あるシステムがどのようなものかを判断するものの一つに、罰系システムと快楽系システムという概念がある。
罰系システムは、できるだけミスをなくすることを重視したシステムである。つまり、トラブルとなる行為を予め予測し、その間違った行為を罰するようなシステムである。すでに出来上がったシステムを維持・安定させることを目的とする。
これに対して、快楽系システムは、気持ちが高揚するもの、わくわくするもの、乗ってくるようなものを重視するシステムである。楽しく創造的な作業をするときにはこのシステムがうまく機能する。
これを、無理やり野球に当てはめてみると、日本はできるだけミスをなすそうとする罰系システムであり、南米の野球は快楽系システムであるといえそうである。
罰系システムは、守備型で長期のシーズンの競技には向いている。従って、基本的に野球は罰系システムが強い。ただ、短期決戦の日本シリーズやwbcなどはノリノリの快楽系のシステムのほうが有利なときがある。
すごいプレーには、挑戦的な気概が必要である。しかし、挑戦には失敗がつきものである。だから、ミスについてあれこれ言い過ぎるのは、挑戦的気概を削ぐことになる。もちろん、気合の抜けた凡ミスは許されないが、果敢に挑戦した結果のミスには、われわれ観客は拍手すべきである。それが、またすごいプレーを生む。
ながながといろいろ書いたが、要は、内川選手の走塁について、あれこれ言うのはやめようということである。勝負は時の運。一生懸命やった結果、負けることもある。また、次がんばろう。