今朝、いつものように事務所の鍵を開け、仕事前のエサやりを… と水槽を目の当たりにして数秒後。衝撃が走りました。
……何でしょうこの違和感!?
………!!
オークション君が……ノォーーーーーウ!!!
驚きとほぼ同時に…瞬時にして何が起こったのか理解しました。
そうです、アレです。
部分黒化現象。
以前、グリーンマニアのdai8682さんやたかあきさんのブログでも
症例が報告された黒化現象と同じと思われます。
たかあきさんとdai8682さんの時は顔でしたが、ウチの場合はご覧の通り左側面の後ろ半分のみ。キッチリ4本目のバーチカルから後ろが真っ黒です。
かなり痛々しく見えるのですが、今のところ体色以外の身体機能には何の問題もありません。ハンバーグも赤虫もバクバク食べて、他の魚を追い散らして…
いつものオークション君と変わりなしです。
ちなみに反対面はまったく正常。
原因は何なのでしょう…ネットで調べてもなかなか核心に触れるような情報が探せません。
見た感じから細菌や水質が原因とは思えず、やはり神経系かなと…
推論を立てるために、自分の持ってる魚類生理学の専門書を紐解いてみました。その中で目に留まったのが自律神経の項目…
以下にその内容を抜粋、要約してみました。
魚類の神経系は、中枢神経(脳と脊髄)と末梢神経があり、更に末梢神経は脳神経、脊髄神経、自律神経(不随意運動をつかさどる)がある。自律神経は心臓、血管、消化管平滑筋、消化腺、鰓のガス腺、
…(中略)色素胞、虹彩(こうさい)などを支配する。
色素胞(wikipediaより抜粋)
変温動物における色素細胞であり、魚類の色素胞は、黒色素胞、赤色素胞、黄色素胞、白色素胞、虹色素胞の5種に分類され、体色変化に関与し、色素胞の数量の変化による体色変化を形態的変化、色素胞の運動性に由来する体色変化を生理的変化と呼ぶ。
難しい単語が並んでますが、要は、人間で言うと自律神経とは心臓の鼓動や発汗といった、自分の意思で動かせないものをコントロールしていて、ディスカスの体色変化(暗化やバーチカルの出現、パウダーの載りなど)も同じく、魚の意思とは関係なく、状況に応じて自律神経が勝手にコントロールしている…そういう事です。
つまり、今回の体色の異常な状態は、自律神経の障害から正常な色素胞のコントロールができていない…自分はそう推論しています。
人間も極度の緊張や環境の変化、ストレスで自律神経失調症になったりしますよね。では、原因は何なのでしょう?最近思い当たる事としては以下の通りです。
1.水槽移動時に誤ってヒーターのダイヤルを動かしてしまい、
一時的に水温が35度に達してしまい、魚体に負担をかけた。
2.魚の移動時に網で追い回し、ガラス面に激突した魚が居た。
3.上段への移動に加え、濾過掃除と、一度に環境の変化を与え過ぎた。
うーん、どれも自律神経の異常や損傷に関わり得る事かな…と思います。
ここから更に特定は難しいですが、いずれかが原因である事は間違いないと思います。そして治療法は…これといった決め手が無いのが現状です。
経験された方の治癒例を見ても、自己治癒で自然に治っているようですので、
ここはひとつ魚にまかせて通常の飼育を続けてみます。
最後に、上記と同じ参考文献に、こんな希望的なくだりが載っていました。
神経系はニューロン(神経細胞)がシナプスと呼ばれる結合部を介して神経回路を構成する。この回路の中を様々な情報が電気信号となって伝達される。
哺乳類にない魚類中枢神経系の特徴は、ニューロンが終生分化増殖を続けることであり、神経系が損傷を受けても比較的容易に再生することができる…
なんとも希望が持てる話ですね。
どうやら、魚の自己再生能力を期待して待つのが一番いいようです。
この件はまた、変化がありましたら報告させていただきます。
それではまた!
参考文献:魚類生理学の基礎(恒星社厚生閣)
最新の画像[もっと見る]
- 趣味の到達点 4ヶ月前
- 趣味の到達点 4ヶ月前
- 趣味の到達点 4ヶ月前
- 趣味の到達点 4ヶ月前
- 趣味の到達点 4ヶ月前
- 趣味の到達点 4ヶ月前
- 山で出会った青年(完結編) 5年前
- 山で出会った青年(完結編) 5年前
- 山で出会った青年(完結編) 5年前
- 山で出会った青年(後編) 5年前
それにしてもすごい症状ですね
身体機能(爆食、威張り)異常無しでなによりです。
原因は、移動等に伴うストレス何でしょうか
魚の自己再生能力を期待して復活を願っています。頑張れオークション
週末の道場では、詳しく教えてください。
ウチも発症後10日程度で元に戻ったのでやっぱり神経系のトラブルなのかなぁ~って思ってます。
ほ~ 原因は神経系ですか
うちのもオークション君と同じ状態のが居ましたが、元気にエサも食べていたのでそのままにしていたら、いつの間にか元の姿に戻ってました。
最初に見たときは「なんだコイツ」って感じで、ちょっと焦りましたけどね。
インパクトあるでしょ~。
自分も、たかあきさんの情報で画像を見ていたのですが、最初に見た時は焦りました。
原因はストレスなのか、ぶつかった衝撃で神経が断裂したのか…これ以上の追求は無理ですが
とにかく回復を願っています。
詳しくは道場でまた。
たかあきさん
推論の域を出ませんでしたが、やはり自分も神経系のトラブルが濃厚かと思います。
血管の損傷で細胞が壊死してるなら、新しい細胞で復元されるまで、周りからじわじわと治っていくものかと…治っていく様子の画像を見てると、全体に綺麗になっていきますよね。
それにしてもこの部分黒化症、初めて目のあたりにすると焦りますね。
二度目はゴメンですが、何しろいつ起こるかも判らず、防ぎようがありませんし。
これからも情報交換、よろしくお願いします。
でんべさん
そうですね~。推論ですが、やはり神経系と考えるのが今は妥当な気がします。
やはりでんべさんも経験してるんですね。
自分が最初に見た時は「ノォーーー!!」でしたよ。