サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

【アルバムレビュー】National P/POLYSICS

2020-05-12 | アルバム感想
                   






1.Mr.ELECTRIC SHOCK!!
2.ピーチパイ・オン・ザ・ビーチ
3.LOOKIN'LOOKIN'GAA
4.SONYさん
5.ワチュワナドゥー
6.ウィーダー
7.アンソロジー
8.SCHIZOID VOW!!
9.がんばれミリンダ
10.カジャカジャグー(with TOO SHY)
11.CARS
12.LED
13.MY ROOM
14.スイッチラブショー






今から16年前の2004年に出たアルバム。
これは自分が高校生の時に聴いて衝撃を受けたアルバムです
まず、タイトルが凄いですよね
「National P」・・・
素直に訳すと国民的なポリシックス、って意味合いなんでしょうか
しかしそのタイトルに反して(?)中身は国民的どころか相当コアなアルバムに仕上がっている、っていう。

どこから語ればいいのか分からないんですけど、
このアルバムの特徴として14曲も入ってる割には36分ほどで終わるって言う、
普通14曲も入ってればいくらPOLYSICSが攻撃的なロックバンドとはいえもうちょっとあってもおかしくないんですけど
要因としては殆どの曲が2~3分くらいのボリューム、かつ、ほぼハイテンポ&ハイテンションな曲で構成されてるので、
イメージとしてはずっと叫び通したまんまが—っと駆け抜けるイメージ、でしょうか
POLYSICSもハードなロックチューンだけってバンドでもなく、
基本的にポップでキャッチーな一面もアルバムでは存分に見せてるバンドだと思うんです
しかし、
本作はそういうポップソングとか、
歌詞の意味合いとかを徹底的に排除して、
とにかくクレイジーなロックナンバーを詰め込みました!って内容で、なんというか、その・・・凄いんですよね(笑



ギーアンFULLっFUー超高温Light
敏感くるっくー 超超超ツライ!! (Mr.ELECTRIC SHOCK!!)



1曲目からしてこれである
基本的にこんな感じの無意味な言葉の羅列が12曲目ぐらいまでほぼノンストップで繰り返される
しかも曲調は殆どがハイテンションでキ〇ガイのようなスピードチューンなので、
完全に頭がいっちゃった人が創る音楽そのものになっていると思う
まあ、
POLYSICS自体元々そんなに言葉や歌詞に重きを置くタイプのバンドではないんですけど、
でも正直他のアルバムと聴き比べても本作ほど無意味じゃないし、
時にバンドの事を歌ったりロックバンドらしく皮肉めいた歌詞を書いたりするわけじゃないですか
そういうのも一切なく、とことんまでクレイジーさに拘って歌詞から意味を全排除している、
それが逆に潔いというか抜けが良いというか、気持ち良いというか、
ある意味・・・
POLYSICSの一番濃ゆい部分捻り出しました!みたいなアルバムになってるんですよね。
実際、自分がミュージシャンだったとして、このアルバム作って親や友人に聴かせる勇気とかはないっす(笑
だからこそ本作は物凄いというか、誰にも作れない類の大傑作にいつ聴いても感じるんですよね。

また、殆どがスピードチューン、攻撃的なロック~という風に書きましたけど、
意外と全体的にバランスが取れてるというか、
1~3曲目まで攻めて攻めて攻めまくって4曲目でちょっとテンポダウン、
そこからまたハイテンションなロックチューンを連発、
したら「がんばれミリンダ」みたいなちょっと歌ものっぽい曲があったり、
「LED」のようなオルタナティブ色が強いナンバーや、
13曲目でようやくバラードに辿り着いたり(!)、
最後の曲のサビの部分だけは王道のポップチューンだったり・・・
こうやって改めて聴いてみると全体的なテンポ感や緩急、バラエティに富んだソングライティング・・・など
自分が思ってた以上によく出て来てて作家性も強くて抜け目のないアルバムだな~って感じました
それでいてちゃんと統一感もあるのでロックにクレイジーさを求める人はドツボにハマるアルバムだと思う
よしんばそうでないとしても、この突き抜けるような爽快感と狂気は是非味わって欲しい。。
とは、純粋に思います
俺個人的に最もPOLYSICSの音楽性を、格好良さをパッケージに残してるのが本作のように感じるんですよね
先述の通り意味のある歌詞ってほぼゼロと言って良いくらい無いイカれたアルバムですが、
だからこそ深読みし放題だし自分の感性で捉え放題ってメリットもあります

ま、自分はこういうポピュラリティとは一線を置いたハードコアな音楽も大好きなんで、
平気で大絶賛してますけど(笑
ただ、以前TVで「ピーチパイ・オン・ザ・ビーチ」のPVが流れた時に、
自分以外の家族が酷評した事も付け加えておきます笑
でも、
それもまたロックですよね。
それがまたロックですよね。







好きな曲はかなり迷いました
自分で決めといて何ですが、3曲ってのは少ないですね・・・(苦笑
正直これまた気がふれたんじゃないか、って思う位狂ってる「LOOKIN'LOOKIN'GAA」(タイトルの意味も分からん)、
唯一のバラッドでありだからこそ聴いてて感動があった「MY ROOM」、
何気にこんなアルバムをきっちり総括出来ているポップチューン「スイッチラブショー」も赤字にしたかった・・・
「ワチュワナドゥー」「ウィーダー」も良い具合に全力でバカやってて大好きですね(笑

選んだ3曲は、
「ピーチパイ・オン・ザ・ピーチ」は・・・
本気で頭がいっちゃったの?としか思えない超ハイテンションなロックンロール
この曲の凄いところは攻撃的なロックナンバーでありながら歌詞に意味性を一切感じさせない、
無意味なフレーズ「だけ」で聴いてるこっちをイカせてしまうあまりのクレイジーっぷりですね
ロックバンドがシャウト、ハードなロックを歌うと大抵皮肉的要素が入るんですけど、
この曲はマジでそういうのすら無いのがガチっぷりを感じさせてスゴイ
この曲に関しては高校生の時から発明だと思ってました・・・!
ある意味天才としか思えない一曲
ですが、
人によっては「単なる雑音」でしょう(笑 でもそれが最高なんだな。。

「がんばれミリンダ」はこのアルバムの中では「ちゃんとメロディがある」方ですね
歌詞はホント意味とかない風に聴こえますけど、時折「今日も生きている」とかいう言葉が入って来るのが好きです
この曲は高校生の時のバスの移動時にウォークマンでよく聴いてた思い出があって結構懐かしくもある一曲です。
またカヨちゃんの振り絞ったような歌声が可愛くてそういう意味合いでもおススメしたいですね。

「LED」は、
聴けばわかるけど、
完全にNUMBER GIRLですね(笑
もうイントロからしてナンバーガールっぽいです
でもメロとか歌詞の感じはちゃんとポリシックスになっててそこがまたスゴいというか、
オマージュっぽいんだけどPOLYSICSの曲だとも感じる・・・っていう不思議な魅力があって昔から大好きな一曲。
アレンジも兎角気持ちが良いのでこの曲も特にチェックしてもらいたい曲の一つ、、、ですね。







本作がセールス的に(それまででも一番)大不振だった影響で、
ここからの反骨精神でその後POLYSICSもしっかりと売れて武道館ライブとかもするんですが(観に行きました)、
それでも未だに自分はPOLYSICSでこのアルバムのエネルギーを超える作品は無いって思ってます
それぐらいの傑作だと今聴いても感じますね。兎角、聴いててスカッとする作品です。