社会と市場

今年を象徴する一文字は『命』だそうだ。我が国の首相は一文字の意味も解らない人物だが、では、私たちが失いつつある言葉とは何だろう。それは『社会』という言葉だろう。それが『市場』という言葉に取替えられつつあるのが現代だろう。いや、完全に社会は市場に制覇されたのかもしれない。

家のないフリーターたちは今、ネットカフェで眠る。ネットカフェという市場が彼らに寝る場所を提供する。
収入が激減した、家のローン等を抱えたリストラに直面したサラリーマンにはサラ金という市場が、一時凌ぎの金を貸す。
年金が不十分な老人が持ち家を所有していたら、モーゲージローンという市場で行政が個人の持ち家を収奪し、金を貸す。
ドヤ街にある簡易宿泊所の空き部屋をある若者が、旅行者の為のプチホテルという市場に替え、ビジネスとして成功すれば若き起業家として賞賛される。

すべては本来、『社会』が担わなければならないはずの領域だったはずだ。
今、私たちの前に社会はない。そして、社会という言葉は、どこか地球の東側にあった国が消滅し、この国の政治の世界からも社会と名のつく政党が迷走し、弱体化した軌跡と同じように消失しつつある。

私たちはまだ、『格差』という言葉を可視的に捉えている。しかし、それは『貧困』という言葉を可視化する過程にすぎない。そして『貧困』を私たちに可視化してくれるのは最早、社会ではなく市場である。
私たちの前に社会はない。あるのは市場であり、市場の海で溺れれば、『貧困』が待っているだけだろう。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 6 )

安倍はホントの敵じゃないな・・・

喜八ログさんも書かれているが、安倍内閣は短命かもしれないと最近思っている。
小泉は経済右派であり、その実行部隊は竹中氏だった。竹中氏的存在は辞任した本間税制会長や、政権には八代尚宏がまだ存在するが、安倍自体が経済をよく理解して、新自由主義的経済体制を信奉しているわけではないだろう。安倍は本来政治右派であり郷愁的国家主義者に過ぎない。
どこまで本気なのかはわからないが、本間あたりを重用したのも『上げ潮』路線をとれば、企業が潤い、一般の国民各層にもその果実が行き渡るだろうと考えていたのではないか。苦労知らずのおぼっちゃん故、その可能性もありはしないか。「パンがないなら、ケーキを食べろ」(だったっけ?)と言ったマリー・アントワネットみたいなものか。先日は日本経団連の御手洗氏と会談し、労働分配率をあげるように、という意見を述べたことも新聞に掲載されていた。資本の側にしてみれば、余計なお世話である。
経済界と自民党がべったりな関係なのは今にはじまったことではないが、その蜜月ぶりは小泉、竹中時代がピークで、経済界にしてみれば、その時代を基準に考えるわけだ。もし、少しでも安倍が経済界の思惑通りに動かなかったら、代わりはいくらでもいる、と考えているだろう。経済界にとって首相は使い捨てでもかまわない。
同じことはアメリカも考えているわけで、本気で安倍を評価している米政界や米経済界の人間などいないだろう。安倍は愛国的保守ではあっても経済右派ではない。そういう政治家が本気で日本をリードしだすと、日本に排外的経済政策=保護主義的経済政策を求める声がわきおこり始めるとの疑念を抱くだろう。そうなれば、アメリカは日本の富を収奪できなくなる。その傾向が安倍政権に出てきたら、安倍を使い捨てにして、新たな傀儡政権を求めるだろう。

先日、亡くなった青島幸男氏はかつて「自民党は財界の男めかけ」と言っていたが現在はさらに「アメリカの男めかけ」にならなければ、首相の地位はあぶないのかもしれない。

欧州の政治トレンドでは極右政党が高福祉と移民排斥を同時に唱え、一定の議席を得ている。その行き着く先はナチズムに他ならないのだが、経済のグローバリゼーションに右側から対抗しようとすると、そうなる。
それに安倍的国家主義は高い親和性をもっている。
もし、資本の側がそう判断したら、安倍内閣は潰れるだろう。
なんとなくそう思う。

まあ、でも私は安倍内閣批判はやめる気はないが。

コメント ( 5 ) | Trackback ( 6 )

イブの夜の覚え書き

老人について

その一
06年1月25日、名古屋地裁は自宅で介護していた認知症の妻を絞殺した68歳の男性に、「心情には酌むべきものがある」として執行猶予判決を言い渡しました。ところが彼は拘置所から出た4日後に自殺してしまった。

その二
受け入れを拒否しない、できない公的な社会の機関は、日本では刑務所だけです。学校も病院も福祉施設も拒否権を持っていますが、刑務所だけは、実刑が確定すれば何でも処遇していかざるを得ない。

その三
いま高齢者の犯罪がものすごい勢いで増えています。05年の刑法犯のうち65歳以上の高齢者が約11%です。98年は4%ぐらいですから、この7,8年で2.5倍以上になっている。万引き犯のうち65歳以上が20%強にのぼります。

その四
受刑が原因ではなく、社会で死亡するはずだった人が、刑務所で死亡するようになった。高齢者を支える社会の仕組み、福祉制度が特にヨーロッパ諸国に比べてかなり脆弱だからだと思います。

その五
累犯者で120円のおにぎり1個を盗み、実刑2年という人もいます。彼に対しては、矯正予算として計600万円ぐらいの税金が投入されます。そんなお金をかけるなら、福祉に使って、彼らの居場所を作ってあげた方が安くすむんじゃないでしょうか。

その六
政府や人に対する信頼感が比較的高い国、あるいは経済的格差が少ない国、弱者に優しい国ほど刑務所人口も少ないし、厳罰化にむかわないという結果でした。

 -----------------------------------

若年者生活困窮フリーター5重の排除

その一
教育課程からの排除、「大学全入時代」などといわれる一方で、中卒・高校中退で早期に教育課程から離脱、排除される人たちが一定数存在しつづけている。理由は家庭の経済事情、両親の不在、等々多岐にわたる。

その二
企業福祉からの排除、彼らの雇用形態はほぼ必然的に不安定となる。取替え可能な作業ばかりやらされスキルアップなど望めない。職場における一時滞在者として上司や先輩から人格的に受け入れられない。

その三
家族福祉からの排除、派遣や請負などの不安定雇用は、そもそも賃金が低くて貯蓄などできないし、転職の際にも就職活動期間を支える社会保険がない。それを補う親、親族の物質的支えからの排除は人々の生活を決定的に不安定にする。

その四
公的福祉からの排除、一~三の排除を受けた存在が最後に頼るのが生活保護などの公的福祉である。しかし、実施機関である福祉事務所に相談にいったところで、たいていは「水際作戦」と言われる窓口規制に阻まれる。

その五
自分自身からの排除、多くの人にとって生活保護の相談はかなりの心理的抵抗が伴う。大半の貧困者は「結局は自分が悪い」という自己責任論を内面化しており、福祉事務所を訪れるのは「それでも生きていきたい」という生存欲求が土壇場で打ち勝った時である。にもかかわらず、福祉事務所はその生存欲求を足蹴にする。その人に残る感情は「生きていても仕方ない」「自分には生きる価値がない」という諦念である。

 (月刊論座1月号より)


メリークリスマス・・・ 美しい国。

コメント ( 1 ) | Trackback ( 6 )

都知事選に寺島実郎をかつぎ出せんかな・・・

私は東京都民ではないが、都知事がイシハラであることを日本人として恥じている。
今回、惹起した税金の(実質)私的流用だけではなく、都知事として品性もなければ、政策立案能力もなく、実行力もない口先男だと思っている。大体週に2、3日しか仕事もしていないんだろう。それで都民の税金から高い報酬を掠め取り、それだけでは飽き足らず、四男まで都民の税金に寄生している。これで、三選を許したら都民は日本中から嘲笑されはしないか。いや、日本だけではなく、世界の笑いものだろう。
民主主義はやっかいで言論の自由がある以上、民族差別的な発言をする政治家の存在も担保してしまう。欧州でも先の仏大統領選挙で、社会党のジョスパンが極右のル・ペンの後塵を拝し、決戦投票にすら進めなかった。さすがに保守のシラクや普通のフランス人たちが立ち上がり、ル・ペンよりはずっとましなシラクを大統領に据えた。イシハラはそのル・ペンに匹敵するほどの存在だと思う。というか、民主主義が成熟した欧州なら、イシハラ的な政治家がテレビのバラエティ番組に出演し、軽薄な言論を垂れ流したりは決してしないだろうと想像する。また、失言の数々でとっくに政治生命など終わっていなければならないはずだ。

で、対抗馬として民主党はまだ、立候補者を決めていない。菅氏や海江田万里氏の名前が挙がっているが、私は菅氏でも勝てるかどうか難しいと思う。海江田氏ではまず勝てないだろう。

穏健保守からも票を取れそうな候補者を立てるべきではないか。
そこでふと思いついたのが寺島実郎氏の名前である。彼なら、三井物産のブランドもある。イシハラと違い、実社会でのビジネスマンとしての豊富な経験もある。それでいて発言の節々に欧州型社民主義のエッセンスも持っている。アメリカのイラク侵攻にも反対だった。彼なら社民党や国民新党や新党日本も共闘できるのではないか。

イシハラに対抗する側がかつての美濃部都政のような『古い革新』に走ったら絶対に負ける。また、今の世相なら学者や評論家タイプも返って嫌われるだろう。その意味でも前回の樋口恵子氏の擁立は失敗だったと思う。また何かと噂のある田中康夫氏も私は嫌いではないが、ちょっとクセがあり過ぎて票を集めきるかと言えば、疑問がある。

イシハラに比べれば鈴木都政ですらまともだったろう。あのレベルに戻すだけでも都民の良識が証明されることになると思う。

日本中から都民が笑いものにならないように。へタレ極右イシハラ口先男からよりマシな都政へ、寺島実郎を担ぎ出せないかな。
本人にその気は・・・ないか?残念。
誰かいい候補者はいないものかなあ。

【追記】イシハラの税金パクリ問題は地検特捜部あたりが動かないかな?
    水谷建設との関係も真っ黒だろう。

コメント ( 3 ) | Trackback ( 3 )

パペットマペット(4)

    パペットマぺット(3)の続き。

うし「われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設し
   て、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想
   の実現は、根本において教育の力にまつべきものである。
   われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期す
   るとともに、普遍的にしてしかも個性豊かな文化の創造を目指す教育を
   普及徹底しなければならない。
   ここに、日本国憲法の精神に則り、教育の目的を明示して、新しい日本
   の教育の基本を確立するため、この法律を制定する。」
カエル「第一条(教育の目的)
    教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として
    真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主
    的精神に満ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行わなければなら
    ない。」

うし「カエルくん。ゲロゲロ病が治ったの?」
カエル「きれいな法律を読むと治るんだ。ケロケロ。」
うし「うんうん、偉大なる千葉産の牛肉を食べると元気になるようなもんだね。」

カエル「続けるよ。
   第二条(教育の方針)
   教育の目的は、あらゆる機会に、あらゆる場所において実現されなければ
   ならない。この目的を達成するためには、学問の自由を尊重し、実際生活
   に即し、自発的精神を養い、自他の敬愛と協力によつて、文化の創造と発
   展に貢献するように努めなければならない。」
うし「第三条(教育の機会均等)
   1すべて国民は、ひとしく、その能力に応ずる教育を受ける機会を与え
    られなければならないものであつて、人種、信条、社会的身分、経済的
    地位又は門地によって、教育上差別されない。
    2 国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、経済的理由に
    よつて修学困難な者に対して、奨学の方法を講じなければならない。」

カエル「NHKのワーキングプアの放送に出てきたお父さんが失業して、絵の專
    門学校に行けなくなった女の子はかわいそうだったね。」
うし「アパ壺三が返納した100万円で学校に行けるんだよね。」

カエル「第四条(義務教育)
   1 国民は、その保護する子女に、九年の普通教育を受けさせる義務
     を負う。
    2 国又は地方公共団体の設置する学校における義務教育については
     、授業料は、これを徴収しない。」
うし 「第五条(男女共学)
   男女は、互に敬重し、協力し合わなければならないものであつて、教育上
   男女の共学は、認められなければならない。」

カエル「缶を拾って生活してる80歳のおじいさんと75歳のおばあさんは互いを
    尊重しあってるけど、政府が国民を尊重してないね。」
うし「あの二人にタウンミーティングのエレベータ係りをやらせれば3万円になっ
   たのにね。」

カエル「 第六条(学校教育)
    1 法律に定める学校は、公の性質をもつものであつて、国又は地方公
     共団体の外、法律に定める法人のみが、これを設置することができ
     る。
    2 法律に定める学校の教員は、全体の奉仕者であつて、自己の使命を
     自覚し、その職責の遂行に努めなければならない。このためには、教
     員の身分は、尊重され、その待遇の適正が、期せられなければならな
     い。」
うし「第七条(社会教育)
   1 家庭教育及び勤労の場所その他社会において行われる教育は、国及び
    地方公共団体によつて奨励されなければならない。
   2 国及び地方公共団体は、図書館、博物館、公民館等の施設の設置、学
    校の施設の利用その他適当な方法によつて教育の目的の実現に努めなけ
    ればならない。」
カエル「第八条(政治教育)
   1 良識ある公民たるに必要な政治的教養は、教育上これを尊重しなけれ
    ばならない。
   2 法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するため
    の政治教育その他政治的活動をしてはならない。」
うし「第九条(宗教教育)
   1 宗教に関する寛容の態度及び宗教の社会生活における地位は、教育上こ
    れを尊重しなければならない。
   2 国及び地方公共団体が設置する学校は、特定の宗教のための宗教教育そ
    の他宗教的活動をしてはならない。」

カエル「このブログの管理人は今まで公明党と創価学会はあまり批判してこな
    かったけど、これからは違うかもね。」
うし「福祉と平和の党があきれるね。」

カエル「第十条(教育行政)
   1 教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負
    つて行われるべきものである。
   2 教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な諸条
    の整備確立を目標として行われなければならない。」
うし「第十一条(補則)
   この法律に掲げる諸条項を実施するために必要がある場合には、適当な法
   令が制定されなければならない。」

カエル「にんげんがこんないい法律を捨てたんだから、ぼくらでもらおうよ。」
うし「う~ん、牛肉の冷凍保存技術も進歩してるから、この法律も保存して、い
   つかにんげんに返してあげようよ。」
カエル「その時は危険部位(愛国心強要)が混入してたらダメだよ。」
うし「わかってるって。」

         


コメント ( 0 ) | Trackback ( 12 )
« 前ページ