東日本大震災の被災者を励まそうと笑顔で踊る女子高生フラガールをモチーフにしたキャラクター「フラキャラ」が、特許庁の商標登録認定を受けた。デザインから申請まで担当したのは福島県立平商業高校の生徒たち。商標をパッケージに使った登録後初のオリジナル食品の開発も進み、復興に向け企業による活用の広がりが期待されている。
フラキャラは「あろは」「まりん」「まはろ」「レイ」と名づけられた4人から成る(他にデフォルメ版も)。同校のフラダンス愛好会は震災後、避難などでメンバーが10人あまりから4人に減ったが、被災者を元気付けようと「道の駅」や仮設住宅に出向き、懸命にダンスを踊った。その姿を写真で見た後輩が描いたのが、フラキャラの始まりだ。
そのデザインが校内の復興キャラクターとなり、学校紹介のパンフレットにも掲載された。流通ビジネス科の生徒たちが復興関連商品としてプロデュースしたラムネ飲料「フラムーネ」のラベルでも採用されるなど、代々の生徒が受け継いで、用途を広げてきた。
同科の生徒は、知的財産権についても学んでいる。類似商品を排除できれば、商品を作る企業もキャラクターを使いやすくなることから商標登録を目指すことを決め、今年の3年生2クラスが担当した。登録を受け、仙台市の観光土産卸売会社が開発中の新商品「フラムーネくず餅」は来年3月の発売を予定する。
同校では15日、商標登録証の授与式が開かれ、フラムーネくず餅のパッケージも披露された。申請を担当した3年生の嘉悦杏奈さん(18)は「先輩から受け継いできたキャラが多くの商品に使われ、福島の復興のアピールになれば」と希望を語った。
フラキャラのモデルになった同校フラダンス愛好会は、今年8月の「フラガールズ甲子園」で初めて日本一に輝いている。頑張れ高校生!頑張れ福島県!