世態迷想・・抽斗の書き溜め

虫メガネのようであり、潜望鏡のようでも・・解も掴めず、整わず、抜け道も見つからず

社会の動機

2017-07-13 | 世間にはいつも毒が・・

📌

不平不満の現し方、恥の感じ方、惻隠の情、

それらは、社会が違えばその基準が異なっている。

 

📌

社会の変容が怖い。

不寛容や偏見や差別がじわりじわりと人々の心に根付いてしまう。

 

社会はアジテーションに弱い。

デモ隊が足並みを揃えるために、

最前列に長い横竿を渡して行進する光景があった。

竿の片方の端にいる者が足の運びを加減すれば、

何千人のデモ隊であっても、その長い隊列が大きく蛇行し始める。

扇動は容易いのだろう、きっとコレと同じに違いない。

 

アジテーターが衆目を集めるなら、

その社会は迷路の入り口に立っている。

社会は扇動に弱い。現状打破に幻の出口を指し示すからだ。

 

📌

人間社会の動機は、ただただ、他者との比較で成り立っている。

比較は世界の動機を触発する。

 

世界は、概ね、少数の愉快と大多数の不愉快で成り立っている。

 

📌 

契約は、性悪説に立つべし。

当事者間の契約事項遂行に異変が起きた場合の対処法を具体的、

細目にわたって記したものにすべきである。

「問題発生時に双方誠意を持って協議する・・」などと

省略してはいけない。

誠意の質量はどちらにも計れない。

契約とは信頼の仮面であるから、

契約の本質は利の共有を確認するだけでなく、

悪意の発生を予測し防御する事にある。

ここでは徹底して性悪説を前提にするべきである。

 

📌

人生の終末を実感し始めている年老いた人々の寂しさと怖れに、

追い打ちをかけるような社会であってはならない。

そんな傲慢な社会の運営をしてはならない。

 

📌

人は、論理的なことと感情的なことの間で、

いつも揺れ動き、曖昧になる。

曖昧は解決につながらないが、人の逃げ場になる。

 

📌

気候風土、敷衍して社会的風土

地球上で人は同じ営みをしているように見えるが、違いも大きい。

地理や気候の違いが、

人々にそれぞれ特有の生活の仕方を身につけさせる。

そこで何世代も連綿と共同社会が続けられる。

特有の慣習や伝統、信仰、道徳基準などに揉まれ揉まれて人が

育っていく。

その社会風土が民族の特有の価値観を産んで、しかも頑迷である。

 

互いの社会的風土の微妙な違いは、他の民族や国との間で

不理解を生む。

違う風土の社会とその人間を排除しようとする。

それは自衛策であって、その社会の正義になる。

地球の隅々まで苦もなく往来ができて、

自由な通信が世界中を駆け巡っても、

異文化の柔軟な受け入れや理解は容易なことではない。

世界は画一的にならない方が良い。

だが、異文化の相互理解が届かず不寛容なら、

その必然として紛争の芽が育つ。

積極的な融合は一進一退である。

 

📌

衣服を脱いでしまえば、人の姿はわかりやすい。

世界の姿も同じだ、その全像は言葉やモノで巧みに飾られ、

私たちはその幻想に酔いしれる。

だが、修飾を1枚ずつ剥ぐ毎に、社会の動機が見えてくる。

欲望と手法が汗をかいて熱演しているはずだ。

 

📌

人間の思考は、すべてに超越して、動機に由来している。

何事も”比べる”ことによって、価値を見いだしその方向に進む。

それ以外の法則は、発生しようがない。

引力が宇宙の法則なら、

人間の思考に存在するのは、”比べる”という引力である。

 

📌

世界の平和・・という言葉を使うのはやめた方が良い。

 いわば信仰であって、現実と幻想の間をさまよう無力を想起させる。

 人類の歴史を覗けば、それがむしろ無定見な妄想であることが理解できるはずだ。

 美しく聞こえる枕言葉としても、愚かな使い方だ。

 世界の絶え間ない努力は、紛争や殺戮を減らしたいという現実に直面して、

 わずかな成果を上げることが出来るだけだ。

 これは失望ではなく、絶え間ない方策の積み重ねで漸く小さな平穏に近づける。

 世界の現実である。

 

📌

 人々は、凌いで凌いで生き抜いてきた。濁流も清流もない。混沌の流れを藻掻いて、

 我欲と渇望と正義の混濁を飲んで毎日を過ごしている。

 政治が為す事柄の半分は、問題解消の正解とは言えないだろう。

 そうした政治的な進行が繰り返し繰り返し行われて、世界史は組み上がってきている。

 多勢に乗っかる軽薄な野次馬が多すぎる。

 

📌

今の世で、天皇家はなぜにこうも敬われるのか、改めて問われることはすくない。

 天皇は語らないが、政治家や識者があれこれ宣う。

 天皇家は国家の人形かと思わされる。

 なぜ女性の天皇を認めたくないのか。

 なぜ男性が相応しいと思うのか。

 錯誤の論調を知って驚いてしまう。偏狭でしかも頑迷だ。

平成天皇が自らの退位を望まれた際も、

 憲法を楯にとって、象徴の役割を終身に閉じ込めたかったのか。

 彼らは天皇個人ではなく、天皇制を敬っているだけなのだろう。

 


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