経営の志

既知の人も多いと思うが、樹研工業という愛知県豊橋市に本社をおく企業がある。100万分の1グラムの歯車を作った企業である。しかも、せっかく作った歯車もどこからか注文があったわけでもなく、従業員が自由に創意工夫した過程で出来たそうだ。さらにこの企業のユニークなのは、従業員の採用が先着順(笑)と言うところ。社長の松浦元男氏は述べている。-

-「当社では設立以来ずっと、人を採用する際に先着順採用としています。定期採用も、面接などの採用試験も実施していません。人が必要になったら、まず、3人くらい採用したいが、誰かいないかと社内に声をかけて募ります。それで見つかればよし。見つからなければチラシに広告を載せたりしますが、いずれにせよ採用するのは先着順です。
人はそれぞれ成長のスピードも違います。採用してからどうなるかなど、誰も予測できません。事実当社では、入社した頃には「こいつ、大丈夫か?」と心配しながら見ていた社員が、数年経って急に頭角を現し、「こいつ、天才じゃないか?!」と思える優秀な人材に成長を遂げたような例がいくつもあります。それもあって、10年ほど前からは先着順採用に絶対の自信を持って続けています。」

上記の発言は、現在、キヤノンの偽装請負が国会で問題になったり、あらゆる産業で、派遣労働者の権利が侵害され、勤労者の使い捨てが常態化しつつある社会の中で、それに対抗し得る考え方を内包していないだろうか。

◆◆◆◆

キヤノンの偽装請負問題に続いて、こんな話題もある。

  タイガー魔法瓶を提訴 派遣女性「正規雇用せず突然解雇」

タイガー魔法瓶(大阪府門真市)で派遣社員として5年以上同じ業務に従事した上、 突然契約を解除されて精神的苦痛を受けたとして、大阪府内の女性(30)が26日、同社に慰謝料300万円と正社員としての雇用などを求める訴訟を大阪地裁に起こした。契約解除は労働局が同社を指導した直後に行われており、女性側は 「解雇は労働局に申告したことに対する報復」と主張している。
訴状によると、女性は門真市の人材派遣会社を通じ、平成13年9月からタイガーで 勤務。社員の指示を受けるなど実態は派遣なのに、請負契約を装った“偽装請負”が行われていた。女性は昨年11月、大阪労働局に申告。同局は労働者派遣法違反を認定し、タイガーに行政指導を行った。
同法は一定期間を過ぎた場合、派遣先の企業に直接雇用する義務があると規定。
労働局による指導はこの趣旨を踏まえ、女性の雇用の安定を図る前提で派遣契約の解除を求めるものだったが、タイガーは契約解除だけを行い、女性を正規雇用しなかったという。
提訴後、会見した女性は「話し合いにも応じてもらえず、悩みに悩んで提訴した」と話した。

タイガー魔法瓶の話 「訴状を見ていないのでコメントできない」 (2月26日15時43分配信 産経新聞)

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私は樹研工業には何の利害関係もないし、実際の企業経営はそう理想論ばかりではやっていけないことも、理解しているつもりだ。しかし、松浦氏の発言には、経営者としての従業員に対する、信頼感や、愛情とも言えるものを感じる。。企業の規模としても売上高としてもキヤノンやタイガー魔法瓶の方が数段上だろう。しかし、本当に評価されるべきはどちらの企業だろうか。松浦氏には企業を経営する上での思想、志のようなものを感じないだろうか。
松浦氏がどうなのかはわからないが、かつては、「若い頃に社会主義思想に影響を受けない者はバカで年を取ってからも、そうなのはもっとバカである。」というニュアンスの言葉があった。それが現実の日本の企業経営の中で生かされたのが、長期雇用をなるべく守るという考え方だったと思う。最近の企業経営者はそんな葛藤を若い頃に経験していないのだろうか。

作家の城山三郎氏は『人間復興の経済を目指して』の中で以下のように述べている。

「私の学生時代には、経済学のテーマはケインズかマルクスかだった。近代理論経済学か社会主義経済学か。いつもみんな学生なりに、資本論にいくかケインズの一般理論にいくかということで悩んでいたわけです。そこで、資本主義の側からでてきたのが修正資本主義という考え方ですね。資本主義は手放しではいけない。いろんな意味で制限を加えたり、改めるべきは改めないと、資本主義自体が生きていけないんだということで、かなり真剣な議論が盛り上がっていた。
それがいまは、こんな議論はほとんどないでしょ。・・・たとえば経済同友会の理念というのは、修正資本主義の系譜だったと思いますね。じゃあ、いま、経済同友会はその流れの上に立っているのか。あるいは修正資本主義の流れをどう見ているのかというところの議論はあまり聞きませんね。いかに景気をよくするかという議論はあっても、いかに資本主義そのものを・・・健全なものにするか、人間にとって幸福なものにという根源的な問いかけをしない。つまり目先の小状況だけで政治が行われたからです。経営者とか資本家の<志>というものがどこにいったのか、あるいはどういう展望を持っているのかということを、やっぱり問いただしたいですね。」

私も一民間企業に勤めるサラリーマンである。税金や保険料も納めている。本当の志を持っている企業経営者が評価される、健全な資本主義社会の中で国民の義務を果たしたい。

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大野秀之(公述人 キヤノンユニオン・宇都宮支部支部長)さんの魂の叫びを聞け!!

読者のみな様方、
キヤノン宇都宮工場で請負労働者として働く大野秀之さんの国会の公述人質疑での発言をよ~く拝聴しよう。

2月22日、予算委員会公聴会、公述人質疑の所。


 【追記】
 内容についてはファミリーメンタルクリニックさんが上手くまとめられていま
 す。なかまたさん、ありがとう。
 
 関連エントリー 『I am 職人.

   
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郵政民営化についてあらためて・・・

   USTR代表:郵政民営化でWTO提訴を示唆
【ワシントン木村旬】米通商代表部(USTR)のシュワブ代表は14日、下院歳入委員会で証言し、日本の郵政民営化で外資系金融機関などが競争上不利な立場に立たされるなら、世界貿易機関(WTO)への提訴も辞さない構えを示した。米政府高官が民営化問題でWTO提訴の可能性に言及したのは初めて。
同代表は「民営化後の会社が不当に有利にならなければ、民営化は問題がない」と指摘しつつも、民営化の行方について「極めて注意深く監視し、必要なら法的措置を探る」と述べた。
郵政民営化委員会は民営化で発足する「ゆうちょ銀行」と「かんぽ生命」の株式上場前の事業拡大を認める方針を示したが、米生命保険協会などは先月末、「外資系などとの対等な競争条件を確保できず、WTOの協定違反」と反対を表明した。同代表の発言は、ブッシュ政権の求心力が低下する中、日本に強硬な姿勢をアピールする狙いもあるとみられる。 (毎日新聞 2007年2月15日 11時58分)


というわけで、郵政民営化について今更ながら、疑問が沸き起こりまくりなので、ネットをうろうろしていたら、以下をみつけたので、引用貼り付け。

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「郵政改革」の真相を明かす一通の手紙。
アメリカの郵政は国営が基本だ。なのに何故、日本に民営化を迫るのか?
郵政民営化は誰のためか?何のための解散・総選挙か?小泉純一郎首相と竹中平蔵のコンビはいう。「小さな政府をつくる。郵政改革はその第一歩だ。この改革なくして日本の明日はない」
騙されてはいけない。真相を暴露する手紙が、参院の特別委員会で披露された。宛名は竹中平蔵。差出人は前アメリカ通商代表部のボス、ロバート・ゼーリック(現国務副長官)だ。
日付は二〇〇四年十月四日。竹中が経済財政担当に加えて、郵政民営化担当大臣を兼務することになった時点だ。
この手紙を民主党の櫻井充が読み上げた。全文を読んでみたいと思い、翌日、新聞五紙を見たがゼーリックの「ゼ」の字も出ていない。完全無視。人を介してコピーを入手した。全文を引きたいところだが、紙幅の関係で要約する。

 -竹中さん、オメデトウございます。金融大臣としてよいお仕事をされた。それが新しい任務を招きました。この任務を小泉首相が貴方に託したことは、われわれにとって心強い。貴方に前と同様の決意とリーダーシップを期待します。
 保険、銀行、速配業務において、競争条件を完全に平等にすることは、私たちにとって根本的に重要です。郵貯と簡保を、民間とイコールフッティング(同じ条件)にすること、すなわち民間と同様の税制・セーフティネットを義務化し、政府保証を廃止するよう望みます。ついては以下の点で、貴方を後押しいたします。

 ①民営化の開始(〇七年)から、郵貯・簡保業務に(民間と同様に現行の)
  保険業法、銀行法を適用すること。
 ②競争条件の完全な平等が実現するまで、郵貯・簡保に新商品や商品の見直
  しは認めてはならないこと。
 ③新しい郵貯・簡保は相互扶助による利益を得てはならないこと。
 ④民営化の過程において、いかなる新たな特典も郵便局に与えてはならない
  こと。
 ⑤その過程は常に透明なものにし、関係団体(筆者註、アメリカの業者を含む)
  に意見を表明する機会を与え、これを決定要因とすること。

この間題について、今日まで私たちの政府が行った対話を高く評価します。貴方がこの新たな挑戦に取りかかる時に、私が助けになるなら、遠慮なくおっしゃって下さい……末尾に手書きで「Takenaka-San」と呼びかけ、次のように結ぶ。

「貴方は立派な仕事をされました。困難な挑戦の中で進歩を実現された。新たな責務における達成と幸運を祈念いたします。貴方と仕事をするのを楽しみにしております」
手紙が読み上げられる問、議場から「へぇー」とか「ホォー」の驚嘆しきり。その間、当の竹中は居心地悪そうに、しきりに手で顔を撫でまわす。
毎年十月、アメリカ通商代表部は日本政府に 「年次改革要望書」を突き付ける。毎年三月、代表部はその成果を議会に報告する。議会のさらなる要望を受けて、代表部は日本を督励・監視する。日本の「諸カイカク」は、そのシナリオに沿って行われて来た。
まさに手紙は郵政民営化担当大臣・竹中を督励する内容だ。櫻井充議員(民主党)は訊く。

 櫻井「竹中大臣、貴方はこれまでアメリカの要人と民営化について話し合った
    ことはありますか」
 竹中「いや、一度もございません」

 ならばと、櫻井はこの手紙を読み上げた。

手紙は郵便・窓口についてはほとんど触れない。郵貯・簡保についてのみアレコレと指示する。狙いは明らかだ。
郵貯・簡保に貯えられた三百四十兆円 - 日本人の最後の貯金、それが狙いだ。手紙はそれを露骨に物語る。
 すでに商法改正は、株式交換による会社の買収・合併を可能にしている。これまた例のシナリオに従った。それによって株式時価総額の大きい会社は、小さい会社を容易に買収・合併できる。日本の株式時価総額は、アメリカの格付け会社によって不当に低く抑えられている。格付け会社はアメリカ大手資本の「別働隊」だ。ために株式時価総額における日米の比率は一対八だ。

三菱東京銀行の中堅社員がいう。
「ウチの株式時価総額は四兆円かそこらです。くらべてシティバンクは三十兆円。TOBを仕掛けられたら、ひとたまりもない」
 郵貯・簡保を民営化させ、郵貯銀行と保険会社とする。これをゼーリックいうところの「完全な競争原理」に晒せばどうなるか。
アメリカの大手資本が併呑する。櫻井もいう。
「これが乗っ取られるのではないか。すでにアメリカの大手資本が、ゴールドマン・サックスでしたかな、一兆円の資金を準備したとも聞いている」
 元郵政相・自見庄三郎(山崎派)は衆院の採決に先立ち、反対の「撤文」を全議員に配布した。
「財政赤字に苦しむアメリカは、日本の郵政民営化に期待する。
三百四十兆円の郵貯・簡保資金は、アメリカによる日本買い占め資金に回す結果となるのだ」
 つまりは国民の資産三百四十兆円をアメリカに売り渡す法案だ、というのだ。どうあっても民営化するなら、郵貯銀行、保険会社につき、事前に防衛策を講じる必要がある。修正案に盛り込もうとする主張もあったが、小泉・竹中のコンビが最後までこれを拒否した。理由はくだんの手紙で明らかだ。ボスの指示とあれば拒めない。

堀内光雄が配布した文書がある。
説明に訪れた竹中とのやり取りが記してある。

 堀内「この法案にはビジョンが出ていない。結果はどうなる、それが出ていな
    い。」
 竹中「そうなんですよね。」
 堀内「そこが問題なんです。」
 竹中「これはわれわれとしても大変悩ましいものがあるんですが、それをお決め
    になるのは次の経営者なんですね。その経営者を差し置いて、われわれ政
    治家や役人がビジネス・モデルをつくるのは、若干、恥じらうところがあ
    ります。」
 堀内「それはちょっと違うのでは?改革というのは、目標とするところの姿を
    示すことに意義があると思うんです。革命は、やればできるといってアト
    のことは示さない。革命になったら困るんですよ……。」

 郵貯銀行、保険会社の未来は経営者が決める。後は野となれ山となれ。これでは革命でもなければ改革ですらない。郵政を国営とするアメリカが、なぜ日本には民営化を望んで圧力を加えるのか。事は郵便や窓口の話ではない。そんなことはアメリカにとってはどうでもいい。

 それかあらぬか参院で法案が否決された翌日、ウォール・ストリート・ジャーナルは書いた。
「これでわれわれが待ち望んだ三兆ドルは、しばらくの間お預けだ。しかし小泉は頑張るだろう」
この新聞はアメリカ大手資本の「広報紙」だ。それがはからずもアメリカの本音をあらわにした。

ブレア首相の皮肉

「郵政」の名に隠れているが、今国会の本質は「金融国会」だった。
竹中が金融担当を経て経済財政担当を兼務しながら郵政民営化担当大臣に就いたこと自体が、それを示している。
郵貯・簡保三百四十兆円の扱いが、アメリカにとっても、その意を受けた小泉・竹中にとっても、文字通り「本丸の本丸」だった。
郵便・窓口など二の次、三の次だ。
アメリカは官民一体となった「金融攻勢」を仕掛けて来ている。郵貯・簡保三百四十兆円の行方は金融に大きな変化をもたらす。ましてこれが乗っ取られるとなれば、なおさらだ。
郵貯・簡保三百四十兆円は、うち二百兆円を財務官僚が運用し、一説にはすでに百兆円が不良債権化しているとされる。
百兆円の国債を発行してこれを身奇麗にする。
キレイにした三百四十兆円を民営化して、ハゲタカの前に晒す。これが旧長銀よろしく買収された場合、百兆円の日本国債はアメリカの手に落ちる。日本の公的機関が抱える米国債は七十五兆円とされる。アメリカにすればお釣りが来る。アメリカは日本に米国債を売らせない。永遠に塩漬けとする。一方、日本国債を大量に売ればどうなるか。暴落は必至。切羽詰まればアメリカは何でもやる。
 国債とは国民からの借金だ。百兆円の借金は、いずれは税金で賄うしかない。とどのつまりは国民の負担となる。八兆円を注ぎ込んだ旧長銀の買収事件と同様だ。ハゲタカのリップルウッドは十億円の投資で一兆円の利益を上げた。これの再現にならないとは限らない。首相は櫻井に答えた。
「外国の資金が入って来る。結構なことじゃないですか。私は外資歓迎論です。棲井さん、いい加減、島国根性は捨ててもらいたい」
 外資歓迎? 日本にカネはダブついている。それが塩漬けになってまわらない。これをまわすようにする政策こそが急務だ。それを首相はやろうとしない。ひたすら 「官のものを民へ流す」 と叫ぶだけで、実行が伴わない。第一、郵貯・簡保のカネは「官のもの」ではなく「民のもの」 だ。
 たしかに郵貯・簡保の「カネの出」について問題はある。財政投融資を廃止するなり(事実そう決められた)、カネの出を厳重管理すれば足りる。
「カネの入り」 はきわめて健全なものだ。偽名による多重口座の問題もあるが、「名寄せ」をする等して、これまた厳重管理すれは足りる。ひっくるめて 「カネの出入り」を健全管理することは可能だ。これを民営化して大手外資の攻撃に晒するのは、たらいの水ごと赤児を流すに似ている。
 ちなみにイギリスは郵便貯金を国営としている。ニュージーランドは民営化して外資に乗っ取られ、慌てて郵貯を国営に戻した。ドイツの国営化は失敗、Uターンを始めている。分割したドイツポストとドイツポストバンクを再び統合させる等混乱が続いている。アメリカの郵政は国営を基本とする。
だから最近、イギリスのブレア首相は訪れた笹森消・連合会長に皮肉った。
「日本だけが逆行しているようですね」
日本人の最後の貯金を「お預け」としたのは、反対派議員の職を賭けた蹶起(けっき)だ。その彼らをいまや首相は「刺客」を放って追い詰める。メディアも「守旧派」として冷ややかに扱う。話が全く逆だ。善玉と悪玉を取り違えてはいけない。(堤堯 東大法学部卒、文藝春秋編集長、出版総局長、常務を経て退社)

 ― Let's Blow! 毒吐き@てっく さんより

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ブードゥー教徒とサッチャー教徒

ブードゥーとは、カリブ海の島国ハイチなどで信仰されている「ブードゥー教」のことだ。キリスト教と西アフリカの宗教が合体してできたこの宗教では、呪術を使って人を苦しめたり殺したりできると考えられており、パパブッシュは「減税すれば税収が増えるという主張は、呪いをかければ人は死ぬと言っているのと同じで、根拠がないまやかしだ」という意味で、レーガンの経済政策を「ブードゥー的だ」と非難した。

◆◆◆◆

先般、政府与党は、税制改正大綱で法人税減税初年度4500億円、平年度6000億円の方針を決めた。経済成長を支援するためだと言う。だが、上場企業の3分の1は無借金で金がじゃぶじゃぶだ。そこに金を上積みして、どうしようと言うのか。
企業業績が絶好調なら、本来、還元すべきは、企業から雇用者への報酬のはずだが、こちらのルートは目詰まりのままだ。その家計に対しては、定率減税の廃止が決まっている。そうなると、余裕の企業に対する減税と苦しい家計への増税という奇妙な組み合わせになる。
安倍政権は「成長部門の強化」というレトリックを使っているが、「企業減税を優先すれば税収が増える」というおまじないは、米レーガン政権で登場した「ラッファー曲線」を思い起こさせる。1980年代前半、レーガンは供給サイドの経済学を唱えるラッファーの口車に乗り、企業減税を繰り返した結果、後々財政赤字の拡大に苦しんだ。レーガンの負の遺産を継いだ父ブッシュは、供給サイド経済学を「ブードゥー経済学」と言って忌み嫌ったのだ。
財政赤字も「高成長が達成されれば」ほとんど消える、といいことずくめ。肝心なのはどうすれば高成長を達成できるかだが、それについては「政府が旗をふるからイノベーションは成功する」と言うのみだ。信じるものは救われる。まさしく「ブードゥー」であり、天国のシュンペーターも首をかしげているに違いない。 (週刊東洋経済1/13日号より)

◆◆◆◆

山谷えり子安倍内閣教育再生特別補佐官 「日本の教育改革はサッチャーに学べ」

サッチャー政権は落ちぶれていく英国経済を食い止めようと、同時に彼女個人の名声のために、国家予算を産業や金融の方へ注ぎ込んだ。それはあくまで、産業の上に立つ者、ビジネスの上に立つ者を助けるためであって、彼女にとって、労働者階級なんか眼中になかった。社会や国家の末端の機能が円滑に動かなければ、経済全体が円滑に機能しないことを、この女性首相は学ばなかったらしい。人件費を削ること、人格の土台である教育費を削ること、あらゆる働く場所を削ることで、英国経済の立て直しを試みようとして貧富の差を拡大し、結局は、無能で、犯罪者の増大する国家を作ってしまった。
― その後、労働党のトニー・ブレアが「education education education」と訴え、登場する。 (『イギリス人はおかしい』高尾慶子著より)

統一教会だけではなく、ブードゥー教や、サッチャー教にも我が国の政治は侵食されている。
日本は大変な状態である。

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申し訳ありません、臼井ひでお議員に代わって、全国のハゲを代表して私が謝ります

私は毛髪力を愛用している。文句ある?
私だって努力してるんだ。ああ、それなのにハゲの恥さらしが国会にいようとは!!

   枝野議員の後ろで爆睡中のハゲ男

キヤノンの偽装請負問題や、それに付随した経済財政諮問会議メンバーでもある御手洗経団連会長の国会招致について熱弁を奮う民主党枝野議員の後ろで爆睡中のハゲは、臼井薄い薄いひでお自民党議員である。
国民のみな様、本当に申し訳ない。ハゲだって使い道は色々あるんだけど・・・目つぶしとか、電球代わりとか。でも国会で寝ていたらな~~~~んにも役に立たない。
というわけで、ハゲの薄いひでおに代わって、私がお詫びとしてロマンスグレーの素敵なおじ様、内橋克人氏の月刊『世界』3月号での発言で重要と思われる箇所を少し紹介します。

 ― 御手洗ビジョンが示すように、経団連を中心とする巨大企業の利益代表組織
   と政権がものすごく癒着しています

おじ様 「政財界の癒着の背景には、官僚制の変質があると思います。日本の官僚制は、もともとマックス・ウェーバーの言う近代的な官僚制になり切っていない、いわば家産官僚でしたが、にもかかわらず、ある程度中立だったのです。バブル崩壊後、政官財の癒着=鉄のトライアングルが盛んに槍玉に上げられた。それで、小泉時代に行われたのが、<官僚征伐>。・・・その結果、どうなったか。わずか数年の間に、近代的な官僚制の側面がほとんど崩壊し、家産官僚の傾向を強めて、その時々の政権に奉仕する群れになってしまった。・・・
家産的要素が非常に強かった時代にも、真の公益とは何かを考える官僚はいました。たとえば通産省に佐橋滋さんがいたころは、日本の国益を考えて、米国からの自動車輸入自由化の要求を全部はね飛ばした。・・・トヨタの今があるのは佐橋さんのおかげです。・・・このような官僚がいなくなり、時の政権にしっぽを振る家産官僚に逆戻りしてしまったのです。
・・・当初、労働省などは、やはり労働の現場の監督規制は必要だと私たちにエールを送っていました。労働基準監督局や省の人々がいかに苦しんでいるか、企業のやりたい放題でいいのかといった嘆きの声も、私たちに十分に届いていた。しかし労働省の官僚も、いつの間にか変ってしまった。時の政権にある意味で牽制役を果たすべき官僚制が、規制緩和一辺倒以降、機能不全に陥った。近代国家で官僚制が機能しない国など、日本ぐらいのものではないですか。」

おじ様 「今回の景気回復の初の決算である03年3月期、一部上場企業の経常利益は72%、大手製造業に限ると105%も増えました。翌04年も27%増加している。一方売上高は、03年3月期でわずか、1.2%増、翌年3月でも1.9%増にすぎない。売上高は増えないのに、なぜ利益が増えるのか。最大の原因は、<働かせ方の自由化>がこの間に急激に進んだ事。それを裏づけるのが、新自由主義者たちの説く<首を切りやすくすれば雇用が増える>とう論理です。・・・逆立ちの、まさにトリックですね。・・・総人件費コストをできるだけ少なくし、同時に人件費を固定費から流動費に変える、法律的には、働く場を労働法適用から民法や商法の対象に変えていく、つまり商品化する、ということです。
八代尚弘氏は最近の『エコノミスト』にこう書いてますね。<規制強化だけでは雇用を守れない現実>これは学者の言葉とも思えません。規制をもう一度元に戻して強化すれば雇用が増える、そんなことは誰も言っていないのです。そういうふうに反対論を矮小化しておいて、それに反論を加える、という常套手段ですね。」

おじ様 「正規に働く者の権利と保障、雇用する側の責任、とりわけ巨大企業の雇用責任をきちんと果たした上でこそ<働き方の多様化>と言えるのに、そうでない働き方をせざるを得ない状況に人々を追い込んでおいて、雇用の形態あるいは労働現場が多様化することをもって、<選職の時代>とか<働き方の多様化>というのは許しがたいまやかしです。」 ― 以上


私も将来ロマンスグレーに成りたかったなあ。もう無理かなあ、くすん(哀)。

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