白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

―スペイン産ニンニクを植える―

2019年01月10日 | ニンニク

ニンニクを植えると謂っても、ニンニクには色々な種類があり、どんな品種を選ぶかが大切になります。日本で栽培されているニンニクは、先のブログ 「日本のニンニク」の中で触れたように、栽培地の気候や土壌条件への適応性を考慮した品種分化が殆ど進んで居らず、北海道から東北地方にかけて栽培されている寒地性ニンニクと四国や九州などで栽培されている暖地性ニンニクの二つに大きく分かれていだけのように思われます。日本のニンニクの商業生産で、市場性の高い品種として知れわたっているニンニク種と言えば、国内生産量の68%余りを占めている、青森県産の「福地ホワイト六片」種ぐらいです。

 

今般植えたスペインにんにくSpanish Roja-Web Imagesより

残る品種はと言えば、北海道の「富良野」、山形の「最上赤」等の寒地性ニンニク、「上海早生」、「壱州早生]、「沖縄早生」、「遠州早生」などの暖地性ニンニクであり、其れ等の生産量は僅か数%ずつであり、2位の香川、3位の北海道、4位の岩手、5位の宮崎、6位の鹿児島と続くのですが、それぞれの産地ニンニクとしての品種特徴の差別化は殆どされて居りません。

 実は欧米では、ニンニクの中でも最もニンニクらしい品種があり、それがポーセリンガーリックと言われています。青々とした葉柄が高く伸びる豪勢さがあって、球根の肥大性に優れている大型種であり、球根の外皮は名の通り白磁を想わせるような乳白色に1球当りの鱗片数も4-6個と大変大きい大型ニンニクであります。その上に、外皮が簡単に剥けるので料理し易く、市場人気が高いニンニクです。

栽培上では、寒地気候下で良く育つ品種ですが、同時に他に沢山あるハードネックタイプガーリックと比べても、暖地部気候下でも比較的良く育つ性質も持っています。

其れに、ポーセリンガーリックは、ニンニクの特有の薬効成分となる、硫黄化合物のアリシンの含有量が最も高く、貯蔵性に優れ、越年して翌春まで利用が可能であります。

其のポーセリンガーリックに良く似ているニンニクが、福地ホワイト6片種ではないかと思われるのですが、確認できるような情報が無く、世界中ではそうした特徴を持つ優れた品種が色々とあるのです。

 

―ポ-セリンガーリックはニンニクの王者です!―

ニンニクは、何と謂っても有史以前より、原産地とされる中央アジアから、世界各地に伝えられ、様々に異なる気候風土条件下で選別栽培されて来た長い歴史があり、其の間に多くの異なる特徴を持つニンニクが各地で生まれて、それぞれに生き残って今日まで伝わって来たと言われています。

それで、今では世界で栽培されているニンニク品種数は、数百種、或いは1千種も超えるとも言われ、其の数はびっくりする程膨大です。

唯、それらの相違点、外観上の形態の違いであり、球根の形状やその大小、様々に変化する色彩、一球当りの鱗片数や其の持つ香辛成分、貯蔵性等々、その中でもっとも大切な点は、栽培地で異なる気候条件への適応性であります。

それら違いを品種の特徴として組み合わせ行くと、品種数がそれだけ多くなるのも当然の事と頷けます。

其のニンニク栽培、歴史的に見れば、新興国とも言える北米大陸のカナダやアメリカ合衆国では、今や世界中の様々な品種がグルメニンニクとしてマニアの間で園芸栽培される様に成り、種苗会社や小売り業者等から世界中のニンニクの遺伝資源の蒐集とも言える、何百種のニンニクの種球根も入手可能になって居ると言うのです。

ところが、その出生地の異なるニンニク球根を購入して植え付ける事が多くなるにつれ、其れ等の収穫結果の予測が益々付かなくなっていると言います。

言うなれば、他地域から購入した種球根は、カタログに乗せている球根サイズや形状、外皮のカラー等、肝心な品種特徴が発揮されない結果が往々にして起こっているのです。

 

―日本の代表種 福地ホワイト六片―Web画像より

これはニンニクという作物の特徴であり、球根外皮の色彩、 球根サイズ、収量や香辛特性等、其の年の天候条件等で、品種に依って異なる影響を受けやすいと言う事です。

作物は、栽培場所毎で異なる土性や土壌肥沃度、保水性や生育温度、日長や日照量、また栽培管理の習熟度に依って、収穫結果が左右される事は言うまでもありません。

ところが、ニンニクやシャロットのような栄養繁殖に依る種球根から栽培される作物では、生育環境条件への適応性が特に大切であり、栽培地に適応して充分に肥大した品種の前年産の種球根を植え付ける事が、先ずは栽培の前提条件となると言われています。

 依って推奨されるのは、スペイン産ニンニクの種球根として植え付けするなら、先ず以って、最低数年間は栽培を継続し、其の中から栽培地の諸条件に適応させた結果で収穫できるようなった本来持つ遺伝子の力を充分に発揮した種球根作りに専念する事だと言います。

老い先の見えて来た園芸マニアック老人には、これで亦、長生きしを余儀なくされるネタが一つ増える事になりますが、有難くそれを受け止めるのが健康長寿への道(タオ)に他なりません。

 

―欧米では赤ニンニクのグルメ評価は高い!-Web画像より

それでは、植物学的に見たニンニク品種、欧米ではどのような事になっているのでしょうか。

ニンニクの学名は、ご承知のようにAllium Sativumですが、成長後期になると葉鞘中心部から繁殖の為の種子が作られる花茎が伸長するハードネック種と花茎が全く発生しないソフトネック種とがあり、ハードネック種はニンニクの原種とされ、ソフトネック種は、原種であるハードネック種からの栽培過程で選別されて固定された亜種に分類されています。

其れが今世紀に入っての遺伝子解析研究で、ニンニクははっきり分類できる10種の品種グループから進化した事が示されたと言うのです。

その中のはっきり分類できるハードネック種が、パーセリン(Porcelain)、パーブルストライプ(Purple Stripe)、マーベルドパーブルストライプ(MarbledPurple Stripe)、グレイズドパーブルストライプ(Glazed Purple Stripe)、ロカンボール(Rocambole)5種類であります。

続いて、弱い花茎が発生するハードネック種があり、それらがクレオール(Creole)アジアテック(Asiatic)、ターバン(Turban)3種類であります。 そして、ソフトネック種グループ2種、アーティチョーク(Artichoke)とシルバースキン(Silverskin)であり、合計で10種になります。

 以上の10種の品種グループから見て見ると、日本ニンニクの福地ホワイト六片種、其の性質が弱い花茎の発生するタイプのハードネック種であり、どうやら、アジアテック(Asiaticの中の一種に分類できそうです。

尚亦、今般植え付けたスペイン産ニンニク、品種名が、Spanish Roja とありましたから、ハードネック種の中のグループの一種、ロカンボール(Rocambole)種のニンニクと言う事になります。

 扨て、このようなニンニクの品種分類が明らかにされた経緯について語った話が、アメリカのグルメニンニク生産者の通販サイトに有りましたので、意訳で一寸紹介させて頂きます。

 

―アメリカのグルメガーリック生産者―WebImagesより

アメリアで今手に入るほんのひと握りのニンニク種が、過去何世紀にも亘って、ポーランド、ドイツ、イタリア等からの移住者の手によって北米大陸に持ち込まれたものであり,現在のニンニク品種の大部分は、1989年に一揆にアメリカに導入されたものであります。

実はアメリカ農務省は、以前よりソヴィエット連邦国に対し、コーカサス地域に入ってニンニクのルーツとなる作物種を収集する許可を求めて来ましたが、其の都度、当該地域にはミサイル基地等、軍事機密拠点が存在するとの理由から拒否されてきました。

其れが1989年のソ連邦の崩壊を機に、終にアメリカ人のニンニクのルーツ収集の為の入国許可が下りたのです。

現地入った研究者たちは、武装ガードマンの監視の下で、軍事重要施設を見る事が無いように夜間だけの移動の条件で入国が許可されたのです。

彼らは、村から村へとシルクロードに沿って移動しながら、当該地方市場でニンニクを買い集め、購入した町や村ごとに品種名を付けて大量に本国に持ち帰って来たのです。

ところがアメリカに戻って農務省が気付いた事は、この計画が前もっての何年も前から進めて来たにも拘わらず、その集めたニンニク種を直ぐに植え付け出来る場所の手当てが付かず、民間の生産者との間で収穫物を配分ベースで分け合う、委託栽培契約で育てる事にしたのです。

其処で育った収穫作物は、農務省側が其の取り分を持ち去った後、残った部分を委託民間生産者が仲間同士で品種交換取引を始め、又一部を友人や他の栽培業者にも販売したのです。

それが、本来なら、20年或いは30年掛かっても、決して入手できなかったニンニク品種が、如何して簡単に手に入るようになったかの理由であると言うのです。

ガーリックマニア向けの案内書も多い!-WebImagesより

上記の説明は、其れ等のニンニクが如何に希少で高価であるかを物語っていますが、これらのニンニクの生産者たちが、もう少し時間をかけて栽培を継続し、もう一寸多くを育てるようにして居たら、其の供給も大きな潜在需要に追いつくようになっていた筈であると記述しています。

ニンニク愛好家の方々からすれば、この喜ばしい事態を一目みれば、早速試食して見たい思いに駆られたに違いないと言い、以後数年で、グルメニンニク生産者達はより広くこれらのニンニクを育てるようにはなり、其の結果で価額もある程度下がったのですが、其の限りでは、全てのグルメニンニク生産者が、其れ等のニンニクを短期間で売り切る事も無くなりましたと書いています。

 今般、久しく止めて居たニンニクの自家栽培を再開し、植えて見たのが市販のスペイン産ニンニクですが、気になっていたのが、其の品種名や系統でありました。其れで、玉ネギの良く育つ外房菜園で、どんな栽培展開となるかしっかり見守り続ける積りです。

以前に青森県の某ニンニク種球根生産者からネット購入した福地ホワイト6片では、さび病の大発生で苦渋を飲まされたのですが、EUからの輸入品のスペインニンニクの防疫管理を知る、初めての経験となる良い機会と思って居ります。

 尚、申し遅れましたが、実は健康長寿法の試みに昨年の9月から略毎日、ニンニク鱗片を2ヶずつ、ガーリックミルクして飲む自己体験を続けているのですが、選んだのが国内産の青森県産ニンニクでは無く、輸入スペイン産ニンニクを敢えて利用しているのです。

その理由はと言えば使われている農薬にあり、特に日本の産地ニンニクでは、気候風土の違いと連作されることが多いから、農薬でも殺菌剤の使用量がEUでのニンニク栽培と比較したら、桁違いに多い筈であり、毒物である農薬の許容摂取量は、少しでも低くすることに越した事が無いからです。

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