にこにこ日記

原因不明の病気で寝たきりの長女ののこ、8歳年下の次女ニコ。二人の娘の成長、毎日の小さな小さな喜びを書き留めています。

びっくりぽん!

2016-03-30 15:33:32 | ののこ


昨日、サプライズがありました

私の友人達からののこへ卒業のお祝いが届いたのです びっくり ぽんです

みんな!ありがとう

友人一人ひとりからの、温かいメッセージ嬉しいです。

似顔絵の色紙は『ビバドゥさん』作とのこと。さすがプロの作品素晴らしいです
似顔絵の色紙を見たののこは、←こんな顔してましたよ


今回の友人の中の一人、かおちゃんから記念すべき初めてのお化粧品を頂きました かおちゃんありがとう
今朝、早速使ってみました!


ラベンダーとサンダルウッドのいい香り
今日からツルスベお肌へ~


はちみつのリップクリーム
ヨダレを拭き、リップを塗り、ヨダレを拭き、リップを塗り、ヨダレを拭き、リップを塗り、ヨダレを・・・・・・・

わかったぞ。リップはののこが寝てから塗ることにします。


今回いただいた、『アロマお化粧品セット』は、『Aromaria~アロマリア~』 アロマクラフト教室で体験した、手作りのアロマなお化粧品たちなのだそうです。
なんと、『Aromaria~アロマリア~』の代表は、今回の友人の一人、英子ちゃん アロマセラピストさんなんです! かっこいい・・・
いつかののこと一緒に、英子ちゃんに教えてもらいながら、お手製の石鹸、化粧水、乳液、リップクリーム等々チャレンジしたい

社会人になってからの、習い事なんて・・・ののこったら、お・と・な・みたい~


お父やん乱入  ニコニコ日記番外編  2014 東京ディズニーランド紀行・中編

2016-03-25 15:24:45 | おとやん
こんにちは!おかやんです。

お待たせしました。再び、『おとやん乱入~昨年の見学旅行記Part2』です。

前回同様、長いです。

前回同様、時間のない方はここから先に進むのはお勧めしません。

当然!歯ミガキをしながら読める長さではないかと思われますが、それも自己責任でお願いします。


「この人たち本当に旭川へ帰って来られるのだろうか・・・?」と思ってしまうのは、私だけ?


                              ○



《9月4日 木曜日 第二日目》

朝早く、散歩に出た。

ホテル近くの小高い土手に登り、東京湾と向き合う。

晴れ渡るでもなく、曇るでもなく、暑くもなく、涼しくもなく…。

のの子には、絶好の気象条件が揃ったようだ。

部屋に戻ってテレビの電源を入れると、ちょうど『めざましテレビ』の放送が始まるタイミングだった。

ポップなオブジェでカラフルにデザインされたスタジオが、画面に映し出される。

昨日見学してきたばかりの場所から笑顔で語りかける出演者の方々に、私は気のおけない仲間と再会したような親密さを覚えた。

めざましファミリーの一員になったような気分で、ニュースを見る。

今日のニュース(1)
内閣改造。女性閣僚の登用が注目を集めている(これでまた支持率が上がるのか?)。

今日のニュース(2)
全米オープンで、上位ランカーを次々撃破する日本人テニスプレイヤーの活躍。
躍動する彼の映像を見ながら、決戦の日を迎えた私の心にも闘志の火が灯る(共に頑張ろう!)。

今日のニュース(3)
蚊を媒体として広がりをみせる伝染病。発源地は都心の公園だとか(蚊に刺されないよう気をつけなくちゃね)。


                              ○


7時、大部屋にて朝食(パラソルのレストランではないのが、残念)。

ディズニーランドまで参加者全員の入園パスポートを貰い受けに行くため、早めに食事を終えた佐伯添乗員と大部屋の入口ですれ違う。

行ってらっしゃ~い、佐伯さん。

朝食後、部屋に戻って出発の準備を整えた。

佐伯添乗員からパスポートを受け取り次第、フットワークの軽い私とニコの二人だけ、他の生徒たちよりひと足早くランドへ先発する手筈になっている。

しかし。

混み合っているのか、トラブル発生か、道に迷ったか(まさか、それはないよね)、待てど暮らせど、佐伯添乗員がホテルに帰って来ない。

焦れる…。

佐伯はまだか。 佐伯はまだか。 佐伯はまだか。

部屋の中を行ったり来たり、ただ手をこまねいているしかない私に妻が言う。

「やっぱり佐伯さんと一緒に行って、その場でささっと入園してきたほうが良かったんじゃないの?」

仰る通りです。 確かに、その手はあったのだ。

でも、いい年をした大人が出走前の競走馬みたいに入れ込んでいるところを、周りの人に見透かされるのは嫌だった。

「そこまでするのは恥ずかしいだろう…」

「何言ってるのよ。この旅行でいちばん舞い上がっているのはお父やんだってこと、みーんな知ってますから」

えっ、そうだったの? バレてましたか?

そうと知っていれば、ニコと一緒に佐伯添乗員について行けば良かったなあ。

今さら悔やんでも、あとの祭り。 過ぎた時間は巻き戻せない。

「ニコ」 私は、ベッドの上の次女に呼びかけた。「こっちへおいで」

「なに?」 読みかけの本を置いて、次女がベッドから降りる。

私はひざを折って、目線を次女に合わせた。

「これから私たちはディズニーランドへ遊びに行きます。それは、誰のお陰か分かるかい?」

「お父やんかなあ? お母やんかなあ?」ニコが首をかしげる。

「違います。それは、うちの家族でいちばん頑張っている人のお陰です」

「ああ、姉えたんだ!」

「正解。姉えたんが頑張って高校生になって、風邪も引かないで元気でいてくれるから、今日みんなで修学旅行に参加することが出来たんだよ。お父やんも、お母やんも、あなたも、姉えたんにここまで連れて来てもらったんだ」

「うん」

「だから、出発前にもう一度、きちんとお礼を言っておこう」

ニコは姉のバギーに歩み寄り、「姉えたん、ありがとう」と言いながら、のの子の手を包み込むように握った。

バギーの上でのの子は、シンデレラの継母みたいに勝ち誇ったような微笑みを浮かべ、傲然と妹を見降ろしていた。

そのとき、部屋のドアがノックされる音がした。

「帰って来ましたよ、お父さん」 藤野先生が言う。

よほど急いだのか、顔を真っ赤にした佐伯添乗員が、肩で息をつきながら入口に立っていた。


                                 ○

ホテル玄関で、シャトルバスに乗車。

ミッキーマウスの声で車内アナウンスが流れる。「お早うっ、みんな! 今日は楽しんで来てね!」

顔だけクールさを装いつつ、周囲の乗客に気取られないよう、私は心の中で華やかに弾ける。 (「イエ~イッ!」)。

ベイサイド・ステーションで、バスをモノレールに乗り継いだ。

待つほどもなく、モノレールがプラットフォームにやって来る。

車両の窓が、車内の吊り革が、ミッキーの顔形にデザインされている。

モノレールは私たち父娘を乗せ、左に大きくディズニーシーを旋回しながら、高度数十メートルの宙空をゆっくり進んで行く。

隣の席を見ると、ニコの表情がえらく硬い。

九年に満たない人生、経験値の乏しい彼女は、目の前に待ち受ける幸福の大きさを上手く推し量れず、どのレベルまで喜んでよいものか戸惑い緊張しているらしい。


                                              
                                  ○


夏休みは終わった。 ハロウィンのイベントが始まるのは、来週からである。

端境期に当たる九月一週目の平日、ディズニーランドの来園者数は一時的にぐっと落ち込む。

かと思いきや、アミューズメントパークの王様に、私の甘い憶測など全く通用しなかった。

モノレールの改札を通過した私たちを待ち受けていたのは、入園ゲート前に居並ぶ人、人、人、人、人の海。

もちろん、その中には子供たちの姿が目立つ。

「おいおい、平日だぞ。小学生は学校へ行ってろよ」

ついつい自分たちのことは棚に上げて、そう毒づきたくなる。

「中ほどの列は混雑します。右か左の列に分かれてお並びくださ~い」

キャストが拡声器で呼びかけている。

案内に従って、ニコの手をつなぎ右列最後尾に着いた。

じわりじわりと前進する。

ようやく私たち父娘が夢の国に足を踏み入れたとき、時刻は9時になろうとしていた。


                                ○


東京ディズニーランドのシンボル、シンデレラ城が彼方にそびえている。

そのシンデレラ城を真正面に見ながら、賑やかで祝祭的な雰囲気にあふれたアーケード街を歩いて抜ける。

近衛兵姿のマーチングバンドが楽し気な音色を響かせ、左右にグッズを売る店がひしめく幅広なこのストリートは「ワールドバザール」と呼ばれるらしい。

シンデレラ城の尖塔の背後に、うすい靄がかかったような、青色とも灰色ともつかないぼんやりした感じの空が広がっている。

今日は熱中症の心配も、雨に打たれる心配もなく、平穏に一日を送れそうだ。

一家の主として、最初に私が果たさなければならない使命は、ファンタジーランドの超人気アトラクション『プーさんのハニーハント』のファストパス(とりあえず二人分)を入手すること。

指定を受けた時間に施設を訪れ、このファストパスを提示すれば、どんな人気アトラクションも優先的に入場が許されるという訳だ。

いざ発券所を目指し、ショップやアトラクションにはわき目もふれず、(懐中時計を気にしながらアリスのそばを通り抜けた白ウサギのように)急ぎ足でずんずん歩く。

「ねえ、どこにも入らないの?」 私の横で小走りのニコが訊ねる。

「もう一度行列に並ぶけれど、我慢してね」 そう言って、不満顔の娘をなだめる。

ほぼランドの端から端まで歩き終えたあたりで、やっとファストパス発券所にたどり着いた。

自分の体の長さを持て余す不器用なヘビみたいに、うねうねと行列が続いている。

迷っている暇はない、列の最後尾に並ぶ。

やはりここでも、じわりじわり前進。

十数分後…、パス二枚を入手。

ファースト・ミッション無事完了。

いま手に入れた二枚のファストパスは、もうすぐ、のの子や他の生徒たちと一緒に来園する妻への献上品となる。


                                 ○

さてと。

ニコにとって記念すべき人生最初のアトラクションは、何に入ろうか…。

特に作戦は練っていない。まずは、手近で待ち時間の少ないものから攻略していこう。

そこで目に着いたのが『ピノキオの冒険旅行』。

目論見通り、わずかな待ち時間でトロッコに案内される。

娘と並んで、イスに腰を落ち着ける。

カタンとひと揺れして、トロッコが発車する。

ゼペット爺さんが寂しさを癒すために作った木の操り人形が、幾多の誘惑に翻弄されながら、青い妖精や良心のコオロギに導かれ、正しい勇気と優しい心を持つ本物の人間の子供に生まれ変わるまで、物語の世界を巡っていく。

そのとき、トロッコに揺られながら、私の胸の奥に秘めた童心は大きなヨロコビに満たされていた。

何といっても、創始者ウオルト・ディズニーの描いた夢は素晴らしい。

彼のエンターテイナーとしての無制限の奉仕精神を、私はひれ伏すほどに尊敬している。

中年のオッサンがこれほど喜悦しているのだ。八歳の少女の興奮は、想像に難くない。

「どお? 楽しかった?」

トロッコを降り、再び園内の人混みを歩きながら、私はニコに聞いた。

当然彼女は、「とっても楽しかった」と笑顔で答えるに違いないと思っていた。

ところが、返ってきたニコの答えは私を愕然とさせるものだった。

複雑な顔で、娘は言ったのである。

「ニコねぇ、おっかなくてずっと目をつぶってたから、よく分からなかった」

なっ、なっ、なぬ~っ! 怖くて目をつぶっていただと、この餓鬼ーっ!

この地にたどり着くまで、うちら家族が積み重ねてきた時間の長さと、払ってきた犠牲の大きさを、君はまるで理解していなかったのか…?

ガックリ肩を落とす私であった。

「あ、今度はあれに乗りたい」

ニコが、気落ちする私の手をぐいと引っ張った。

娘が指さしたのは、回転木馬『キャッスル・カルーセル』。

バンドオルガンが奏でるディズニーの名曲に合わせて、白馬たちがゆっくり回っている。

(カルーセルといえばつい、私たちの世代はカルーセル麻紀を連想してしまうのですが、「回転木馬」という意味だったのですね)。

「お城へ向かう馬車か…」

確かに、このくらいソフトな刺激なら、ニコでもしっかり目を開けていられるだろう。

ほとんど待ち時間なく、父と娘は肩を並べて乗馬態勢に入った。

音楽が流れ、ターンテーブルが静かに回り始める。

木馬に身を任せ、上下に揺られるニコは、すっかりお姫様気取り。

その頬に、今日初めて子供らしい笑顔が浮かぶ。

音楽が終わり、馬が歩みを止めたタイミングで、携帯電話の着信音が鳴った。

発信元は妻である。

「今、ランドの中に入ったところ」 と妻が言う。

「了解です。直ちに合流します」 と私が答える。


                              ○                                   


「大丈夫かなあ? お母やんたち、ちゃんと見つけられるかなあ?」 不安そうな声でニコがつぶやく。

押し寄せる人波に逆らうように、入園口方面へ取って返しながら、私も娘と同じ不安に捕らわれていた。

この人混みの中から、妻と長女を見つけ出すのは至難の業かと思えた。

『ウォーリーを探せ!』のリアルバージョンである。

けれど、案ずるほどのことはなかった。

のの子ら養護学校生徒十人の車椅子と先生方の一団は、ワールドバザールのアーケード下で、特に異彩を放つ存在であった。

入園客は沢山いたが、養護学校チームを発見するのは、北の夜空に北斗七星を見つけ出すのと同じくらい簡単なことだった。

「いたよ。ほらあそこ」

ニコはつないだ手をふりほどいて走り出すや、むしゃぶりつくみたいに母親の腰に抱きついた。

「ファストパスは取れた?」

のの子のバギーを押しながら、妻が訊ねる。

「万事順調。では、君たちのパスポートをください」

私は二枚のファストパスを妻に進呈。代わりに妻から、母娘二人分の入園パスポートを受け取った。

それを手に、私は再びファストパス発券所を目指し、単騎駆け出した。

ファストパスの発行は、一人のパスポートに対し一枚しか認められていない。

最初のパス二枚は、妻と娘のために。

これから取りに行く二枚は、私と娘のために。

オジサンだって、『プーさんのハニーハント』が見たいのだ!


                              ○                                   


新たに二枚のパスを手に入れ、再度、家族と合流するまで30分ほどを要した。

その間、修学旅行一行はワールドバザールの色んな店を冷やかしつつ、買い物を楽しんでいたようだ。

花柄リボンとミニーマウスの耳を縁取ったカチューシャを頭に乗せ、ニコもご満悦。

「ほら、こんなに買ったんだよ」

袋いっぱいのおみやげを、自慢げに披露する。

オリジナルのクランキーチョコレートやキャラクターボールペンは、同級生と先生に配るのだとか。

『モンスターズ・インク』怪物サリーのボディーをデザインしたTシャツは、「あとでホテルに戻ったときに着替える」らしい。

「家族でお写真、撮りましょうか?」

お言葉に甘えて、藤野先生にカメラを手渡す。 よろしくお願いします。

背景にシンデレラ城、斜め後ろにウォルト・ディズニーとミッキーの銅像を同時にとらえたアングルでシャッターを押してもらう。

パシャッ。


                              ○
                                    

時刻が11時になったところでランチタイム。

気の早い昼食であるが、養護学校の食事にはたっぷり時間がかかるのだ。

常に余裕ある予定作りが欠かせない。

早めの昼食には、混雑を避けることが出来る利点もある。

例のごとく、一同ぞろぞろと佐伯添乗員にくっついてプラザレストランへ向かう。

テーブル席に座ると、ミッキーやミニー、『トイストーリー』『リロ&スティッチ』のキャラクターたちが、次から次へと歓迎のあいさつにやって来るもんだから、ステーキがメインのコース料理なのに落ち着いて食事してられなかったよ。

というのは、作り話です。 スミマセン。

実際のプラザレストランは、ホール面積がとても広く、銘々がカウンターに赴き好みのメニューを注文するファストフード形式の食堂で(キャラクターの歓迎サービスもありません)、我々家族はグローブシェイプ・チキンパオをセットで三人分オーダー(胃ろうボタンののの子は、経腸栄養剤がご飯です)。

グローブシェイプ・チキンパオとは、名は体を表す典型のような一品で、ミッキーマウスの手袋形をした中華まん生地に、甘辛ソースのかかった鶏から揚げを挟んだ料理である。

「いただきま~す」

出来立てのほくほくに、ニコがめいっぱい大きな口を開けてかぶりつく。


                              ○                                      






















ののこ 祝 卒業

2016-03-12 14:27:45 | ののこ


ののこ 昨日、無事に卒業の日を迎えることが出来ました。

12年前、入学したての頃は学校へ行っても知らないところへ来てしまったようなアウェイ感ばかりで
ぎこちなかった私たち親子。
先生方の懸命さや、暖かい気づかい、楽しい行事などに触れていくうちに、今ではとても居心地よく、
楽しい空間となった学校。
とくに、ニコに関しては、お腹の中にいる頃から学校へ来ていたので、
ニコ本人も「大きくなったね~」と、先生方に声を掛けてもらえるのが嬉しくて嬉しくて
ねえたんの学校へ行く、ということがとても楽しみになっていました。

ここまで支えてくださった先生方、本当にお世話になりました。


中学部卒業を迎えた、しゅんとパチリ


ニコと当麻から駆けつけて来てくれたばあちゃんと


3年間お世話になりました。神田先生


訪問部でお世話になった、阿部先生、福島先生、北村先生、松田先生と


袴姿がとても素敵滝本先生、高等部山口先生と


12年前、入学時にお世話になった、奥山先生





皆様のおかげで、ののこはこんなに大きくなりました。

これからも、地球の片隅で、毎日毎日を一生懸命 生きていきます。
私たち親子を、どうぞこれからも見ていてください。


お世話になった先生方、仲良くしてくれたお友達、みんなみんな、本当に ありがとうございました


何で・・・?

2016-03-08 21:25:12 | ののこ
ののこの授業も残り2回!

先日卒業制作も終わったのに、なんか作ってる・・・?

なんと、おとやんとおかやんへの誕生日プレゼントらしい()ないしょだけど

先生の秘密道具(工房が開けるくらい、色んな手作りグッズをお持ちです)の一つで、
ワイングラスに文字や絵を描いています。

このガラスを削る音だけ聞くと、歯医者さんの音みたい・・・

とにかく、完成が楽しみです(あと1日!ののこ、先生頑張って



で、タイトルの『何で・・・?』ですが、
今現在、ののこの頭に10円ほどの大きさの円形脱毛が2か所も出来てる
先々週の土曜日に1個見つけたときは、
「あ!ハゲが出来てる・・・。可愛い~」なんて、余裕だった私ですが
今日、二つ目を見つけ、さすがにショック

現在、ののこは元気です。
特に体調も崩していないし、風邪も引いていない。
筋緊張が強いとか、機嫌が悪いわけでもない。
夜も良く寝ているし、注入も順調。導尿や排便も普通に出ている。
残りわずかな授業も笑顔で取り組んでいる。

な・何で? なぜ? なぜにハゲが二つも?

これは、やはり、卒業を迎えての、ストレス・・・?
これから変わる環境への不安・・・?

考えてみたら、18才で、卒業で、12年間慣れ親しんだ学校から巣立たなくてはならなくて、
否が応でもそれはどうしようもないわけで。
ののこが卒業を嬉しいと思っているかどうかなんてホントのところわからないんだな。

でもね、ののこ。それでも、卒業なのだよ。
そしてね、ののこ。4月からは新しい生活が始まるのだよ。
そりゃあ、初めは慣れないこともあるだろうけれど、一人じゃないよ。
おとやんもおかやんも一緒だよ


はっ もしかして、おかやんとの二人の時間が増えるのがイヤとか?
おかやんうるさいな~とか思ってる? うざいな~とか思ってる? 抱っこしすぎ?チュウしすぎ?





ののこの頭皮に現れるこの現象。あなたの渾身の無言の訴え。
何を言われるよりも、おかやん効いてます


おとやん乱入 ニコニコ日記番外編 2014東京ディズニーランド紀行 ののこが空を飛んだ

2016-03-01 12:08:07 | おとやん
おかやんです。
自分のブログなのに、
わざわざ名乗らなければならない事態に、少々ストレスを感じつつ・・・。
卒業まであとわずかになり、再びこれの原因であるおとやんが
「どうしても修学旅行について、一言書きたい」と言い出しました。

しかたないなぁ~、と書かせていたら、止まらなくなったらしい。

一応UPします。

長いです。

読むのに時間が掛かります。

忙しい人は読まない方がいいです。

しかも、これでまだ半分だって・・・・信じられない(全然一言じゃないし)

では、お時間のある方、どうぞ~ ※文章中登場人物名が一部仮名となっております 


                       ○


あと数日で、のの子は養護学校高等部訪問学級の卒業式を迎える。

学生生活にピリオドを打ち、社会人の仲間入りとなる。

この十二年間で我が家の最大のハイライトは、のの子が高校二年生の時修学旅行で訪れた東京ディズニーランドの思い出に尽きる。

卒業の記念に、そのときのことを書き留めておこうと思う。


                       ○


《9月2日 火曜日 出発前日》

出発が間近に迫っても、妻の準備は遅れていた。

開け放したスーツケースとバッグ類。

着替えの服の山、介護に欠かせない何十枚のタオルとボックスティッシュ―、大量のくすり、ポータブルタイプの医療機器などなど。

荷物の海に囲まれて、妻は和室の畳の上にへたり込む。

「考えることが多すぎる。準備がどこまで進んでいるのか、全然わからなくなってきた。緊張で気分が悪くなりそう…」

一方、私の準備はほぼ整いつつあった。

新しい下着を買った。新しい歯ブラシを買った。散髪をした。爪を切った。携帯電話を充電した。アパートの廊下と階段を掃除した。神社へ願掛けに行った。墓参りをして道中の無事を祈った。インターネットで羽田空港人気お土産ランキングをチェックした。ここひと月、肌身離さず愛読書にしてきたディズニーランド・パーフェクトガイドを丹念に読み返した。

えーと、それから、それから…。

テレビのデータチャンネルで、東京方面の天気予報を確認した。

むこう三日間の空模様は、晴れか曇り。最高気温28度。

台風も来ない。雨も降らない。この時期の東京にしては、涼しいくらいの気温。

神様に感謝した。ご先祖様に感謝した。家族の健康に感謝した。太陽に感謝し、山にも空にも感謝した。

あらゆるものに感謝を捧げ、感謝のしすぎで、なんだか少々「感謝疲れ」を起こしてしまった。


                        ○

《9月3日 水曜日 第一日目》

4時30分起床。

さっとカーテンを開く。

夜明け前の空は、まだ暗い。

飛行機の出発時刻やら、うちから空港までの距離やら、のの子が家を出るまでに要する時間やらを逆算すると、遅くとも、これくらいの時間に動き出す必要があった。

慌てず騒がず最後の荷造りと積み込みを終えて、私と妻とふたりの娘、家族四人ワゴン車に乗車完了。

(六月にブラジルで開催されたワールド杯のように)遅れに遅れていた妻の準備も、最後で何とか間に合った。

6時40分、アパート発。

峠を越えて、隣り町のセブンイレブンに立ち寄りパンとコーヒーの朝食。

私はクロワッサン、妻はクリームフランス、次女のニコ(このとき小三)は揚げパンホイップ。

のの子はラコール(パンではありません、経腸栄養剤です)。

車中、バウムクーヘンとチョコチップメロンパンを、みんなで分けながら食べる。

国道39号線を西へとひた走る。空港まで、あと一息だ。

「気をつけて!」

妻が鋭く叫んで、反対車線を指さす。

覆面パトカーが、通勤途中の車をスピード違反で捕まえていた。

「危ない、危ない」少しドキリとする。

「気をつけてよ。それでなくても遅れ気味なんだから。捕まったりしたら、絶対間に合わなくなる」

妻が注意を促す。

「反対車線だから大丈夫だよ」私は落ち着いた声で、浮足立つ妻をなだめた。

この程度で動じる私ではない。

その5分後。

背後からいきなりサイレンの音。そして、スピーカーの声。「前の車、止まりなさい!」

一瞬心臓が凍りつく。

いつの間にUターンしていたのか、先ほどの覆面パトカーが、隣り車線からスーッと私たちの車を追い抜いていった。

幸い、「前の車」は私たちのワゴンではなかったようだ。

危ない、危ない。

私の背中を、冷たい汗が一滴流れ落ちる。


                       ○


10分遅れで、空港に到着。

二階出発ロビーで、養護学校高等部二年、修学旅行チームに合流する。

車椅子の集団が銀輪を光らせて居並ぶ光景は、壮観ですらある。

北原先生(ベテランの男性教員)が、笑顔で私たち家族に駆け寄る。

「良かったですね、お父さん、お母さん。東京もいい天気みたいです。気温も旭川と変わらない。あまり暑くないようです。ほら、見てください。生徒たち十人全員揃っています。誰も風邪をひいていません。これはキセキです!」

いつも親父ギャグで周囲の空気を凍りつかせている北原先生が、泣き出しそうな顔で笑っている。

今日の無事を手放しで喜んでくれている先生がいることを、親として嬉しく思った。

搭乗前にトイレへ行こうとしたとき、都会から来たらしい女子三人組の観光客とすれ違った。

初めて見る(?)地方空港の風景に興奮しながら、彼女たちが口々に叫んでいる。

「わあ、自然え~ん」「凄っごい自然!」「自然、自然!!」

彼女たちの目の前に広がる滑走路を、美しい緑が取り囲んでいる。

 
                        ○

日本航空1100便、10時15分発羽田行。

東京へ行くのが学生時代以来27年ぶりならば、飛行機に乗るのも18年ぶり。

という次第で、いまどきの飛行機の乗り方がよくわからない。

最後に飛行機に乗ったのは携帯電話もパソコンもなかった時代だし、デジタルという言葉も社会で一般的に使われだす前のことだった。

「ヒコーキに上手く乗る自信がないのだけれど…」こっそり妻に打ち明けたが、

「私は娘二人の世話でいっぱいいっぱいだから、自分のことは自分で何とかしてください」ぴしゃりと突き放された。

金属探知機のゲートを通過する。

順番がひとつ前の乗客を仔細に観察してみると、携帯電話、車の鍵、家の鍵、財布を別トレーに乗せて迂回通過させている。

よし、わかったぞ。この人と同じことをすればいいのだ。

私は荷物でぱんぱんに膨れたリュックサックを降ろし、中身をがさがさ漁って、どうにか携帯電話等々を取り出した。

「なんで、財布なんだろう?」後ろに並ぶ妻に訊ねる。

「カードが入っているからでしょう」

「なるほど。磁気でデータが狂ったりしないためか」

「小学生の社会見学じゃないんだから、早く行ってよ」妻が私を急かす。

金属探知機を通過したあと、係官がリュックに入れてあったペットボトルを調べ始める。

彼らがキャップを取って匂いを確認するにいたっては、いよいよ驚いた。

液化させた危険物の、機内への持ち込みを阻止するためであろうか。

いちいち感心させられることばかり。

確かに、これじゃあ小学生の社会見学だ。

そして、搭乗ゲートにたどり着く。

これから私たちを乗せて東京へ飛び立つ旅客機が、ガラスの向こうに待機している。

白い機体と広げた翼が、初秋の陽光を受けまぶしく輝いている。


                        ○


10時前、一般客よりひとあし早く、養護学校御一行様の搭乗が始まった。

機体入口ぎりぎりまで、のの子の乗ったバギーを押して行き、最後はオーロラ姫のように抱き上げて座席へ運ぶ。

生徒十人の中で最も障害の重い長女と付き添いの妻にだけは、プラス千円でアップグレードした「ゆったりJシート」があてがわれる。

そのJシートの上に、のの子の姿勢を保持するため、普段は乗用車に使用しているカーシートを二重がさねに備え付ける。

「どっこいしょ」

特別仕様シート・オン・シートの上に、のの子を抱え降ろす。

これにて、のの子搭乗無事完了。

私はニコの手を引いて、後部のエコノミークラスに向かう。

 
                         ○


飛行機は嫌いだ。

許してもらえるなら、一生乗らずに済ませたい。

私にとって、飛行機に乗ることは罰ゲームみたいなものである。

定刻を二十分ほど遅れて、私たちが乗った飛行機は羽田へ飛び立った。

北国の大地や畑が、眼下に遠く離れていく。

「どんなに足を伸ばしてみても、もうあの地面には触れられないのか」

そう考えるだけで、腰が抜けたように下半身に力が入らなくなる。

重力に従って魂は下へ留どまろうとしているのに、肉体は無理やり空へと引き上げられる。

この感覚が、たまらなく嫌だ。

隣り座席のニコを見た。

もちろん、彼女は飛行機初体験である。

なぜか、楽しそうにけらけら笑っているではないか(!)。

ニコは母親似であるということが、よくわかった。

                         ○

飛行機は無事羽田に到着。

私たちはJTBの佐伯添乗員に連れられ、空港第一ビル二階和食レストラン「新大和」にて昼食をとった。

総勢三十名近い団体なので、奥まった場所が予約席として準備されている。

テーブルに着くと、空港ビル内を行き交う人々がガラス越しに見えた。

のの子の同級生に自力で食事の出来る生徒は一人もいないので、先生方がマンツーマンで対応し、キッチン鋏を使って食材を細かく切り分けながら生徒の口へ運ぶ。

生徒の食事を介助する合間を縫って、先生方は慌ただしく自分の料理をかき込むように食べる。

作業ひとつひとつに手間がかかるせいで、スケジュールは着々と遅れていく。

養護学校の修学旅行は、時間との戦いだ。

「あと10分、いえ、15分ほど出発が遅れると思います…」

駐車場で待機する観光バスに、謝罪の電話を入れる佐伯添乗員の顔色がみるみる蒼くなっていく。

妻の昼食は、先生や生徒と同じ団体メニューの幕の内弁当。

個人旅行扱いの私とニコは、それぞれ、かき揚げうどんとお子さま御膳を注文する。

細いながらコシのある麺、サクサクしたかき揚げが濃いめのだしに程良くからみあう。

「ねえ、ひとくち頂戴」

私の大事な大事なかき揚げを狙って、妻がするすると箸を伸ばしてくるや、否も応もなく、むしり取るように奪い去られてしまった。

「おや、お父さんはソバをお召し上がりですね。ソバだけに、そばで見せてもらってもいいですか」

食事の介助で忙しい中、北原先生が得意の駄洒落ですり寄ってくる。

養護学校の宿泊行事に初参加で、緊張気味の私を気遣ってくださるのは有難いのですが、よくご覧になってください。

これはソバではなくうどんなのですよ、北原先生。


                       ○

昼食後、空港駐車場にて、貸切観光バスに乗車。

「良かったねえ、ののちゃん」のの子担当の藤野先生(若手の女性教員)が、長女の手を握り笑顔で語りかける。

「そんなに暑くないよ。旭川とあまり変わらないくらいだよ」

ヒートアイランド熱風地獄を覚悟して東京へ乗り込んできた私たちであったが、予想外の快適さに、のの子の表情も穏やかだ。

生徒たちは一人ずつ車椅子のまま電動昇降機でリフトアップされ、後ろ扉からバスに乗車していく。

修学旅行中、バスに乗り降りする都度、同様の手順が繰り返された。

「あの運転手さん、カッコイイわあ」順番待ちをしながら、妻がつぶやく。

後ろ扉で生徒たちを待ち受ける運転手が、素早く車内で車椅子の位置を決め、前輪と後輪にフックを掛け、微動だにしないよう固定していく。

短躯で筋肉質。運転手は短く刈り上げた額からしたたり落ちるる汗を、首から下げたタオルでごしごし拭っている。

弱きを助け、正義を貫く。

働く親父の逞しい背中に、感情過多の妻が目を潤ませる。

旅のあいだお世話になった運転手の仕事ぶりは誰もみな、この方のようにとても誠実で頼もしいものでした。

空港駐車場から、最初の目的地「お台場」へ向け出発。

私たちを乗せたバスは巧みに車線変更を繰り返し、高速道路のゲートを通過、流れに乗った回遊魚のようにすいすいと走った。

道の上に道が造られ、前方ではさらにその上を斜め後ろから来たもう一本の道が立体に交差していく。

車窓から見えるのは、ゲームの世界に迷い込んだかのような風景である。

「さっすが、東京の高速道路はレベルが違うわ」妻が目を瞠って感心する。

「建設工学の勝利だ。同じ日本とは思えない…」私もうなずく。

空港の広さ、利用客の多さ、洗練を極めた店舗のデザイン、車線の数、交通量、立体的幾何学模様を描く高速道路網…。

世界に冠たるメトロポリス東京は、決してお上りさんを裏切らない。


                         ○

ガイドブックによると、お台場はいま、首都圏でもっともホットな注目を集めているスポットなのだとか。

(たぶん)人生最初で最後のお台場だから、話題の商業施設を見て回りたい欲はあったものの、今回コースに組み入れられているのはフジテレビ本社見学のみ。

バスを降りて、まず目を魅かれたのが、九月の空をバックに円形のスカイラインを描くカラフルな観覧車と、頭上数十センチから通行人を冷徹に見下ろす銀色の監視カメラ。

海が近いせいか、涼しい風が勢いよく吹いている。

本社ビルに入る。

広々した入口ホールの天井から二、三十メートルくらいありそうなドラマの宣伝広告が、何枚も吊り下がっている。

そのセンターにあるのは、キムタクが型破りな検事を演じる人気ドラマのメガポスター。

非の打ち所のない二枚ぶりに、バギーの上でのの子がにたりと笑み崩れる。

佐伯添乗員に導かれ、エレベーターで天空二十五階球形展望室(通称はちたま)へ。

長女と次女を、ふたり並べて記念撮影。

眼下に東京湾とベイブリッジ、遠くにスカイツリーが霞んで見える。

ほんとに、いい天気で良かった。

ひとつ下の階にくだって、朝の情報番組のスタジオ見学。

「めざましテレビ」というタイトルなら耳にしたことはあるが、うちの朝はラジオ党だから番組を見た記憶はない。

エレベーターで、再び地上へ戻る。

「おお、『アナと雪の女王』がいるぞぉ!」先生の一人が指をさす。

すぐそばの階段広場で、数名のTVスタッフが、アニメーション映画のヒロインに扮したブロンドのタレントをモデルに、丁度ビデオ撮影を行っていた。

養護学校一行から「わっ」と歓声が上がる。

さて東京滞在中、「アナ雪」の次はどんな有名人に会えるだろう。

キャリー・パミュパミュ? 嵐? エグザイル? それとも、マツコデラックス?


                          ○


私たちが投宿したのは東京ベイ舞浜ホテルといって、外観はうすい茶色で楕円形をしたのっぽの建物だった。

ここはディズニーリゾートのオフィシャルホテルで、シャトルバスとモノレールを乗り継げば15分くらいでディズニーランドまで行けるのだとか。

一団ぞろぞろ正面玄関から中へ入る。

ホテル内部は、すとんと真ん中が天井まで吹き抜けの設計になっていて、アトリウム様式のガラス窓から自然光が降り注いでいる。

明るく開放的な雰囲気に、心が浮き立つ。

一階中央フロアはまるごと広いレストランになっていて、各テーブルに開いたパラソルがずらずらっと並んでいる。

屋内なのになんでパラソル? なんて、野暮を言ってはいけない。

素敵なものは、素敵なのだ。

うちの家族には四階の二部屋が割り当てられ、藤野先生、妻、のの子チームと、ニコ、私チームに別れる。

旅装を解いて窓辺に立つと、道路沿いに街路樹の椰子の木が見えた。

ひょろりと背を伸ばした先っぽで、緑の葉がさわさわと潮風に揺れている。

いまから五十時間、夢の王国の市民でいるあいだ、このホテルが私たちのベースキャンプとなるのだ。



                         ○

夕食後、妻から単独行動の許可を得た。

「是非何か記憶に残ることを」と考え、スカイツリー探訪の小冒険を試みることにした(特に、珍しくもないか…)。

ホテルからJR舞浜駅まで、夜道を小走りに駆け出す。

駅舎で慎重に進行方向を見定め、ホームに滑り込んできた電車に乗る。

早速、妻にメールを送信。「東京駅に向かってます、ナウ」。

東京駅で下車。

迷路のような駅地下道を、直観と案内表示だけを頼りに進撃する。

それからは、乗る→降りる→迷う→考える→走る、の繰り返し。

次第に、私の中で二十年眠っていたバックパッカーの血がザワザワ騒ぎ出す。

逐次、メールで妻に現在位置を知らせる。

「上野駅に向かってます、ナウ」。「浅草駅に向かってます、ナウ」。

浅草駅の改札を抜け地表に出ると、夜空にぽっかり上弦の月が浮かんでいた。

吾妻橋の袂から、かの有名な筋斗雲のオブジェがライトに照らされ金色に輝いて見えた。

橋の下、隅田川がネオンサインを映してゆるゆる流れている。

少し歩いたところで、雑居ビルの谷間に淡く青い光を滲ませるスカイツリーを発見。

すでにホテルを出てから一時間余りを経過していたので、冒険はここで終了。

ツリーの写メを一枚妻に送信して、私は踵を返した。

ルートを逆にたどるだけなのだから帰路は簡単、のはずだった。

実際、舞浜駅に戻るまで、何の支障もなく事はスムーズに運んだ。

ところが、駅からホテルまで近道しようとして道に迷い、あろうことか、知らないうちにホテルを通り過ぎてしまい、さらにホテルとは逆方向にがむしゃらに進んでしまい、最後はUターンして大汗をかきかきホテルに帰り着いたものの、時刻は裕に10時を過ぎていた。

急ぎエレベーターで四階へ上がり、こってり叱られることを覚悟で、恐る恐る妻たちがいる部屋のドアをノックした。

娘の修学旅行に同行していながら、保護者として節度に欠ける行動をとってしまったのだから、どんなになじられても私に返す言葉はない。

しかし意外なことに「あら、お帰りなさい」と、妻は予想外の上機嫌な笑顔で私を迎えてくれた。

そればかりか、帰りが遅れた事情を説明すると、「大変だったわね。無事に帰って来られて良かったじゃない」と、労りの言葉まで掛けてもらえた。

ちょっと拍子抜けの気分。

さすが、ここは魔法の国だ。

ベッドの上では、のの子と並んでニコが寝息を立てていた。

寂しがり屋で甘えん坊の次女は、藤野先生にすっかり懐いて「ニコもここで寝る」と、さっさとベッドにもぐり込んでしまったらしい。

「ということは、隣の部屋を俺が一人で使っても良いということかい?」

「どうぞ、ご自由に」

「そいつは、有難てぇ」

立派なダブルルームを独占できる贅沢に、私の頬が思わず緩む。

何から何までお世話になります、藤野先生。


                          ○

一日目の夜は、しっかりと熟睡しておきたかった。

心地良いベッドの上で仰向けになり、眠気が訪れるのをひたすら待ってみたが、今日一日、強い刺激を受け続けた脳細胞の興奮がいつまでたっても静まらない。

「これって拙いかも」

部屋の中を歩き回ったり、柔軟体操をしたり、海の上で点滅する赤や黄色の照明を窓から眺めてみたり…。

思いつく限りのことをひと通り試してみたが、一向に事態は改善されない。

結局、まぶたが重くなることはなく、ほとんど一睡もしないうちに舞浜の空が白み始めた。