綾瀬駅の中線からエメラルドグリーンの10両が滑り出す。今日は千代田線を彷徨う。
千代田線は日比谷線の混雑緩和を目的としたバイパス路線として建設されたらしい。
改めて路線図を眺めると、なるほど腑に落ちる。
千代田線には通称北綾瀬線という支線がある。
綾瀬駅から車両基地までの回送線を短い3両編成がシャトルしているのだ。
この日は「メトロファミリーパーク in AYASE」が開催され、親子連れで賑わっていた。
先ずは根津に途中下車。
谷中銀座をはじめ谷根千(やねせん)は、昔ながらの東京の下町風情が味わえる。
とにかく人・人・人で、オーバーツリズム気味だ。呑み人はお印に根津神社を訪ねた。
常磐線から乗り入れて来たJRの車両に乗って、今度は二重橋で途中下車する。
先週は「祝賀御列の儀」に沸いた皇居前広場もすでに平静を取り戻して、
いりとりどりのランナーたちが、まるで熱帯魚のように回游していく。
日比谷、霞が関を巡ったエメラルドグリーンの10両はゆっくりと国会議事堂前へ。
週末、この辺りの駅はと云うといたって静かなものだ。
永田町の高台に、美しいみかげ石の「白亜の殿堂」が秋晴に映えている。
赤坂、乃木坂、表参道と瀟洒な街並みを抜けて明治神宮前、久しぶりに神宮の杜を歩く。
鳥居を潜ると右手に201個の菰樽が並ぶ。外国人観光客にはフォトジェニックな場所だ。
左手にはワイン樽、どれもブルゴーニュの醸造家から奉納されたものだ。
本日は、お日柄もよく、本殿の前では巫女に導かれて神前へと進む列に遭遇。
朱傘を差掛けられた白無垢の花嫁が美しい。どうかお幸せに。
明治神宮前を出ると、終点の代々木上原まではひと駅を挟んで4分の乗車。
小田急線の複線をこじ開ける様に這い出たエメラルドグリーンの10両編成。
背景に新宿のスカイスクレイパーが秋の青を突いている。
日が傾いて根津に戻って来た。「坂ノ下ノオリゼ」 は呑み人に不釣り合いな日本酒バル。
一杯目は香芝の "大倉 山廃特別純米秋上がり"、今宵は奈良の酒でいくと決めた。
"和の三点盛り" は、鮪の生姜煮、白和え、ローストビーフと気が利いたラインナップ。
二杯目の "みむろ杉 純米吟醸 山田錦" は瑞々しい味わい、三輪の酒だね。
ゆず七味を振って、"たぬき豆腐" が美味い。これは家でもできそうだ。
そして "風の森 愛山純米 真中採り"、果実味いっぱいのフレッシュな味わいで爽やに〆る。
まだまだいい店がありそうな谷根千、On the way home、また探検してみよう。
東京地下鉄・千代田線 北綾瀬~代々木上原 30.4km 完乗
大都会 / クリスタルキング 1979