ナノテクノロジーニュース

ナノテクノロジーは日進月歩である。その全貌がわかるよう、日々飛びこんでくるニュースを中心に説明する。

日常生活でのナノテクノロジー

2011-09-21 | 日記
ナノテクノロジーの市場規模が2015年には1兆ドルになるであろうと予想されていることをすでに述べた(9/6参照)。この報告は2008年になされたものであるが、もとになるデータが2000年になされた国際的調査による。最近の調査によると、2009年の市場規模は117億ドル、2015年には267億ドルと予想されている。ちなみに、NSFでなされた報告によると、2000年の市場規模がすでに400億ドルと評価されている。いずれにしても、すでにわれわれの周りにはナノテクノロジー製品が存在していることには間違いない。

    

英紙ガーディアンの記事「日常生活でのナノテクノロジー」によると、すでに普及しているものの例に、しわがよらないシャツ、傷がつかないサングラス、カメラホーンなどが挙がっている。また、飛行機の車体やその他色々のものの被覆材にナノ粒子を含むものが用いられているという。これらは、ごみをくっつけない、水をはじくなど色々な効用がある。プールの掃除にもナノテクノロジーが使われているようだ。

この記事の中で、ナノ粒子の作用が動植物の中で実際起こっていることが強調されている。たとえば、渇いていても濡れていても同様に接着する接着剤を開発するため、トカゲの足に生えている毛や水中で岩に吸着する貝類をナノスケールで解析している研究者もいる。また、セミ類の羽は光を反射させないで98%の光を通過させてしまうが、これは羽の上に約200ナノメーター間隔で小さな突起があるからである。また東南アジアに白いかぶと虫がいるが、それはその羽の上で分子が特殊な並び方をしていて、光をすべて反射させるためであることがわかっている。こういった特性を利用すると、光の透過しやすいシートや光を反射してしまうシートなどを作成することが出来る。また、汚れがつかない窓ガラスが作られているが、これはハスの葉が水をはじく性質を観察して作られたものである。

これまで、炭素原子が作るナノ粒子について主に説明してきたが、金属でも半導体でもどんな材料でもナノサイズになると大きなサイズでは見られない特殊な性質を示すようになる。どうしてこのようなことが起こるか、さらにどのような発展が期待されるかについてもう少し組織的に説明しよう。

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1 コメント

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CCSCモデル (サスティナブル)
2020-09-30 15:11:02
そういえばノーベル賞候補のダイセルリサーチセンターの久保田邦親博士の研究分野もこういう話ですね。
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