30日、「総合研修」で京都大学演習林“芦生の森”へ行く。7時に栗東自然観察の森を出発したマイクロバスは、2時間余走って演習林入口に到着する。降った雨が京都府側と滋賀県側とに分かれるという“分水点”の地蔵峠から「上谷自然観察道」に入ったが長靴を履いて参加する有難味がやっとわかる。この峠には、「雪標」があり積雪した雪の重みで軟線が曲がることで最大積雪量を計測するのだという。観察道は、前日の雨だけではなく地下水の自然漏水もあってかぬかるんでいたし、清水が流れる澤をジャブジャブと渡る必要があった。この道中のあちこちには、倒木が横たわったりしていたが、自然観察のためにそのままの状態を維持する必要があるというのだ。素人的には、少なくとも通路を塞ぐような倒木は安全を確保する為にも移動させた方がよいと思うのだがそうはいかないらしい。
倒木の腐った幹に力強く生きるスギヒラタケ、自然発光する ために応用可否について研究されているというツキヨダケ、熊はぎにあって根元にポッカリ穴が開いている杉、かわいい青い実を無数につけたサワフタギ、雪の重みに耐えて地面に枝を根付かせて新しい生命を育てるという芦生の杉や、「倒木更新」という新しい生命の誕生等々を見ながら突き進み杉尾峠(765m)を目指したが直前で道を間違えて断念する。ただ、由良川の源流となっている地点にまで到達でき、普段、川の源流まで辿ることがないだけに感慨深かった。約3時間半歩いた後の午後1時過ぎに弁当を食べる。昼食を済ませて下山開始である。NVRの皆さんと狭い観察道を一列に並んで歩き、楽しい一日を送れたことに感謝しています。