思考の踏み込み

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寿司

2014-02-10 08:30:12 | グルメ
料理が芸術たりうるとすれば、寿司とはその最も優れたものの一つであろう。

洗練され、極限まで無駄をはぶいた姿は美しく、かつこの上なく美味であるということは、料理に限らず人間が生み出したあらゆるモノの中でもきわめて傑作なモノに位置づけられることは間違いがない。



そして重要なことはそこに高度な職人の技術があるということである。

寿司がSushi として世界に広がる昨今、その形態だけをとってスシと称し、ついには形態の鮮やかさばかりに目が行くような傾向がある。

単に高級な食材とそのファストフード的な点だけが寿司の魅力だとするなら芸術とはおよそ呼べないだろう。

そもそも寿司は本来、魚と米を発酵させたもの (なれ寿司) であり、それを押すという作業で発酵期間を短くさせたものが押し寿司である。

なれ寿司

これが江戸期に入ると、気の短い江戸っ子のこと、もっと早くつくる ( = 発酵させる) 手段はないものかと考えられるようになる。