息子が家ですべって転んだ。
右手の薬指をひどく打ったようで、指の付け根あたりがポコンと腫れて、すごく痛がる。
これはやはり病院に行ってレントゲンをとってもらうしかない。
できればこんな外国でややこしいことは避けたいというのが正直なところだが、一晩様子を見ても腫れや痛みが引く気配がなく、いやな予感とともに重い腰を上げる。
スペインでは一般的に、診療をしてもらうのには予約がいる。
突発的なケガや病気にはウルヘンシア(urgencia 救急)窓口があり、我が家の子供たちの病気やケガはほとんどがウルヘンシアに当たる。
悠長に予約なんて取って、「混んでいるので10日後です」なんて言われても、そんな頃にはもう治ってしまってるだろう。
先日も、娘が「耳が痛い~」と言うので耳鼻科に行ったのだが、「子供の耳鼻科救急外来はない」だの「今日は診療日じゃない」だの言われてたらいまわしにされ、娘も、「なんか治ってきた」と半ばあきらめて自己免疫療法に切り替え、結局2週間後に予約が取れて診てもらえたときにはすっかり完治していた、という笑えない話があったところだ。
ぐずぐず迷っていても仕方ないし、行くか。
どっこいしょっと。
ささっと診てくれる病院はあるかしら。
M市のA救急病院をたずねてみる。
受付のおばちゃんはとっても恐い人だった。
「いつ転んだの?え?昨日!?じゃなんで昨日連れてこなかったの!!」
叱られちゃった。
そして、ここに行きなさい、とB病院の住所を書いた紙切れを渡された。
どうしてこの病院で診てもらえないのかよくわからないまま、言われたとおりB病院へ。
B病院の受付のおばちゃんは
「ここは専門病院だから、300m先のC病院へ行きなさい。」
と困った顔で言った。
C病院へ行った。
受付、待合室を経て診察室に到達した。
ようやく診てもらえる!
息子と顔を見合わせ小さくガッツポーズを交わす。
ところが、ドクトーラ(Doctora 女医さん)は状況をカルテに書き込みながら、
「そうね、レントゲンをとらなきゃね。ここに書いておくから、これを持ってD病院に行ってね。」
と言うではないか。
耳を疑ってしまった。
「こ、ここは病院ではないのですかっ!?」
と聞くと、
「悪いけど、病院じゃないのよ~。」
つまり、そこはアンブラトリオ(ambulatorio 初診外来)なる施設で、そこでいったん診てもらい、ケガや病気の程度によってそれぞれの適した病院に送り込んでもらうというシステムになっていたのだ。
そのD病院はマドリッド市内にあって、高速をすっとばして行かなければならない。
ガーーン。
でも行くしかないのだ。
D病院に着いた。
ウルヘンシアの窓口で受付のおじさんに、C病院で書いてもらったカルテを見せる。
保険の証書を見せ、身分証明書を見せ、書類を作ってもらい、ようやく診察室へ。
ところが、息子の年齢が13歳だと知るや、
「子供の救急外来はないから、E病院に行きなさい。」
若いドクターが無情にもそのように言い放った。
ぬ、ぬぁにいいいィ!?
Part 2に続く
やつの骨はスカスカだね。
四十?年間一度も骨折したことのない私はその痛さが想像もできないけど、痛いんだろうね。
しかし、日本も産婦人科たらいまわし事件で、ワイドショーが特集していたけど。
結局、骨折???
相撲大会の前週に骨折した、たけの事をおもいだしたよ・・・
私もスペインから皆さんの健康を願うわ。
疲れたけど、おかげで病院のシステムが多少わかってきたし、医学用語も随分勉強できたわ。
転んでもタダじゃー起きませんよ。
次回からはもうちょっとうまくやれる気がする。
おっと、そんな機会がないことを、願ってて~。
無事診察が受けられたのか続きが気になるけれど、車と気力がなくては病気や怪我にもになれないのね。そちらの方は頑丈なのかしら・・・。
日本は、軽傷でも行き過ぎの感もあるけれど・・・。
お大事にね。
そして、ご家族の皆さんの健康を切に願うわ