ナノテクノロジーニュース

ナノテクノロジーは日進月歩である。その全貌がわかるよう、日々飛びこんでくるニュースを中心に説明する。

太陽光で水を分解:産業技術研究所で世界最高効率

2012-05-19 | 報道/ニュース

太陽光の利用には、太陽光発電(1/20参照)、バイオ燃料(5/8参照)、水の分解(10/18,4/5参照)がある。ナノテクノロジはこれらの効率を高めるのに貢献できるものと期待されている。

太陽光による水の分解には、触媒に光を照射する方法と、半導体電極に光を照射し電界を加えて電子正孔を分離し、正負の電極でそれぞれ酸素ならびに水素を製造する手法がある。いずれも日本発の手法で、初期は酸化チタンが用いられていた。酸化チタンでは紫外線でしか電子正孔対が作成出来ない。いろいろな半導体を組み合わせる方法が試みられていた。

産業率研究所の研究グループは、3種類の酸化物の多孔性フイルムを電極に用いることによって、従来得られていた効率の2倍に近い1.35%という高い効率を得たと報じられている。この手法では必要とする電圧が低いため、太陽光発電パネルを利用した低価格水素製造法への発展が期待されている。
http://www.nanowerk.com/news/newsid=25268.php?utm_source=feedburner&utm_medium=email&utm_campaign=Feed%3A+nanowerk%2FagWB+%28Nanowerk+Nanotechnology+News%29#.T7Wstkusx4M.google

3種類の酸化物を用いることによって広範囲の波長の光を吸収できる。光を効率よく吸収することならびに生じた電子正孔の再結合を少なくすることおよび電極の表面積を広くすることが効率を上げる秘訣であろう。さらに努力が重ねられている。

アメリカではHyperSolar社がクリーンな手法で廃水から水素を作り出すと宣言している。その詳細は不明であるが、2013年までにそのプロセスを提示できるという。
http://spectrum.ieee.org/nanoclast/semiconductors/nanotechnology/hypersolars-zerocarbon-process-for-hydrogen-gas-production

そう遠くない将来、クリーンな手法で製造した水素を燃料とする車が走り回るのであろうか。


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