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人間の弱点は、知識に依存していることである。
私たちはいつも知識の支配下にある
大英自然博物館展を見て、ため息をついてしまった。
人間の時間軸はとてもとても短い。
地球が創出した多様な生命体や鉱物植物の不思議については、
傑出した博学者であっても
きっとその数パーセントを知り得ているだけだろう。
まして一般には、教育で得たわずかな知識にとどまっていて、
宇宙や地球事物の変化や仕組みを
その1%も知ってはいないのだろうとおもう。
どのジャンルの創造物であっても、
その生成に要した時間を、人間は数値化できるだけである。
自然の変化を捉えるには人間の時間感覚はまるで役に立たない。
人間が使う時間の長さは、余りにも微少な計測なのである。
一億年前、1万年前といったことを感覚できない。
人の脳はその能力を持っていない。
人間は考える能力を持っているが、
使う時間は人間同士でわかり合える時間感覚にすぎない。
生物や植物のそれぞれが持つ異様な形態、色、活動、存在すら、
何一つなぜそうなのか、やはり不思議でならない。
連綿とした遺伝子の強さ、環境を凌ぐ多様な変容は、
未来に何を創出し続けるのか。
鉱物の生成を遡ればそこには何があるのか。
あれもこれも素朴な質問に戻ってしまう。
地球の至る所で様々な化石が発見され、復元され、
仮想映像で蘇るそれらの多くが、
現在とあまりにも違って驚く。恐竜群などはいい例だ。
なぜ出現したのか、なぜ多様な姿態をしているのか、
なぜあれほど大きくなる必要があったのか。
化石から明らかにされている事柄は、
地球上に創出されたもののわずかな一部に過ぎないないだろう。
人々が懸命に探し続けても、
宇宙時間で現れ消滅していった事物は計り知れないのだから。
ましてや、微生物の世界など、
どれほどの連鎖や変容があるのか、理解は遠く及ばない。
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