ナノテクノロジーニュース

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ナノテク癌治療:治験進行中

2012-04-07 | 報道/ニュース

Nanowerk、WebProNews、Nanite Newsによると、現在治療薬BIND-014の治験が現在進行中で、良好な結果を得ているという。この治療薬は、健康な細胞をバイパスし、抗がん剤を癌腫瘍に選択的に送り届けるようデザインされたナノ治療薬である。

http://www.nanowerk.com/news/newsid=24829.php?utm_source=feedburner&utm_medium=email&utm_campaign=Feed%3A+nanowerk%2FagWB+%28Nanowerk+Nanotechnology+News%29#.T35NM6zLBes.google

BIND-014は、高分子性ナノ粒子に抗がん剤ドセタクセルを混入したもので、癌細胞の表面についている蛋白質PSMAを識別出来る分子および健康な細胞を避けて通れるようにする分子でコートしたものである。用いられた高分子性ナノ粒子は、細菌の作用で分解され、危険性がなくアメリカ食品医薬品局の認可を得ている。

進行中の治験は安全性の点検を主体とするフェーズI で、すでに化学療法を受けている17人の進行した臓器癌を持つかまたは転移が認められる患者に対して行われている。血液中のドセタクセル濃度が通常の化学療法の場合に比べて100倍程度になってもほとんど副作用が認められず、その一方で腫瘍の収縮が認められたという。ドセタクセルが通常効力を発揮しないとされている子宮頸管や胆管の癌にも効力を発揮しているという。

BIND-014は、マサチューセッツ工科大学とブリガムアンドウーメンズ病院で開発されたもので、2007年に設立されたBIND Biosciences社によって製品化された。同社はさらに治癒効果の確認を主体とするフェーズIIの治験を計画している。


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