さくらんひめ東文章

指折って駄句をひねって夜が明けて

歌舞伎通になる本

2010年01月25日 | 歌舞伎関連の本
「邦家の習俗、日々其の美徳を喪うの危機に臨み
有志之輩、希くは相集而、芸道之神髄に観悟し、
以って声も枯野の朽琴を輔け給えかし」

「歌舞伎通になる本」の著者である小山 觀翁氏の
「仮名序&真名序」(はじめにあたりて)の末にある。

名優思い出語りや通好み幕間ばなしが楽しい♪

「贔屓気質」では、現代のファンと昔のファンについて、
昔のご贔屓は、その役者一代かぎりではなく、代々を応援するので
その贔屓の息子も孫もその役者の家を末永く贔屓にしたが、
今のファンはその役者一代限り。
今日この人の楽屋にいたと思うと、明日はまたライバルの別の楽屋にと。
こういうのを「不安」というそうだ(笑)

上方和事と江戸の荒事の違いについての記述も
東西の地域の特性や観客気質の違いからのようで「なるほどなぁ」と面白かった。