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商標の広場

弁理士の福島が商標のお話をします。

C型肝炎侵害(アメリカ)

2016-12-19 09:57:37 | 日記

C型肝炎治療薬に関連する特許を侵害されたとして米メルクが米ギリアド・サイエンシズを訴えている裁判で、米デラウェア州ウィルミントンの連邦地裁の陪審は15日、ギリアドにはロイヤルティー(特許使用料)として25億4000万ドル(約3000億円)を支払う義務があると認定した。米国の特許侵害訴訟で認められた支払額としては過去最高となる。

この訴訟ではギリアドの売り上げの半分余りを占める「ソバルディ」「ハーボニー」がメルク子会社アイデニックス・ファーマシューティカルズの特許を侵害しているとの判断を判事が既に下していた。

陪審は15日、特許が無効だとするギリアドの主張を退け、ソバルディとハーボニーの売り上げ254億ドルの10%に相当するロイヤルティーを支払わなければならないとの評決を下した。特許の侵害が意図的なものだったと判断されたため、判事が賠償金額をこの最大3倍に引き上げる可能性もある。

ギリアドは「アイデニックスの米国特許は無効だとする当社の意見は揺るぎない」とし、上訴する考えを示した。

アイデニックスは、2009年に発行された同社特許がギリアドの製品を含む全ての主要なC型肝炎治療薬の基礎となっていると主張している。メルクは14年にアイデニックスを買収した際、合意の一環としてこの訴訟を引き継いだ。

メルク自体も別の特許をめぐり13年にギリアドを提訴したが、この裁判ではカリフォルニア州の連邦地裁判事が今年6月、ギリアドには2億ドルの支払い義務があると認定した陪審評決を破棄。メルク側の証人が虚偽の証言を行ったことを理由に挙げた。

米国の特許侵害訴訟で陪審が認定した賠償金額でこれまでの最高額は、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)がアボット・ラボラトリーズから勝ち取った16億7000万ドルだったが、この評決はその後破棄された。我が国だったらどういう判断になったか?