さくらんひめ東文章

指折って駄句をひねって夜が明けて

七月花形歌舞伎 夜の部

2013年07月25日 | いざ銀座歌舞伎座



通し狂言「東海道四谷怪談」


花形奮闘の中、

宅悦の市蔵丈、女房おいろの小山三丈、四谷左門の錦吾丈、伊藤喜兵衛の團蔵丈がいぶし銀の味わい♪

とくに序幕から小山三丈のおいろが登場すると観客は大喜びの大拍手!

十八世亡き後中村屋を支えお元気にご活躍されておられることがなにより嬉しい♪♪♪


お岩/小平/与茂七と三役の菊之助丈

伊右衛門の染五郎丈

直助の松緑丈   

みなさん初役での挑戦であるから、いきなり歴代の名優たちが演じてきた舞台と比べるのは酷というもの。


恨み・怖さというより哀れでか弱い女お岩

「色悪」の艶を抑えた自分勝手で非情なDV男伊右衛門

お袖に惚れてはいるが結局は小悪党な直助


それぞれの工夫で現代にも通じるキャラクターを感じさせてくれた。


美しいお岩と伊右衛門をみせる蛍狩の場を久しぶりに上演したのもいい♪


情感あふれる「瑠璃の艶」が流れる中でお岩が髪梳きをする名場面

顔面が崩れ髪が抜け落ち血がしたたるような凄惨な場面を醜悪なものに感じさせず、

人間の心の奥底に観客を誘う歌舞伎の演出はとにかく素晴らしくいつも魅了される♪♪♪


髪梳きのお岩あわれや夏芝居