米国バスケットボール殿堂入りしている元スーパープレーヤー、マイケル・ジョーダン氏が、自身の名前の表記を商標登録した中国スポーツ用品メーカーを相手取りその無効を訴えていた裁判で、中国最高人民法院(最高裁判所)は8日、ジョーダン氏の主張を一部認める判断を示した。
ジョーダン氏は福建省に本社を置く喬丹体育が自身の名前の法的権利を侵害したと主張し、商標登録の取り消しを求めて2012年に提訴した。喬丹は「ジョーダン」の中国語表記で、「チアオダン」と発音する。下級審はこれまで喬丹体育に有利な判断を示してきた。
最高人民法院は、ジョーダン氏の漢字名が中国国内で「よく認知されており」、喬丹体育は登録を放棄し、国家工商行政管理総局に返還する必要があるとの判断を下した。ただし、中国語固有の発音表記であるピンインで書く名称「Qiaodan(チアオダン)」についてはジョーダン氏の主張を退けた。
今回の訴訟は中国で知的財産権保護を望む外国企業にとって判例となる。世界2位の経済国の中国では最初に商標を取得した企業が法律で守られるケースが多く、米テスラ・モーターズやアップルなど多くの海外企業がこの問題に直面してきた。