抜粋
山形新聞4月26日朝刊 木村記者
白鷹町深山にある「深山工房」の登り窯が復活した。
東日本大震災の影響で使えなくなり、住民らが一体となって再建を進め約4年がかりで初窯にこぎ着けた。
深山焼の陶芸家金田利之さん(高玉)は「窯が活躍してこそ本当の復活になる」と次なるステージを見据える。
-老朽化していた窯が2011年4月に発生した最大余震で崩れて使用不能になった。
「町の協力を得た『復活プロジェクト』として窯を覆う屋根を設置し、耐火れんがのモルタルを剥がす作業やまき割り・運搬などで延べ650人に協力してもらった。
いずれも根気の要る作業だったがボランティアや地域や町の労に報いるため、今後どう活用していくかが重要になってくる」
-思い描く活用法は。
「登り窯は昼夜を通し5日間ほど燃やし続けるため膨大なまきが必要になる。
まき用の森林資源を調達するため、(昨年発足した)『しらたか木の駅プロジェクト』や地域住民と連携していきたい。現在は主に灯油窯で制作しているが、登り窯を使うことで再生可能エネルギーへの転換を図り、窯を中心としたエネルギーと人の循環を生み出していきたい」
-観光への活用は。
﹁登り窯は観光資源としても魅力と可能性を秘めている。例えば、深山に宿泊しまき割りや器の成形、窯たきといった一連の作業を体験してもらえば町内への経済効果も期待できる、深山は景観的な美しさを備え、観光客に訴える力がある。景観を含めた窯の魅力を発信し潜在的なニーズを掘り起こしたい」
-初窯の火入れ式が行われた3月23日は、金田さんの師で深山焼の再興を目指した陶芸家梅村正芳さんの命日だった。
梅村さんをはじめ先人に負けない作品を作っていく決意を込めた。
いい作品を作るとともに窯を後世に残していくことも大切になる。
焼き物に関心を持ってもらうワークショップや観光誘客にさらに力を入れ、多くの人が窯と触れ合える機会をつくっていけば後継者が出てくる可能性が生まれてくる。
木の駅プロジェクトや地域ともっと連携を密にし、登り窯を最大限活用できれば本当の復活になる。
そうすれば地域の活性化につながり、支援してくれる人々への恩返しにもなると考えている」
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http://www.dango-miyama.sakura.ne.jp
◯深山焼特注承ります。結婚式などの引出物をオーダーメイドで製作いたします。打ち合わせて色形の決定後、焼き上がりまでは、3ヶ月ほど。
◎伐採した木、お引き受けします。
条件
・深山工房まで運搬願います。
・赤松が希望。
・その他の広葉樹でもok。
・杉はNG。
枝先や葉はいりません。直径5cm以上、腕の太さくらいの枝まで。