青の選択基準

１２月も半ばですね。
仕事は毎年恒例の年末進行…今年も缶詰め状態で、パソコンにかじり付き。
ガチガチに肩が凝って目がチカチカしています（笑）

先々週にN.KANさんより譲り受けたブルーベリーは繁殖の即戦力になりそうです。

こんな感じで、相手の♂も確定しないうちから産卵しています。
うちでは虫食いメインですが、こうして見ているとやっぱり青ベタは良いですね。
ブルーベリーSPがやって来たので、今期は久しぶりに青ベタの繁殖を手がけようと思います。
青ベタはブルーベリー６の累代F3まで採っていますが、ちょうど別系統の青ベタを入れたいと
思っていたところでした。

最近、メールで繁殖や飼育に関する質問を多くいただくのですが、その中で
「青系はどこのショップで買うのが良いですか？」という質問がありました。
なかなか難しい質問ですが、無責任に自分が買ってもいないショップを挙げる事もできません。
こういう場合、これまでに自分が買った事のあるショップと選んだ理由をお答えしています。

そんな話もあって今回は、自分が青系（コバルト）の種親を選ぶ着眼点のひとつを書いてみます。
ディスカスの一般的な選び方（体型、人馴れ、鰓、云々）については、ここでは触れません。


私の場合、青ベタでも虫食いでも、種親購入の際、共通の絶対外せない選定基準があります。
自分が国産のコバルトを選ぶ時に重視するポイント…それは、生後１年以上経った成魚サイズに
成長した時点で体の中央付近に地肌の赤が透けていない事です。
よく、幼魚期の地肌が赤いと綺麗な青になると言いますが、成魚になっても地肌が透けたまま
青が乗らない系統もいます。
同じ水槽内で育てても品種によって傾向が片寄って現れるため、原因は水質やエサなど
環境の違いもあるのでしょうが、遺伝によるところが大きいというのが私の考えです。

これまで私がコバルトの種親を購入したショップはアクアマイスター、アクアプロショップオリジナル、
麒麟の３店舗です。
別系統掛け合わせによる改良、純系維持、それぞれにスタイルは違いますが、
どこも地肌の透けない素晴らしいコバルトを持っているのが共通点で、最大の選択理由です。


上の２枚の青ベタ画像はどちらもブルーベリーⅥの自家産F3です。
私が知っているブルーベリーシリーズのⅢ、Ⅵ、SPなどほとんどが成魚になると地肌は透けず
体側面の中央までベッタリと青が乗って来ます。
美しさの基準は人によって違いますが、私が特に青ベタで美しいと感じるのはムラの少ない
地肌の透けない魚です。
この点に着眼して青ベタを探して見ると、意外に少ない事がわかります。
ブルーベリーの累代繁殖を続けて来た理由もここにあるのですが、ブルーベリーⅥ
この辺り、幼魚期における芦田さんの確かな選別眼もあるのでしょう。


ブルーベリーⅥの場合、特に♀ではこの写真のように完全な青ベタのならず、若干の虫食いが
残る個体がいます。
体側中央に流れる中途半端な虫食いでも、虫食いの周りにしっかり青が乗る事で魚が締まって
見えます。
ここに青が乗らない魚は周りの青の発色も弱く、印象がボンヤリしてしまうもので、私が種親に
選ぶ事はまずありません。


秋水は異なる系統のコバルト同士を掛け合わせた訳ですが、種親の選定で赤が透ける品種は
除外しています。
種親の選定はなるべく自分の目で実物を確かめるようにしていますが、麒麟のように遠方の場合
ホームページで写真を見て決める事もあります。
写真選定の場合、青の発色は光源の色温度やカメラ設定で変わってしまうため
なかなか宛てに出来ないものですが、地肌の透けは判りますので。

繁殖に使う種親選び…今回は青系に限った自分のこだわりポイントを書いてみましたが、
もしこれから繁殖にトライされ、自分の系統を作りたいと考える方がいらっしゃるのでしたら…
ぜひ、種親選びに自分なりのこだわりを持って望んでください。
その後のディスカス趣味がまた、違ったものになってくると思います。