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にっぽにあにっぽん語教師日誌>教師役得の文化発表

2012-04-30 07:00:00 | 日本語教育
2012/04/30
にっぽにあにっぽん教師日誌>日本語教師のおたのしみ会

日本語教師役得
haruniwa
2008/11/09 07:47 yokochann おはよう!なんか・・役得って感じがしてきましたけど~

という足跡コメントへの返信
2008-11-09 09:19:44 返信フォームへ 掲示板へ戻る
Re:日本語教師役得
haruniwa
 非常勤講師には、授業時間分しか講師料はでないので、講義ノート1冊を使い回して20年間同じ講義をする、という方法をとっている人なら給与が労働分に見合うでしょう。
 しかし私の場合は、毎年学生の顔ぶれが異なれば、ちがう授業を工夫したくなるので、授業1コマ90分の準備と事後処理に、5時間はかかります。

 1週間の間に、日本人学生向けの、日本語学、日本語音声学、社会言語学、日本語教育学の4種類の授業、留学生向けの、日本語初級文法クラス、非漢字圏学生向けの漢字クラス。準備の手間暇考えると、効率の悪い仕事にはちがいありません。
 毎時間の日本人学生からの授業コメントに対し、ひとりひとりに返信を書き入れるなんていう、他の先生方から見たら「無駄な努力」というようなことをやっているので、時給計算すると学生アルバイトのほうが割がいい。

 と、愚痴をこぼしつつも、教師の仕事を続けていられるのは、日本との交流を望んで留学してきた学生たちの成長を見届ける楽しみもあるからです。

 別のクラスでは、ラテンアメリカのグァテマラの男性、アフリカのセネガルの男性など、今期の学生の国もさまざま。いろんな文化を知ることができると思います。私の漢字授業を受講しているグァテマラの男性は言語学者だそうです。ひらがなを書くより早いといって、漢字にハングルでふりがなをつけていました。
 「ハングルを漢字のふりがなに使うグアテマラの言語学者」に出会うというのも、日本語教師の役得のひとつ。

2008-11-09 09:20:46 ページのトップへ
Re:日本語教師役得その1、世界の文化を知る
haruniwa
給料もらいながら、世界の文化を留学生から教えてもらえる、日本語教師春庭。教わる前には、ちゃんと日本文化紹介もデモンストレーションしています。


 留学生クラスでは「自国の文化発表会Show&Tell」の前に、発表方法の説明を兼ねて、日本文化紹介をします。日本語教師志望者が、お手玉や盆踊りを紹介したこともありました。
 私からの紹介は、毎年3種類。

1,「算盤の使い方とルートとπの数字紹介」これで、発表の態度を教える。皆の前に出たら一礼をして、「教員研修生の○○です。これからインドネシアの染め物、バティックについて発表します」「医学部研究生の○○です。ネパールの山と植物について説明します」などの自己紹介の仕方。

 教員研修生は1年後に教育学部で日本語での発表をすることになっているので、その練習という意味も含む発表練習です。なるべく原稿を読まずに覚えるようにし、皆が興味をもってくれるように、図表や写真や絵などを駆使して説明する。最近は、パソコンのパワーポイント表示による発表が多いです。
 数学教育・科学教育などで使う教具の実物を、聴衆に発表することもあり、実物を示すこともありますから、その見本として、私は算盤を教室に持っていきます。

2、「折り紙」鶴をデモンストレーションで折って見せてから、兜を折ります。折り方を、「最初に、まず、次に、それから」などの手順を表す表現を教えながら、実際に折らせる。
 
3「いろはカルタと百人一首」紹介では、自国の独自の文化を翻訳できない場合の発表方法について。「いろは」と言っても通じないと思ったら、その説明を簡単な日本語でする。日本語で表現できないときは、英語で言えば、教師が助太刀することを伝える。

 1の算盤。私は足し算しか覚えていないのですが、学生に数字をいわせ、私がパチパチと玉をはじいて合計数字を言うと、算盤を見たことのない国から来た人はおもしろがってくれます。英語では「アバカス(abacus)=計算盤」という単語があるので、アバカスの一種です、と紹介します。中国から来た学生がいるときには、日本の算盤は中国から伝えられたものだけれど、中国と玉の数が異なっていることなどを伝えます。

 数字の暗記法。「ルート2は、1.41421356。ルート3は1,7320508。ルート5は2.23620679、です。日本中の人が、この数字を言えます」と紹介すると、皆びっくりします。日本の数学教育はすごい!って思うみたい。種明かしの「富士、山麓に鸚鵡鳴く」は、日本語初級者だと、「富士」は皆知っているけれど、「山嶺」や「オウム」という単語をまだ習っていないので説明がやいへん。

 πの3.141592653589793238462643383279、は、ときどきネタ元の「産医師異国に向こう、産後厄なく、産婦、御社(みやしろ)に、虫さんざん闇に鳴く」の唱え方を、私自身が一部分、まちがえたりすることがあるので、めったに披露しない。

 折り紙の兜は、小さい折り紙で練習したあと、大きな広告チラシ(マンションの広告が多い)を使って、実際にかぶれる兜を作ります。留学生たち、みな大喜びで兜を折り上げ、頭にかぶってケータイ写真を取り合う。楽しい授業のひとつです。
2008-11-09 09:23:37 ページのトップへ

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