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商標の広場

弁理士の福島が商標のお話をします。

高校生が音の商標出願

2016-07-19 11:54:50 | 日記

高校生が音の商標。「ポリポリ、ポリッピー」―。ラジオから流れてくるあのメロディーが山形市の山形商業高の産業調査部(愛称・産調ガールズ)の提案で、商標登録出願された。昨年4月の改正商標法施行で「音」など新しいタイプの商標登録が可能になり、豆菓子メーカー・でん六(同市、鈴木隆一社長)が申請した。特許庁によると「音」の出願は本県初。部員の女子生徒21人は同社の出願を足掛かりに、音の付加価値の大切さを県内に広めていきたい考えだ。

わずか3秒ほどの軽快なメロディーは、豆菓子「ポリッピー」のCMで使われている曲「あの子の笑顔が見たいから」のワンフレーズ。山形市出身で同校を卒業した歌手朝倉さやさんが歌う。朝倉さんは産業調査部と同様、山形市の「お宝広報大使」に任命されており、地元の魅力を発信している。

産業調査部の3年生は昨年1月に、音がもたらす経済効果に関する研究をスタート。商標の新制度に伴い、各企業おなじみのメロディーを知的財産として保護する必要があると考えるようになった。共通点が多い先輩の朝倉さんを応援したいという気持ちもあり、同社に「ポリポリ―」の商標出願を働き掛けた。

企業側にとっても商標登録は宣伝やブランド戦略につながる。自身も同校出身の阿部芳敬商品企画課係長(42)は「以前から産業調査部が頑張っている姿を見聞きしていた。女子高生が情熱を傾ける研究を応援したいと思った」と話す。先月28日に商標登録を出願。部長の3年船山晴加さん(17)は「熱意が伝わってすごくうれしい」と喜んでいる。

商標は、特許庁が半年ほどかけて審査する。3年大泉彩さん(17)は「一度聞いたら忘れられないメロディー。登録されるといいな」と期待を込める。同部は「音にはまだまだビジネスチャンスがある。商標登録のメリットを県内企業に伝え、知的財産を守っていきたい」とし、今後も音の商標登録出願を呼び掛けていく。

新しいタイプの商標登録、商標の対象はこれまで「文字」や「図形」など2次元のものに限られていたが、インターネットやテレビでロゴに独特の音や動きを加えるなど宣伝手法が多様化したのを背景に商標法を改正。新たに「音」「動き」「色彩」「位置」「ホログラム」の5種類が対象に加わった。特許庁によると6月末現在、「音」商標の出願数は約450件。これまでに登録されたのは久光製薬や味の素のCMでおなじみのメロディーなど39件。高校生の音の商標が登録になれば面白いが・・・。