野の花だより

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満月をきれいと僕は言えるぞ

2011年01月07日 | あしあと
ぽっかりできた小さな時間。
本屋さんに行きました。


会えた!
そう、山元加津子さん、宮田俊也さんの本、「満月をきれいと僕は言えるぞ」に会えました。
ずっと読みたかった本です。


この本は、脳幹出血で倒れた宮田さんが、意思伝達の方法に出会われて、
「だれもが思いを持っていて、だれもが思いを伝えたいのだ」ということ、
そして、知らないがために、意思伝達ができない、意思伝達を受け取れない、たくさんの方々に知らせるいろいろを、
山元加津子さんと共に、伝えて下さっています。


私は足が悪くて、松葉杖を使うことで、からだの障害があるための、暮らしの障害を、小さくしてもらっています。


もう十年ぐらい前に、こんなことがありました。
次男のがっちゃんの産後のことです。
がっちゃんは、横隔膜ヘルニアという病気を得て、生まれてきました。
生まれて一時間も経たないうちに、がっちゃんは手術を受け、そして、ICUに入院しました。
お産の日には、その詳しくを知らされませんでしたが、
翌日、詳しいことを聞き、がっちゃんの入院しているICUに行かせてもらうことになりました。
ICUは、感染予防のために、車椅子での入室はできなくて、消毒をした松葉杖ならば‥とお許しをいただきました。
いくらか日にちが過ぎて、がっちゃんを抱っこできることになりました。
でも、松葉杖をついていては、赤ちゃんを抱いては歩けなくて、
いつも、看護婦さんにお願いをして、
ベビーベッドから私の腕に連れて来ていただき、そして、
私の腕からベビーベッドへと、再びお願いをしなければなりませんでした。
いつもいつも申し訳ない気持ちでおりました。
お忙しい看護婦さんのお手をわずらわせてしまうから。
そんな気持ちでいる私に、思いがけず、看護婦さんがこんなふうなことをおっしゃり、じんとしました。
「申し訳ありません。
ここが、車椅子が入れるところだったら、山口さん、ご自分でなされるのに‥。」と。
障害を補ってくれるものや、環境や、工夫があったら、障害が障害じゃなくなる‥といったことだと思いました。
いつも申し訳なさでいっぱいの私に、申し訳ないだなんて、やはり申し訳ないけれど
それ以上に、ありがたくてありがたくて、今でも覚えています。


今まで私は、意思を持っているのに、それに気づいてもらえない、それを伝える術をもたない、
そんな方々に思いをはせる機会があまりなかったと思います。


かっこちゃんがおっしゃるように、知らなかったから、気づかなかったから、できずにいた‥ということがある、って、すごくわかります。
かっこちゃん、宮ぷーさんのおかげで、ありがたいことに知っちゃった!から、
ぜひ、必要な方がいらしたら、伝えたいな、そう思っています。


私もこれから読むのですが、
にじのゆめでお貸し出しします。
隣のCDも、もう、たくさんの方々がお聞きになって下さっていますが、これもお貸し出ししています。
今日も車で聞いていて、私は「安田くんのお話」に、いつも泣いてしまいます。
他のお話もいつもそのときどきに、心をゆさぶられます。