昨日に続き、伊良部島のお話。 伊良部島は洗面器をひっくり返したような地形で、佐良浜港のある島の西~南海岸は海からいきなり70~80mの標高となります。 このため、遠くからみると、海岸斜面に家がびっしり建っている感じがします。
(平良港:荷川取地区よりみた、伊良部島佐良浜地区) まったく長崎の町を思い出しそうです。
したがって、海岸は絶壁(ウチナー口で”バンタ”)です。 こんな風景。
きれいでな風景ですが、とんでもない生活苦を意味しています。 伊良部島も宮古島同様、川がありません。 生活用水は天水か地下水。 ところが地下水は以前、多良間島で紹介したように、水を受ける基盤岩が海水面下深くにあるため、「淡水レンズ」の形態をとっています。 つまり、淡水は海水の上に浮いているため、海水面に近い低い場所でしか得ることはできません。
「サバウツガー」(サメの口に似た地形の場所にある井戸という意味)は佐良浜集落の貴重な水源ですが、ここにたどり着くために、急な階段を上り下りしなければなりませんでした。
男達は漁師ですので、これが女性の仕事です。 頭に水瓶をのせて1日に何回も往復したそうです。 昭和41年に簡易水道(たぶん、深井戸を掘って水中モーターポンプでくみ上げた)ができるまで続いたそうです。 写真に撮っていませんが、古くからある家は各家に天水を貯めるタンクとさびたポンプが残っていました。
さて、フェリーが出る前に伊良部大橋伊良部側の工事進捗状況を見に行きました。 佐良浜から海岸沿いの町道103号を通って、長浜港の方へ。
現在、取付道路の工事中。 埋め立てで作った海中道路はほぼ完成しているみたいです。 でも橋梁上部工であるセグメントはポツ・ポツ・・・・ トゥリーバー海岸からみてもわかりましたが、まだまだ工事は進んでいません。
ところで、町道103号線は初めて通るとちょっと変わっているのに気づきます。 私も最初通ったとき”なんか道の両側に・・・建物がある・・・なんだこれは?”
お墓があります。 でも、お墓の量が半端ではない!
”墓地ロード”と名付けたいぐらい両側に一杯。 しかも1つ1つが立派なコンクリート構造物です。 ダンプカー以外の普通の車が突っ込んだらまず負けると思います。
実はこの道に集中しているだけではなく、墓地団地は島のいたるところにあります。 島の人口を考えたら、一族(門中)にお墓1基ではなく、一家に墓1基という印象を受けます。 でも・・・この墓が農地の真ん中に建ったりと”違法建築”に近い状態が今問題になっているそうですが・・・
さて、フェリーの出発時間になりましたので、平良港に戻ります。
今回はお仕事で伊良部島に行きましたので、行き帰りの時によった場所の紹介に終わりました。 今度は時間を作って、もっと詳しく伊良部島と下地島の探索とその紹介を。 特に下地島空港周辺の美しい”白い海”なども紹介したいと思います。