月期~H16年3月期の監査報酬はどうだったか簡単に分析してみたいと思います。

Ⅰ.証券取引法監査
  最高 202百万円
  最低 60万円
  平均 20百万円
  なお、売上高1兆円以上の会社の監査報酬の最低は、5百万円です。

Ⅱ.商法監査
  最高 67百万円
  最低 10万円
  平均 6百万円
  ちなみに、売上高5千億円以上の会社の監査報酬の最低は、150万円です。


*証券取引法監査においては、有価証券報告書等の経理の部を監査するので、ボリュームが多く、一般的には手間がかかります。


証取法監査の最低の60万円、商法監査の最低の10万円というのは、こんなに少なくてまともな監査ができるのか疑問なところです。
ただ、証取法監査といっても必ずしも上場会社の監査とは限らないので、簡単には比較できないでしょうが、証取法監査の報酬が60万円というのはあんまりだなぁと思います。

最高額が2億円ちょっと。アメリカに比べるとかなりの差があることが分かります。
エンロンは26億ドルもらっていたことを考えると、最高額の比較においても日本の監査報酬の低さが分かると思います。

なお、先日の日経新聞に掲載されていたH17年3月期の監査報酬で、トヨタ自動車の監査報酬が18億円とされていました。
これは、EDINETで有価証券報告書を閲覧し、「提出会社の状況」の「コーポレートガバナンスの状況」を見ると記載があります。
ただし、よく読むとこの18億円というのは、連結企業集団の監査報酬ということが分かります。つまり、国内外の連結子会社の監査報酬を合算したものだということが分かります。
トヨタ自動車単独では、3億46百万円です。この金額は日本でも最高ランクになるでしょう。


エンロンのように高い監査報酬が「監査の独立性」という観点から問題視されることがあります。
一方、低い監査報酬が「監査手続の十分性」という観点から問題視されることがあります。

両者とも「監査の質」に問題があるとされますが、その質の内容は大きな違いがあります。




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社内研修の講師 新年度の監査

2005-07-25 01:45:34 | 監査
社内研修の講師の指名を受けてしまい、奮闘中です。

新しい監査基準委員会報告書が3月末にどっと公表されたためです。(そういえば、以前にもちょっと書きました。)
また、海外では監査基準が改定され、新基準にしたがって監査を行うことになっており、日本の会社でも海外でファイナンスを行っている会社(およびその子会社)は新しい監査基準に従う必要もあるからです。

どこの監査法人も同じなのでしょうが、毎年毎年監査の手法が変わるというのは、どうにかならないのでしょうか?
もちろん、手法が変わるといっても、やっていることはそれほど変わるわけではありませんが、文書化の方法が変わったり、必要な手続が追加されたり、ツール(監査用のソフト)が変わったり、といったことです。
年々必要な手続が増えていく一方です。


先日講師向けの研修に参加しましたが、テキストはキングジムファイルのようなファイルに閉じられていて厚さが5センチ以上!
そのほかの資料をあわせると10センチ以上!

中身を見るだけでも膨大な時間がかかりました。

更に、パワーポイントのファイルを全部チェックし、話す内容を講師用テキストと照らし合わせて・・・
などという作業をしていると、土日はあっという間に過ぎてしまうのでした。

気がつくと、もうこんな時間。


なんとか、一通り、パワーポイントを見直し、ノートにコメントを入れ、・・・といった作業は終わりました。
あとは、もう一度見直して、スムーズに講義ができるかチェックをしなければ・・・。


研修は火曜日。果たして間に合うのか?

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クローズアップ現代 情報開示が企業を変える

2005-07-15 00:39:24 | 監査
「内部統制の評価・検証基準」が公表され、早ければ2年後から制度化される予定です。

NHKのクローズアップ現代で、こんなマニアックな話題が放送されていました。
企業にとってはコストや手間が膨大にかかり、大きな影響のある話ですが、NHKで放送されているとは思いませんでした。

一昔前はテレビや新聞で会計が話題になることはほとんどありませんでした。
しかし、最近は、「有価証券報告書」とか「粉飾決算」とか会計の話題がテレビや新聞の紙面を埋めるなどという状況が起きるようになってきました。

日本の会計・監査の環境は変わりつつあるなと実感しています。
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経営者の主張

2005-07-07 22:00:20 | 監査
今年の3月31日に監査基準委員会報告書が、新たに公表または改定されました。
これは、①一連の企業不祥事や②EUの国際財務報告基準の改定に対応する国際監査基準の改定に他おい王するものです。


具体的には、以下のとおりです。

27号 監査計画
28号 監査リスク
29号 企業とその環境の理解及び重要な虚偽表示リスクの評価
30号 評価したリスクに対応する監査人の手続
31号 監査証拠
 5号 監査リスクと監査上の重要性

かなりボリュームがあり、見るだけで圧倒されてしまうものですが、職業上、読まざるをえません。

これらの委員会報告書が公表される前に、公開草案が公表されていましたが、
公開草案と異なる表現が委員会報告書で記載されているものがあります。


それが、「経営者の主張」です。

公開草案では、「アサーション」と書かれていました。
「アサーション」・・・直訳すると「主張」・・・誰の主張かというと、「経営者の主張」。。。
もちろん、かつて年明けにNHKがやっていたXXXの主張では・・・・ありません。
監査論の学者の中には、以前から「経営者の主張」といっていた先生もいたように記憶してます。

以前は、「監査要点」と言ってました。
かといって、「監査要点」=「経営者の主張」ではないのでご注意を。



「経営者の主張」って、何なのでしょうか?

そもそも、財務諸表は、経営者が作成するものです。
もちろん、経理の担当者が作成しますが、経営者が経理担当者に任せて作っているのです。


財務諸表は、「経営者の意見」といわれることがあります。
それは、財務諸表には、「会計上の見積り」と「会計方針の判断」が<つきもの>だからです。

つまり、固定資産の耐用年数(ex.機械を何年使うか)は、経営者の意思によるものですし、
売掛金が回収不能となる可能性は、見積りの域を出ないからです(将来のことは誰にも分からない)


したがって、財務諸表項目の数字(現金が300万円、売掛金が500万円など)は、極端に言えば経営者が「こうだ」といっている数字に他なりません。

具体的に言えば、
貸借対照表に 現金300 と表示していたとします。
その意味は以下のとおりです。
①現金が300実在しています(実在性)
②現金は300しかありません(網羅性)

これが、「経営者の主張」です。


意味不明かもしれませんが。。。。。


監査を行う際には、この「経営者の主張」を検証していくことになります。

①現金が300実在しています(実在性)
という「経営者の主張」を検証するために、実査をします。
つまりは、金庫にお金がきっちり保管してあかどうか数えに行きます。


②現金は300しかありません(網羅性)
という「経営者の主張」を検証するために・・・これを検証するのはちょっと難しいですが、
金庫の中に実査した以外のお金がないか見てみます。
金庫を見たら、帯封のかかったお札の束が。。何てことがあったら大変です。
ちなみに、「預金の網羅性」なら、銀行に残高確認状を発送します。


「経営者の主張」・・・一度聞くと忘れない言葉です。



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監査報告書

2005-05-09 00:13:49 | 監査
今年から商法の計算書類に連結が導入されます。
といっても基本的には上場会社だけですが、このせいで気が重くなっている会計士も多いことと思います。

今年は監査報告書を作るのにとても気を使っています。
監査報告書の文中にでてくる「子会社」、「連結子法人等」などの文言が原因です。


商法施行規則が改正され、連結計算書類を作成する規定ができました。
商法で連結計算書類を作成する際に、連結範囲を証取法と一致させるために、商法上で新たな会社の概念を規定しているのです。

「子会社」、「連結子会社」、「子法人等」、「連結子法人等」などと紛らわしい言葉が多いので、これらの言葉を間違えると大変です。

監査報告書は、責任者(偉い人)が署名・押印することになっていますので、間違えるたびに頭を下げて書き直してもらわなければいけないからです。

私が担当しているクライアントは、監査報告書の提出が若干遅いので、今のところそのような事態にはなっていません。
ただ、4月に監査報告書を提出したところでは、3,4回間違えて、サインをし直してもらったところもあるようです。

個別・連結・取締役会宛・監査役会宛とあわせると1回で8通ぐらい監査報告書にサインをしてもらっていたりしますので、4回書き直してもらうと32回サインをしてもらわなくては。。。



考えるだけでも恐ろしいです。。






ちなみに
「子会社」・・・議決権の過半数を所有している会社のことです。
「子法人等」・・・財規の規定で子会社とされるものです。証取法上の子会社と同じです。
「連結子法人等」・・・実際に連結の範囲に含められる子法人等のことです。証取法上の連結子会社と同じです。
「連結子会社」・・・子法人等で商法上の子会社以外のものです。

したがって、議決権は40%だが、役員を全員派遣している等実質的に支配している会社は、連結子会社となります。

ややこしいことは、しないでくれ、とみんな思っているはずです。
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他の監査人

2005-04-15 00:36:59 | 監査
今行っているクライアントの親会社の監査人から毎年「質問書」が来ます。

親会社は子会社の財務諸表を集めて連結財務諸表を作成するわけですが、親会社への提出書類(連結パッケージと言ったりもします)の正確性その他監査上問題となる事項がないかどうかを調査するためです。
連結パッケージってプリントアウトすると1センチ以上あるんです!


基本的にはちゃんと作成して親会社の監査人に提出するんですが、期限が厳しいんです。
個別ベースならそれほど大変ではありませんが、連結ベースで回答しなければならないので、個別と連結を同時並行で監査しています。

これからも厳しい日々が続きそうです。
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連結監査

2005-04-11 23:44:47 | 監査
期末監査の真っ最中です。
今は、連結の監査をやっています。

連結財務諸表は、簡単にいえば、親会社と子会社の財務諸表を合算して、親子間の取引を相殺することで作成できます。

まず第一段階として、今日は子会社の財務諸表のチェックです。
具体的には、子会社が作成した財務諸表を連結会計システムに会社が入力しているので、そのチェックを行いました。

大きな会社になると、子会社が何十社、何百社(?)とあるのでそのチェックも大変になります。
また、子会社が国内子会社だけなら大したことはないのですが、海外子会社があるとさらに大変になります。

まだ、アメリカの子会社ならいいのですが。。。
英語なら、Account Receivable...ああ、売掛金ね。
で済みますが、子会社が中国にあると。。。

利息支出。。。ん、支払利息だな。
兌換盈益。。。何だ? だかん?。。。為替か?。。。益。。為替差益?
加班費。。。。ん~ん。。。何なんだ?
呆帳損失。。。????


読めない言葉もいっぱいあります!
中国語ならまだ漢字ですが、韓国の子会社は。。。

というわけで、今日も遅くなってしまうのです。





ちなみに、Yahoo!翻訳で中国語の翻訳ができるみたいです。

加班費は、時間外手当。
呆帳損失は、貸倒損失みたいです。
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