ダイエットしてるのに、なかなか甘いものをやめられないときがありますよね。
そんなとき、「自分は意志が弱いな」と考えてしまいます。
こんな感じで、甘いものをやめられない理由を、意志や心に求めることが多いですよね。
しかし、失敗を内面に求めるのではなく、まわりの環境や自分の行動に着目するのが行動分析学です。
アメリカの心理学者スキナーが提唱した学問です。
見えない内面を扱うのではなく、外部の行動を分析するので、非常にわかりやすい理論です。
さっそく、検討してみましょう。
まず、「行動とは何か」という定義からはじめます。
行動とは「死人にはできない活動である」と定義されています。面白いですよね。
怒らない、発言しない、は死人にも出来ますよね。だから行動ではありません。
つぎに、人間の行動原理を考えます。
行動原理には、好子の原理と嫌子の原理の2つに分けられます。
好子の原理とは、行動の直後に、いいことが起こるとその行動はくり返されるという原理です。
たとえば、
1雨が降って濡れる→2傘をさす→3雨に濡れない→4また雨が降ったら傘をさす
1お腹が空いた→2カレーを注文した→3美味しかった→4またカレーを注文する
1は先行条件、2は行動、3は直後の結果、4は次の行動選択です
そのつぎは、嫌子の原理です。嫌子の原理とは、行動の直後に、悪いことが起きると、もうその行為はやらないという原理です。
たとえば、
1お腹が空いた→2ハンバーグを注文した→3まずかった→4もう注文しない
行動原理の説明は、こんな感じですね。
突っ込んで説明すると、いろいろと難しくなるので、どんどん先に進んでいきましょう。
では、冒頭にあげた、ダイエットについて考えてみますか。
ダイエットは、つまり、太っている状態から痩せるという状態にもっていきたいわけですよね。
じゃあ、どうこうどうすればよいか?
太っている→食事を減らす→お腹が空いた
お腹が空いた→甘いものを食べる→満足する→甘いものを食べる
この太字の部分が行動です。
もし、行動をして、痩せないのであれば、行動が間違っている可能性があります。
だから、行動を変えてみます。
太っている→運動するand食事をちょっと減らす
お腹が空いた→甘いものを食べるの代わりに、鶏のささ身を食べるorプロテインを飲む
こんな感じです。そんなに難しくはありません。
うまくいっていない事がある。その行動に着目する。そして行動を変えてみる。
その結果がうまくいけば、その行動をくりかえしていく。
何回かくりかえした結果、やっぱりダメだったら、また行動を変えていく。これだけです。
こんな感じで、意志や心、根性や我慢などの内面に着目しないで、行動を分析していきます。
この行動分析は、医療やビジネス、スポーツなど様々な分野で、実績を上げています。
わかりやすくシンプルでけっこう使える理論だと思います。