さくらんひめ東文章

指折って駄句をひねって夜が明けて

涼風献上

2014年08月19日 | アート♪



ここ数日涼しい日が続いたので、今日の残暑は身体に堪えた。



そして涼風をもとめて根津美術館へ、お目当ては海北友松の「鍾離権図」と後水尾天皇のお手紙。







絵とやきもので暑中お見舞いというテーマであるから、風や水などに関連した作品が多い。


海北友松の「鍾離権図」は八仙人の一人の鍾離権が剣にのって空中を浮遊している姿を描いたものであるが、


風に乗る姿がサーファーのようにも見えて飄逸な味わいがあった。



絵もやきものも素敵な作品が多かったが、



現存する唯一の作品と云う芸阿弥の「観瀑図」の水しぶきを上げる滝の迫力が凄い!



観瀑図がいくつかあったが、狩野正信のものも趣があった。



相阿弥の弟子である単庵智伝の「柳燕図」も素敵。



そして一番心惹かれたのは蘆雪の「赤壁図屏風」いかにも蘆雪らしい自由で個性的な樹木の表現が面白かった。



やきものでは仁清の「色絵武蔵野図茶碗」金継ぎによってさらに魅力を増していた。







同時開催の「高麗・朝鮮時代の仏画」は装飾豊かな衣を纏った仏さまが存在感を放っていた。



「手紙 こころを伝える」では、


明恵上人・後水尾天皇・近衛信尹・本阿弥光悦・小堀遠州・飯尾宗祇・・・ら20人の手紙が展示されていた。



後水尾天皇の手紙は弟の一条昭良に宛てたもので、



「此香炉」を小堀遠州にみせたので金森宗和にもみせてほしいと依頼したものだった。



こひ四位ぞ


こひ四位ぞとよ


こひ四位ぞ


かへすゞも


こひ四位ぞとよ




と恋しいという意味らしい切れのある素敵な書体で近衛信尹が少庵に宛てた手紙が印象に残った。







日差しはきつくても秋の気配を感じる庭園を少し歩いた。