日本人は情報戦に弱いといわれる。
それは全くの他人に対しては交流をシャットアウトし、逆に身内に対しては疑うことなく信頼するからである。そのような状況では自分以外の者に対する分析が不要となる。交流がなければ情報を収集して分析する必要はないし、また信頼しているなら分析の必要はない。
まず疑う心がなければならない。疑うことは決して悪いことではない。疑うからこそ事実を知ろうとする行動が生まれるのである。
あれほどオレオレ詐欺が蔓延したのは、疑う心が欠如していたからである。
人間には必ず弱い部分や悪い部分がある。利害の衝突する部分については、他者を害してでも自分を守るのが本能だからである。だから、誰であっても100%信頼するのは危険である。
しかし、疑う心をもつと同時に寛容の心も持たなくてはならない。弱さや悪さは誰でも持っているのだから許そうという気持ちである。その寛容の心が、ギスギスした猜疑心を無化する。
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