日本が、信頼社会に移行していることは既に述べた。信頼社会とは、別の言い方をすれば、誰を信じ誰を信じないかを自分で決める社会である。システムに依存するのではなく、自律が要求される社会でもある。
しかし、そのような能力がなく社会に放り出されてしまえば、単なるカモになってしまう。だまそうとする人間は、心理テクニックを駆使して、私たちを逃げられないようにするからである。
さいわい、日本人は正直な人間がおおい。私たちを騙そうとする人間は少数である。しかし、日本人はカモなので、だますことによってかなりの利益をあげることができる。だから、私たち一人一人が、相手が仕掛ける心理戦に負けないようにすることが必要である。
それにはだまされない技術を身につけなくてはならない。
そこで、これから、何回かに分けて騙しのテクニックを暴いていこうと思う。
まず、簡単な人間の特性について考えてみたい。
人は「理性より感情で動く」ということである。
ヒットラーは、宣伝や説得について、「人を操作したかったら、できるだけやさしい言葉で訴えよ」「伝えたいものを何度も繰り返せ」「肝心の要点を絞り込んで伝えよ」と言った。
その中で一番重視していたのは「大衆を操作したかったら、論理より感情に訴えて揺さぶりをかけよ」というものである。
ヒットラーは、「ヨーロッパを支配すれば、年間これだけの利益があげられ、ドイツ国民は豊かになる」といった論理的な言葉で大衆を誘導しなかった。そうではなく、「敗戦した第一次世界大戦後に締結されたベルサイユ条約は、不当なものであった。この条約はドイツ国民を侮辱している。奪われた土地を取り返し復讐しなくてはならない」などとして、大衆の復讐心をあおったのである。ドイツ国民はこの言葉に熱狂した。
ここで私たちが教訓にしなければならないのは、感情に流されないように、物事は判断しなければない、ということである。感情に揺さぶりをかけられたら負けである。
次のブログでは、具体的な騙しのテクニックを検討する。
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