4月に出会った植物の花や鳥の写真を整理してみました。4月に入ると桜を始めとして春の花が一斉に咲きだし、125品種ほど撮影できました。毎月恒例の記録として8~9回に分けて投稿させていただきます。
今回も、3月の花のアルバム同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。
秦 基博 - 「スミレ」 Music Video
本種は常緑性で、しかも耐寒性が強いため、寒い地域では冬の庭を彩る貴重な樹種です。
<雄株>
冬には赤くつやのある美しい果実をつけますが、雌花をつける雌株と雄花をつける雄株とに分かれる雌雄異株なので、果実は雌株のみに実ります。
<雄株>
とても小さな星型の花をたくさん咲かせますが、目立たず人に知られることなく花期を終えることが多いようです。
<雄株>
本種がはじめて日本から欧州に紹介されたのは、18世紀の後半(江戸時代中期)です。ジョン・グレファーというイギリス人が、赤い果実をつける青い木の美しさに惹かれ、母国へ本種を持ち帰ったとされます。
<雌株> 2021/9に柏の葉公園で撮影
しかし、持ち帰った本種は雌株だけであり、結実しなかいことが判明。その後、王室の園芸関係者が来日して本種の雄株を軍艦で持ち帰ったという話が語り継がれています。
<アオキ(青木) アオキ科アオキ属>
4/18 あけぼの山農業公園
日本全国の山野や木陰に見られるキジカクシ科の多年草。名前の由来は、太い根茎の形がトコロ(ヤマノイモ)に似ていて、甘みがあることによります。
開花は4~6月。花は緑白色で長さ2センチ弱の筒状。花の先端は浅く6つに分かれ、葉の脇から鈴をぶら下げたように咲きます。
春の新芽は山菜として食用にされます。ただし、果実は球形で熟すと黒くなりますが、有毒です。
<アマドコロ(天野老) キジカクシ科アマドコロ属>
4/17 アンデルセン公園
名前のとおり北アメリカ原産の外来種で、国内では1932年に京都で発見されて以来全国に広がり、全国の道ばたなどでよく見かける野草です。
草丈は数十センチメートルほどですが、茎はよく枝分かれをしながら横にも張りだしていき、しばしば大株になります。
花は直径5ミリメートル程度で淡いピンク色。花びらは5枚です。春から秋にかけてダラダラと開花する傾向が強く、市街地では真冬でも花を咲かせていることがあります。
<アメリカフウロ(亜米利加風露)フウロソウ科フウロソウ属>
4/19 近所の路傍
本州から九州まで幅広い地域で生息する植物で、路傍、荒地などに生育します。花は根元から出て、白地に濃紫色の筋が入ります。
とにかく丈夫なのが特徴です。少しくらい手入れをしなくても育ちますし、踏まれたくらいで枯れることもありません。
<アリアケスミレ(有明菫) スミレ科スミレ属>
4/19 北柏ふるさと公園
ヒガンバナ科アリウム属の多年草(球根植物)で、葉や茎はニラの香りがします。和名の三角葱(ミツカドネギ)は、花茎の断面が三角形であることにちなみます。
アリウム類の中では開花時期が早く、春から初夏にかけて、釣鐘状の白地に緑の筋が入った美しい花が無数に開花します。
繁殖力が高く、分球のほか種でも増えて次第に群生し、時には舗装した道路の割れ目などでも開花している姿を見かけます。
<アリウム・トリケトラム(三角葱) ヒガンバナ科アリウム属>
4/17 アンデルセン公園
東北地方以南の太平洋側を中心に分布するメギ科の多年草。主に山間の樹林下など半日陰地を好んで生育します。
茎葉に含まれるイカリインというフラボノール配糖体には強精や老化防止の効果があり、ユンケルなどの強壮薬に使われています。
花は春に咲き、4枚の花弁が距を突出し、船の錨に似ていることからつけられた名前です。
<イカリソウ(錨草) メギ科イカリソウ属>
4/23 柏の葉公園
オオシマザクラ系統に属するサトザクラの代表的な品種。江戸時代以前に作出され、荒川堤で保護されていたものが、江戸時代後期になって全国へ広がりました。
西日本にはあまり普及しておらず、一般的な知名度は高くありませんが、関東地方では数多く植栽されます。
毎年、総理大臣が主催する「桜を見る会」の主役はこのサクラです。
<イチヨウザクラ(一葉桜) バラ科サクラ属>
4/17 手賀沼
ムラサキカタバミ、フヨウカタバミ、ハナカタバミと同じく南アメリカ原産の帰化植物です。
春から秋にかけて、直径1.5センチメートルほどの赤紫色の花を多数咲かせます。ムラサキカタバミに似ていますが、花の中心は濃い赤紫色です。
ときに白い花を咲かせる株もあり、シロバナフシネハナカタバミまたはシロバナイモカタバミとも呼ばれます。
<イモカタバミ(芋片喰) カタバミ科 カタバミ属>
4/25 手賀沼
本州、四国を中心に、北海道や九州の一部にも分布する球根植物で、主に海岸付近の林床や人里近い林に多く見られます。
苞の中に伸びた付属体の先端部が細く糸状に伸び、その姿を、浦島太郎が釣り糸を垂れている姿に見立てて、この和名があるとされています。
地下にはサトイモに似た大きな球根があり、春になると芽を伸ばします。やがて10枚前後の葉を傘のように広げ、黒褐色の苞を開きます。
この苞は「仏炎苞」と呼ばれます。本来の花は、付属体の下につき、成長や栄養の状態によって、雄花から雌花に変化する性転換植物として知られています。
葉は、早いものでは夏前後から枯れ始め、遅くても秋には落葉します。
タネができた花茎は、房状に赤く完熟した果実をつけて、そのまま晩秋のころまで残り、冬には倒れて、球根の状態で休眠します。
<ウラシマソウ(浦島草) サトイモ科テンナンショウ属>
4/17 アンデルセン公園
花だけ見ると、とてもサクラの仲間とは思えません。コップを洗う細長いブラシのような白花を咲かせます。
果実は食用になります。また、鳥類やツキノワグマもこの実が大好物です。
その実を食べて移動した後、糞とともに種を散布し、分布を拡大してきたことから、山野の至る所に自生しています。
<ウワミズザクラ(上溝桜) バラ科ウワミズザクラ属>
4/17 アンデルセン公園
エド系サトザクラの中心的な品種です。花は紅色。中央は淡紅色大形の重弁で、多数集まって美しく咲き、鑑賞用に植えられています。
花は淡紅色(直径5センチくらい)の大輪八重咲き。枝先に多くの花序をまとめてつけます。
‘楊貴妃’に似ますが萼片はより細長く、正常な雌しべは少ない。各地で様々な名称で呼ばれています。
<エドザクラ(江戸桜) バラ科サクラ属>
4/17 手賀沼
ヒマラヤ地方を原産とするオウバイやソケイの仲間。開花時期は3~4月でオウバイよりやや遅れて咲きます。
花の直径は4~5センチほどでオウバイより大きく、花びらが6~10枚に分裂するため、二重咲あるいは八重咲に見えるのが特徴です。
<オウバイモドキ(黄梅擬) モクセイ科ソケイ属>
4/23 柏の葉公園
欧州からアジア南西部が原産のキジカクシ科の多年草で、欧米では「スター・オブ・ベツレヘム(ベツレヘムの星)」と呼ばれています。
3センチくらいの真っ白な6弁の花で、ハナニラに似ていますが、1本の茎から数輪の花が咲くので見分けやすいです。
花が日本在来種のアマナ(甘菜)に似ていることから名が付きました。
<オオアマナ(大甘菜) キジカクシ科オオアマナ属>
4/19 北柏ふるさと公園
伊豆七島、伊豆半島、三浦半島及び房総半島を原産とするバラ科サクラ属の落葉高木です。
数多くのサクラの園芸品種の原種として、サクラ類の台木に多用されます。
開花は3~4月で、葉と一緒に展開するため花期に遠目から見ると木全体が黄緑色に見えます。
<オオシマザクラ(大島桜) バラ科サクラ属>
4/10 あけぼの山農業公園
初夏に手毬状の花を咲かせる落葉低木。本種は、ヤブデマリの花が装飾花に変化したものです。
花色は、咲き始めはライムグリーンで徐々に白に変化します。初夏にグリーンから白に変化する花は、新緑の季節に美しく映える存在です。
大きな花が鞠のようにまとまってつくことから、本種の名がつけられました。
<オオデマリ(大手毬) レンプクソウ科ガマズミ属>
4/18 あけぼの山農業公園
今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。
「4月の花のアルバム①」15品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「4月の花のアルバム②」に続きます。