旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

高松琴平電気鉄道を完乗!讃岐平野を東へ西へ

2018-10-12 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

「うみ・まち・さと - 心でむすぶ」 高松琴平電気鉄道で讃岐平野を往きます。

古来より航海、五穀豊穰・大漁祈願・商売繁盛の神様として信仰を集める金刀比羅宮です。
20年振りの785段の石段に息も絶え絶えなのです。 

秋の青空が広がる讃岐平野の眺めですが、びゅうびゅうと音を立てる強い風。
これから日本海側を台風が抜けます。先ほど渡った瀬戸大橋線も不通になったようです。 

でっ四国島内にもう1泊することに。門前の琴電琴平から高松築港をめざします。 

琴平線の2両編成は、クリームとイエローのツートン。京浜急行からお嫁にきました。 

 

女性運転士の指差喚呼、颯爽として格好良いですね。
彼女のきびきびした姿を眺めながら冷たい缶ビール。汗かいたからね。 

琴電琴平から起点の高松築港まではちょうど1時間の旅。 
2両編成が車止めと向き合う頃にはとっぷりと暮れています。陽が短くなりました。 

「ことでん」の瓦町駅と片原町駅(音にするとややこしい)の間が高松の繁華街。
アーケードでは、井川遥とローラに酒場へと誘われる。誘われなくても飲むけど。

 

さて、今宵は人情味酒場「えんぎ屋」へ。鶏料理と牛ホルモンがご自慢の店です。 
昨晩も日本酒をだいぶ飲んだから、今宵はホッピーから始める。 

 

炭火焼は、豚しそ巻き、トマトベーコン巻き、白ネギ、ししとうをいただく。
箸休めに "大根サラダ" でさっぱり。 

 

酒は観音寺の "川鶴"、深い味わいとキレの辛口本醸造。
肴は "種鶏のたたき"、うまみとほどよい歯ごたえは、柚子胡椒をつけて美味しい高松の夜。 

 瀬戸内海に面して築城された海城・高松城は別名を玉藻城(たまもじょう)と云う。
『玉藻よし さぬきの国は 国柄からか 見れども飽かぬ かむからか』
万葉の詩人、柿本人麿が詠んだに和歌に因みます。

「ことでん」の起点・高松築港駅はこの玉藻公園の中。
クリームにエメラルドグリーンの長尾線の電車は、内堀をS字になぞって瓦町方面へ。 

讃岐平野らしく、ため池が点在する田園風景の中を2両編成がガタゴト走ります。
休日午前の車内は長閑な風景、揺れに合わせて吊皮がメトロノームの様に揺れ奏でます。 

ガクガクッとつんのめるように2両編成は長尾駅に終着。高松築港駅からは40分の旅。 

駅から東へ5分、 補陀落山 観音院 長尾寺は、四国八十八か所霊場の第87番札所。
前身の高松電気軌道は、長尾寺への参拝路線としてレールを敷いたのではないだろうか。
その意味では、ここが真の旅の終わりですね。 

 瓦町駅の連絡通路を渡ると、他の2路線から離れて4・5番ホームがある。
クリームとローズピンクのツートンは志度線の車両、名古屋市営地下鉄からのIターン。

今日の讃岐平野は町々で秋祭り、駅に停車する毎にお囃子が聴こえる。
車内を華やかにしているのは3人組のお嬢さん。これから神輿を担ぐと云う。
横顔をパチリ、快く写真を撮らせてくれた。粋でかつ美しい。 

車窓に屋島を背景にして塩屋海岸が広がると、3両編成は程なく琴電志度に終着します。

第86番札所は補陀洛山 志度寺、推古天皇33年(625年)建立の四国霊場屈指の古刹。
仁王門で大きな「わらじ」に迎えられて志度線の旅を終え、「ことでん」完乗なのです。

高松琴平電気鉄道 琴平線 琴電琴平~高松築港 32.9km
         長尾線 瓦町~長尾 14.6km
         志度線 瓦町~琴電志度 12.5km 完乗 

時代遅れの恋人たち / 中村雅俊 1978



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