goo blog サービス終了のお知らせ 

旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

飛鳥山の桜とスカイツリーと七賢と 都電荒川線を完乗!

2025-04-05 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

4月最初の週末、荒川自然公園の桜並木が満開でしたね。
えんじ色のモダンレトロな7700形がモーターを唸らせて荒川二丁目停留場に飛び込んでくる。
今回は文字通り「東京さくらトラム」となった荒川線に乗って呑む。

大隈記念講堂は一大学の施設を超えて、この街の風景になくてはならないピースだ。
大隈通りの商店や食堂には、決まって「祝・卒業」やら「入学おめでとう」の短冊が貼られている。

この通りが新目白通りにぶつかった交差点、中央分離帯に早稲田停留場がある。
西へと延びる軌道に並行する神田川でも「早稲田さくらまつり」が賑やかだ。

明治から昭和初期の東京市電をモチーフにした9000形が思案橋に向けて走り出す。
前面の3枚窓、丸い一つ目の前照灯、戸袋の丸窓、黄色に塗って走らせたら楽しいだろう。

高戸橋で明治通りにぶつかると軌道は北へ転じる。停留場を3つ数えて雑司ヶ谷で降りる。
鬼子母神堂と法明寺の間の桜並木、露店が並んでご近所さんが花見に興じる。いいねこういうの。

いかにも都営っぽいグリーンのラインにイチョウのマーク、8500形が恐る恐る大塚への勾配を降りていく。
この辺りは池袋オフィスを訪ねた際に、美味いランチを探して彷徨うエリアだ。

専用軌道から明治通りとの併用軌道に飛び出すと、そこは江戸時代からの桜の名所「飛鳥山公園」だ。
飛鳥山公園歩道橋には、桜と都電のコラボを狙うアマチュアカメラマンの砲列が並ぶ。
それではボクもと、桜を散らした某信金のラッピング電車と桜満開の丘をパチリ。

徳川8代将軍・吉宗が2,700本の桜を植え、庶民に開放てからの桜の名所。
現在は約600本のソメイヨシノやサトザクラが爛漫と咲き誇って、たくさんの花見客でにぎわいをみせる。

眩しいオレンジ色の8800形が飛鳥山の裾野を舐めるように王子へと降って行く。
この飛鳥大坂の急勾配は66.7‰というから、廃線となった信越本線の碓氷峠と同じだ。

王子から3つ目が荒川車庫前停留場、ここで乗務員交代が行われるので少し長い停車となる。
全30余両の寝ぐらである荒川電車営業所には、カラフルな電車たちが束の間の休息をしている。

これぞ都電という黄色に真紅のラインは5500形、車庫に隣接する都電おもいで広場で見ることができる。
この車両は1系統と言って、品川駅前~上野駅前を走っていたそうだ。

ひとつ先の停留場は荒川遊園地前、電車を降りて300mほど北へ向かうとカラフルな観覧車が見えてくる。
知らなかったけれど、この老舗遊園地は公営なんですね。歓声を上げて駆けまわる子ども達が微笑ましい。

京成本線を潜った軌道は荒川自然公園に沿って南へ向かう。っと突然車窓に桜並木が現れる。
薄いピンクの桜の花びらが西陽を浴びて、さらにその色を濃くしている様にも見える。キレイだ。

軌道が緩いカーブを描くと荒川区役所前停留場、正面に東京スカイツリーが見えてくるとゴールは近い。

赤い尾灯を灯した電車はガタゴトとポイントを渡って折り返しの早稲田行き、
偶然にも最初に乗ったレトロな9000形がアンカーとなって、旅は三ノ輪橋停留場で終わるのだ。

今宵の一杯は5つ戻って町屋駅前、ここは期待通りの下町風情の街並み。
ほんのりとあかりが灯る大衆酒場甲州屋、紅で抜いた「大」の文字が印象的な暖簾を潜る。
幸いカウンターの一席を占めることができたけど、10分後には予約客らで席は埋め尽くされる。

たまには瓶ビール、ちょっぴり贅沢にYEBISUをグラスに注ぐ。お通しは “ポテサラ” だ。
アテは “ホタルイカ酢味噌”、ゴマをふるとこれがまた美味しいね。

奥さんが目の前で開いて揚げてくれた “アジフライ”、ふっくらと肉厚でなかなかの逸品。
ここのところ食したアジフライの中では一番だなぁ。感動モノの美味さだ。

大将が柳刃を軽やかに滑らせて、キレイな赤をガラス皿に盛って “マグロ刺し” が登場。
店の名前からすると山梨にご縁があるのだろうか、然らば日本酒は “七賢” を択ぼう。
定番の純米吟醸は切れのいい果実味と程よい酸味がいい。あっ白身の魚の方が良かったかな。

おすすめの黒板からもう一品は “米なす田楽”、ここのは割としっかり焼くんだね。
たっぷりの果肉に甘味のある田楽味噌が絡んで美味しい。
この濃ぉい味には生酛がいいと “大七” を択ぶ。しっかりとした旨味、豊潤な甘みの純米生原酒が旨い。

爛漫の桜を愛でた「東京さくらトラム」の旅は、大衆酒場の酒肴に舌鼓を打って、町屋に終わるのだ。

都電荒川線 早稲田〜三ノ輪橋 12.2km 完乗

<40年前に街で流れたJ-POP>
あの娘とスキャンダル / チェッカーズ  1985



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。