旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

龍飛埼と田酒と生姜味噌おでんと 津軽線を完乗!

2015-08-22 | 呑み鉄放浪記

生温かい風に乗って警笛が聞こえる。やがて頼りなく細い線路がカタカタと反響を始める。
やがて白地に真紅の帯を引いたキハが、夏草を薙ぎ倒して目の前を通り過ぎる。黒い煙と匂いが漂っている。

 昨夜は旨い肴を探して "生姜味噌おでん" に行きく。県の観光HPによると青森駅周辺の屋台(闇市)に由来し、
厳冬期に連絡船の船客を暖めようと、ある屋台の女将さんが味噌に生姜をすりおろしたのが始まりだという。

訪ねたアットホームな「なら屋」のカウンターで生姜味噌おでんを肴に飲む。
地元西田酒造の "田酒特別純米"、辛口でスッキリした酒が冷えた竹筒になみなみと注がれて嬉しい。

 

 青森06:20発、327M蟹田行きに乗車する。、津軽線は途中の蟹田までは電車が走っている。
乗客はひと握りの鉄道ファン、それと同数くらいの徹夜で飲んだのであろう地元の猛者達が眠たそうだ。
列車は田園風景の中、時折陸奥湾を望みながら北上する。左手に来春開通する新幹線の高架線が並走している。

327Mはおよそ40分で蟹田に到着する。この先の津軽線は非電化単線の典型的なローカル区間となるのだ。
乗り継ぐ329D三厩行きはたった1両、津軽線は予想に反して、終点近くの僅かな区間を除いて殆ど山間を走る。

こんな田園と里山の風景の中を眺めながら、等間隔で頬を撫でる扇風機の心地よい風に吹かれている。
ディーゼルカーの唸り声と、ガタゴトとレールの継ぎ目を鳴らす音を聞いていると、当然に眠くなってくる。

単行のディーゼルカーは、30kmほどの距離を40分かけて三厩駅に終着する。
折角なので龍飛埼へ。列車に連絡する外ヶ浜町営バスがボクを最果ての地まで連れて行ってくれる。

龍飛埼灯バス停前には「津軽海峡冬景色」の歌碑、台座のボタンを押すと石川さゆりが大音響で歌い出す。
格安バスツアーで訪れた奥様たちが一緒になって歌いだす。折角の名曲なのに。早くこの場を離れよう。

有名な階段国道を下ると龍飛漁港とその集落だ。この時期、津軽海峡マグロの一本釣り漁船が操業している。
もちろん大間漁協の漁船も漂っている、龍飛で獲れても大間に揚がれば “大間のマグロ” なのだ。

急な階段を上っていくと龍飛埼灯台に至る。海の先には渡島半島が見える。絶景だね。
沖合にはコンテナ船が行き交い、ここが国際海峡だと実感させる。近くには20~30隻のマグロ一本釣り漁船。
最果ての風に吹かれながら、いつの間にか石川さゆりを口ずさんでいることに気がつくのだ。

津軽線 青森~三厩 55.8km 完乗

津軽海峡冬景色 / 石川さゆり 1977



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。