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商標の広場

弁理士の福島が商標のお話をします。

新たな商標登録

2016-12-26 10:19:12 | 日記

任天堂の米国法人であるNintendo of America Inc.が、アメリカで新たに「Eternal Darkness」という名の商標登録していたことが、海外フォーラムNeoGAFでの投稿で明らかになった。

『Eternal Darkness』はSilicon Knightsが開発し、任天堂が2002年にゲームキューブ向けに発売したサイコアドベンチャーゲームの海外版タイトルだ。

『Eternal Darkness』は全12章で構成されており、プレイヤーは紀元前から現代までのさまざまな時代を生きた12人の物語を体験する。全体の物語においてはアレックスという名の主人公が存在し、人間の皮膚と骨でできた禁断の書物「エターナルダークネスの書」を発見する。

そのページを開くと、異次元から復活し恐怖の力で人類の精神を蝕ばもうとする「エンシャント」と戦ってきた過去の人間たちの記憶が呼び起こされる。12人の記憶を追体験し、最後の希望がアレックスに託されるというのが、本作のおおまかなストーリーだ。

本作は当時高く評価され、数々の賞を受賞している。今回発見された商標「Eternal Darkness」は、つい先日の12月20日に登録されている。その使用目的はダウンロードを含むゲームソフトやゲームプログラムなどとされている。

実のところ『Eternal Darkness』の商標権については、1999年にアメリカで初めて登録されてからこれまで任天堂が所有し続けている(当初はゲームディスクなども含まれており使用目的に若干の変遷はあるが)。アメリカでは商標権の存続期間について、延長費用を支払うことで6か月間の延長が最大5回まで認められる。

そして前回登録された本作の商標について、5回目の延長が受理されたのが今年の7月。つまり今月をもって本作の商標権は消滅することになる。したがって今回新たに登録しなおしたことは、事実上の更新手続きであると判断できる。

また任天堂は『Eternal Darkness』の商標をゲームキューブ版の発売以降使用していないので、通常の10年ごとの更新はできないものと思われる。事実、任天堂はこれまでにも同様の手続きを2回おこなっているが、3年ごとに登録し直しており、これは使用実績が認められない場合の商標権の存続期限と同じだ。

なお、ヨーロッパでも2001年に商標登録されてから更新し続けられており、日本についても2001年の商標登録から現在まで更新が続いている。


「清麻呂」商標登録

2016-12-24 08:52:21 | 日記

ホルスタイン(乳牛)のメスと黒毛和牛のオスとの交雑種(F1)の牛肉のブランド化を推進する「岡山F1販売促進協議会」が22日、県営食肉地方卸売市場(岡山市中区)で総会を開き、ブランド名を「清麻呂」に決定した。同協議会によると、F1牛肉のブランド化は中国地方では初めてという。

同協議会は今年5月に設立。同市場で食肉加工されたF1牛肉の消費拡大や生産者所得の向上、市場の活性化などを目指している。

同協議会によると、岡山県は中国地方で最も肉用牛の飼育頭数が多いが、他県に比べて黒毛和牛の比率が低く、F1の割合が高い。F1は、和牛の風味を受け継いだ牛肉を手ごろな価格で提供するために改良された牛を指す。F1牛肉は認知度が低く、流通量も少なく、同協議会は「ブランド化で販売促進につなげたい」と話す。

総会では、FI牛肉のブランド名を「清麻呂」にすることなどを全会一致で可決。「岡山市場発F1牛肉」や「新鮮・安全・安心」と書かれたロゴマークを発表した。

同協議会は「県の偉人、和気清麻呂にちなんで付けた。清潔で新鮮な肉というイメージもブランドに込めている。子供からお年寄りまで、たくさん食べていただきたい」と話している。頑張れ!!岡山


中国大江戸温泉物語

2016-12-23 11:21:11 | 日記

標記はTVで放映された概要です。中国・上海に、東京で運営されている温浴施設「大江戸温泉物語」と同じ名前の施設がオープンしましたが、日本の会社は「一切関係がない」とコメントを発表し、今後、名称の使用などをめぐり争いになることも予想されます。

上海の郊外で21日から、「大江戸温泉物語」の名前をつけ、試験営業でオープンした施設は、入浴だけでなく、食事をしたり体をほぐしたりできる施設だと売り出しています。店内には熊本県の人気キャラクター「くまモン」だとするぬいぐるみも置かれるなど、日本のイメージが強調されていて、22日夜は多くの中国人客が訪れていました。

東京・江東区で「東京お台場 大江戸温泉物語」の名称で運営されている温浴施設は、来日する中国人観光客にも人気ですが、上海の施設について、日本の会社は「海外では法人などを設立しておらず、いかなる企業とも業務提携などを行っていない。営業に関して一切関係がない」とするコメントを22日に発表しました。

一方、上海の施設の従業員は、NHKの取材に対して「日本の会社との関係はわからないが、上海での営業には問題がないと考えている」と話しています。中国では、中国企業が海外のブランド名を無断で利用したり商標登録したりするケースが後を絶たず、今後、両者の間で名称の使用などをめぐって争いになることも予想されます。

中国と日本とのお風呂争いの話でした。偽物は食品だけではないようだ!


ロシア長官来訪

2016-12-22 09:46:40 | 日記

16日、日本国特許庁(JPO)とロシア特許庁(ROSPATENT)は、産業財産分野における協力覚書に署名しました。ロシアとの協力を進めることで、日本企業の知的財産が円滑に確保されかつ適切に保護される環境整備を進めてまいります。

背景は近年、ロシアは目覚ましい経済成長を続ける新興国、BRICsの一角として有望な投資先として認識されております。ロシアへの日本企業の進出に伴い、日本企業による出願が増加しており、日本からの特許出願は、2014年に約1.6千件、10年前の約300件より約5倍に増加しております。

JPOとROSPATENTとは、これまで2009年から特許審査ハイウェイ(※)を開始するなど様々な協力を行っておりました。今般、このような日本企業からのロシアへの関心の高まりを受けて、両庁は、東京にて協力覚書に署名しました。この度の覚書は、新興市場として注目されるロシアへの、我が国産業界からの投資・ビジネス展開を知的財産の側面から支援するものです。

特許審査ハイウェイ(PPH:PatentProsecutionHighway)は、各特許庁間の取り決めに基づき、第1庁(先行庁)で特許可能と判断された発明を有する出願について、出願人の申請により、第2庁(後続庁)において簡易な手続で早期審査が受けられるようにする枠組みです。

ロシア特許庁との協力覚書については、同覚書において、JPOとROSPATENTは、以下の項目を含む様々な分野で協力することを確認しました。これによりロシアでの知的財産保護環境の更なる整備を支援することにより、我が国企業のより円滑な国際事業展開が期待されます。

このほか国家知的財産権政策、法制度、審査基準などの情報共有のほか両特許庁の審査システムなどのITインフラに関する経験の共有、審査官の交流による審査経験の共有を含む審査分野における協力、特許審査ハイウェイを含む、国際的枠組みにおける協力、関係省庁と連携した模倣品対策などの知的財産保護における協力、両特許庁とユーザーとの交流促進等。

今後の取組としてはJPOは、ロシアとの協力を進めることで、我が国企業の知的財産が円滑に確保され適切に保護される環境整備を進めてまいります。と両庁は発表。


おんな城主直虎(浜松)

2016-12-21 10:18:19 | 日記

2017年のNHK大河ドラマ「おんな城主直虎」の放送を前に、主人公井伊直虎ゆかりの地とされる浜松市と浜松商工会議所(同市)が、「直虎」の商標を登録している須坂市と浜松市の業者の登録を取り消すよう、特許庁に異議を申し立てたことが19日、分かった。ただ須坂市の業者は江戸時代の第13代須坂藩主、堀直虎(1836〜68年)にあやかって「直虎」を登録しており、異議申し立てに困惑している。

井伊直虎は、戦国時代の遠江(現在の静岡県西部)の小領主で、女性だったとされる。浜松商議所は「家康・直虎新商品開発プロジェクト」と銘打ち、企業に菓子などの関連商品開発を働き掛けているところだ。浜松市などは8月、「直虎の文字は、戦国時代を強く生き抜いた歴史上の女性として一般に広く知られる井伊直虎を表すもの」とし、特許庁に異議を申し立てた。市観光・シティプロモーション課は、一般的に「偉人の名前を独占するべきではない」とする。

一方、堀直虎は若くして須坂藩主となって藩政改革を進めた名君とされる。17年が没後150年目に当たり、須坂市などの実行委員会が舞台などの催しを企画している。「直虎」の商標を取得した市内のみそ、しょうゆ製造販売会社「糀屋(こうじや)本藤醸造舗」の本藤浩史社長(56)は、節目の年に「直虎」と名付けたみその販売を考え、今年4月にみそや調味料などで商標が登録された。

本藤社長の出願は、「おんな城主直虎」の放送が発表された後の昨年12月だが、長野県ゆかりの大河ドラマ「真田丸」の放送を目前に控えており、「その次の大河ドラマに意識は向かなかった」とする。井伊直虎自体も「全く知らなかった」という。特許庁は09年、歴史上の人物をフルネームで使ったり、フルネームでなくても「家康」など一部でも個人が特定されたりする場合、商標登録を認めないとする指針をまとめた。

ただ直虎の場合、井伊直虎や堀直虎、政治家の鍋島直虎(1856〜1925年)など、複数の歴史上の人物が該当し、同庁は「特定の個人を示さない」(商標課)として、今回の「直虎」の登録を認めたという。異議申し立てを受けた浜松市の業者は、菓子やパン、弁当など複数の種目で「直虎」の商標を取得している。法定の異議申し立て期間(公報から2カ月)を超えた「直虎」を使った商標も複数ある。

 登録された商標を他の事業者が使って商品を売った場合、商標権の侵害に当たるとして、製造販売の差し止めや損害賠償などが請求される可能性がある。同庁によると、異議申し立ての審査は平均約8カ月という。来年の大河ドラマが知財の面からも興味がわく。