昨日から取り掛かっていたジューサを修理した。
2~3日前から、音が段々と大きくなってきたというのだ。「診断」すると回転部分がカバーに当たる接触音だ。高速回転音だけに接触音も異常である。原因は、モーターの軸ぶれ(編芯)である。すぐに分解してモーターの固定部を見ると樹 脂で固めた構造になっている。修理不能の、いわゆる使い捨て商品の構造だ。ここで技術者の知恵の出しどころとなる。
いかにしてモーターと筐体(化粧ケース)とを固定するかが修理の可否を決めるのだ。退職後、錆び付き始めた脳を回転さすことにした。色々と考えているうちにパッとひらめいた固定方法が浮かんでくる。我ながら見事な方法と自負しつつ実際に試してみることにする。その固定方法とは?
モーター本体と筐体を軸ぶれしないようにしっかりと固定せねばならないが最初は金具や丸棒を考えて仮固定するもうまくいかなかった。振動をある程度吸収する方が良さそうとひらめいたのが歯ブラシである。歯ブラシの握りが樹脂製であり、しかも首部が細くなっていて容易に曲がることが幸いして2本の歯ブラシを略L字状に加工してモーター本体を取り囲むようにしてモーターとプラスチック製筐体をしっかりと固定することに成功したのである。勿論、固定は接着剤である。お陰で買い換える必要はなくなり、いつものように今朝もジューサーの快音を聞くことができた。ヒラメキというのはやはり経験の積み重ねから生れてくるのであろうか。