白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

―ニラの新ポット栽培への挑戦!―

2015年12月10日 | ニラ栽培

日本各地の食べ物を紹介するNHKの日曜日の朝の番組 うまいッ!”で、先週は産地である高知県香美市のニラが取り上げられて紹介されました。

その高知県のニラ栽培、先のブログ「ニラは栄養価の高い野菜」の中でも触れて、既に日本一の生産量と紹介しましたので、それ以上特に申す事ではありませんが、家庭菜園でニラ栽培に興味をお持ちの方であれば、生産者は一体どんな種類のニラを、どのような方法で、育てて居るのかもう少し知りたい話では無いかと思い、再度取り上げさせて頂きました。

 

―NHKの人気番組”うまいッ”ーより

放映された内容の中では、ニラの産地間の競争もあり、また一般消費者には専門的過ぎて興味外である為に、其の辺の詳しい話には余り触れられなかったのでしょうが、園芸栽培から見れば、最も大切なのは、先ず育てる種類や品種名であり、先のブログの中の玉葱品種の「ソニック」もそうですが、其の土地や気候に適した栽培品種を選んで同じように育てれば、収量でも品質でも桁違いに優れた結果が期待出来るのは確かです。

その高知県香美市で作られている「ニラ」、どんな種類かと言えば、葉幅が広くて肉厚な所謂 ジャイアントガーリックチャイブと呼ばれている典型的なアジア系の改良ニラ品種であると申せます。

 

―番組で紹介された肉厚でシャキシャキ甘いニラーより

扨て、其のニラの原産地と言えば、シベリアからモンゴル地方及び中国北部とされて居ますが、日本へは大変古くから伝わって来ていたようです。

其の名称にしても、「古事記」では加美良(かみら)、「万葉集」では久々美良(くくみら)、「正倉院文書」には彌良(みら)との記載があり、古代においては「みら」と呼ばれていたとあり、院政期頃から不規則な転訛形の「にら」が出現し、それから「ニラ」と呼ばれようになったと「Wikipedia」には有りました。

なにしろ一般にニラと言えば、昔から何処の畑の傍らにも、土止めや境界に列植えされて居るのを良く見掛ける何処にでもある身近な作物でありますが、一般の畑での商用作物として専門的に栽培されるような姿は殆どと言って良い程を見る事が無く、私のような年代の方ならば、それ程利用されては来なかった作物と言う印象が強いのではないでしょうか。

 

―良く見かける畑際に咲いているニラの花―WebImagesより

実は、念願が叶って外房で自家菜園を始めた折に、畑端に植え込むニラが欲しいと種をまいたのですが、情けない事に其の品種を良く調べずに、唯の「広巾ニラ」の種を通販で購入し育てて仕舞い、見れば何だ、昔と殆ど変り映えしない、どこでも見られる在来種と同じ「ニラ」ではないかと満足できず、掘り取って廃棄しようかと思案をして居ったのです。

 そんな折に、運よく隣家の農家から品種名は判りませんが、葉幅が広くて葉肉の厚い「ニラ」の株分けした残りを頂いたのであり、それを作り続けて今年で7年、年間に3-4回程は刈り取って利用してました。

唯、其のニラも何か葉幅が年々狭くなる株疲れが発生し、そろそろ株の更新が必要ではないかと考えて、扨て今度はどんな品種にしたら良いか調べ始めたのです。

 

―欧米の馴染みのハーブ、チャイブの花―WebImagesより

其処で初めて知ったのが、海外ネット情報からの前述のアジア系の「チャイブ」である 「ジャイアントガーリックチャイブ」であり、其の特色は欧米で古くから利用されて来た紫紅色の花の咲くハーブである 「チャイブ」とは異って、その名の通り、ニンニクに近い硫化アリル特有の匂いが顕著な上に、白花の咲く、株分けでも種子でも繁殖できる東洋系の「チャイブ」である「ニラ」であります。

 その「ニラ」に含まれる栄養成分、先のブログでも触れて居ますが、玉葱や長ネギ、ニンニク等と同等以上の大変優れた特色を持ち、同じようなネギ属の欧米でのハーブの「チャイブ」と違い、昔から料理食材としての高い評価を得て居り、優れた品種であれば家庭菜園でも中心的な栽培作物に成って然るべきと思ったのです。

 

―餃子の具には欠かせないニラーWebImagesより

東洋ではニラは野菜食材として長い歴史を持ち、利用面でも巾広い「ガ‐リックチャイブ」の存在、今や食のグローバル化、健康志向と重なって世界的に其の価値が見直されているようにネット上では見受けました。

其の違い、西洋の「チャイブ」はハーブとしての限られた利用面しか無く、香味付けと見た目を良くする飾り付けの脇役ですが、東洋の「ガーリクチャイブ」、栄養的に大変優れて居り、調味を兼ねる大切な料理食材であってその利用面から見れば、昔からの「餃子」の具材から、今や遥かに広がって多くのレシピが生まれています。

 其の品種を追って探して見ると 「ニラ」と一般に呼ばれている「ガ‐リックチャイブ」、昔から其の辺の畑の隅に植えっ放しの古来種のニラとは違い、今では品種改良が進んだ野菜種であり、品質価値も栽培法も格段に進歩して居り、食べての食感の良さ、栄養面での滋味豊かさは格別に優れているのです。

 

―ニラ10束を使ったというニラ盡しの料理WebImagesより

だからこそ、NHKの番組のうまいッ!”で、「ニラ」が取り上げられたと言えば其れまでですが、実は、其の「ガ‐リックチャイブ」、是非とも、新ポット栽培で、自宅のベランダ―や日当たりの良い出窓でも栽培出来ないかと密かに挑戦を始めていたのです。

 それで先ず、栽培品種の選定から始めての種播きですが、何しろ「ニラ」と言えば、従来は畑の隅の植えっ放し状態でも、枯れるような事は無い、雑草並みの丈夫さが取り得とする感覚があり、其れと如何違うのか、先ずはそれから知らなくてはと思ったのです。

 今の「ニラ」は、種を蒔いて立派な刈り取り収穫が出来るようになるには、播種から定植後の育成を含めて一年近く掛かると言い、それだけ長い成長期間を掛けないと、今日の市場に並ぶ秀品率の高いニラは作れないのであり、其れに加え、温度や日照、水分量がコントロールできる施設園芸栽培でなくては、初期成長期間を縮めたり、周年収穫は出来ないと言うのですから並みの事では有りません。

 

―栃木のニラ、生産量は高知の次の第2位です!-WebImagesより

其の上に、年間を通じての収量と品質を一定レベルに保つには、1年毎に「ニラ」の株の更新が必要とされると云い、「ニラ」と言っても昔の様に植えっ放し等では、ニラであってニラにならないのです。

其の替わり、高生産性、高収益の周年栽培が可能にとなり、年間で8回~10回もの刈り取り出荷ができると言いますからこれ亦驚きです。

 

-餃子で広まった栃木のニラ!-WebImagesより

それで思い出したのが、これは今の「施設栽培イチゴ」と同じであり、本来なら多年生の作物であるイチゴを施設栽培で、収穫出来るだけ多く実を生らせては1年で、矢張り使い捨てするのであります。

当世の過労死も厭わない、働ける時間だけ働かせる社会風潮を彷彿させるような作物生産、利潤追求の為なら当然とする考え方の農業技術革新であり、もしやその陰で、不自然な特殊環境の無理がたたって、多発する病虫害を叩くのが、当世で広がる農薬漬け栽培の原点かと思うと、何か空恐ろしいようで、農薬を臆する想いは更に広がります。

 

―スーパーグリーンベルトの種子―

扨て、其の高知県香美市で育てられている品種の7割以上が、「スーパーグリーンベルト」と云う品種名の 「ガ‐リックチャイブ」あり、新ポット栽培の為に、其の種を9月の中旬に、玉葱やフランスからの輸入エシャロットの種子と並べて始めて蒔いて見ました。

 其れが 「スーパーグリーンベルト」の方は、びっくりする程簡単に続々と発芽はしたのですが、その後は温度の関係でしょうか、一向に大きくならないのです。

同時期に撒いた玉葱もエシャロットの方も、葉が30cm以上に伸びて軸も充分太くなり、所定の大きさになったので、既に外房の菜園の本圃に移植済であります。

 

―播種から3カ月になるスーパーグリーンベルトー

調べて見ると秋播きの場合、翌春の3-4月が移植時期と言いますが、其れからのポット栽培で、刈り取り収穫が出来るようになるのは何時の事になるのかと一寸気掛かりです。

結果は果たしてどんな事になるのか、今の育ち具合からは予測のしようも有りませんが、此の「スーパーグリーンベルト」の新ポット養液栽培、其の成否のカギは来春からのポットへの植え替え作業に掛かって居り、またまた新しい課題が増える事になります。その狙いは5号ポットで育て、市販の「ニラ」の一束分を一回に充分刈り取れる収穫量の確保に有ります。

 実生から始めた「スーパーグリーンベルト」が、5号ポット養液栽培でそこまで育ってくれるか見物ですが、野菜栽培マニア老人にとっては、そんな「志」が持てる事が幸せと思って居ります。これぞ当に、“老人よ 大志を抱け!―The aged be ambitious”ですね!

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