サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

【アルバムレビュー】Thinking Out Loud/BONNIE PINK

2020-05-01 | アルバム感想
                    








1.Gimme A Beat
2.Broken hearts,city lights and me just thinking out loud
3.Burning Inside
4.慰みブルー
5.Imagination
6.A Perfect Sky(Philharmonic Flava)
7.Lullaby
8.坂道
9.Water Me
10.Catch the Sun
11.Chances Are
12.Anything For You







これは2007年、
今から13年前に出たアルバムです
最近毎週アルバムレビュー書いてますけど、
取り上げてる中では比較的新しいアルバム・・・じゃないですかね
っていうかこの作品が13年前って事が信じられないですよ
せいぜい6~7年前なら(体感的に)納得したんですが。。

ま。「納得したんですが」も何も、
CDの裏見れば「2007」と書いてあるんでどう足掻いても納得せざるを得ないんですが(笑
個人的にはそんなに前だっけ。。と強く感じてしまうのが本音ですね。


自分、
結構好きなバンドとか歌手居ますけど、
日本のミュージシャンの中で最も「良い感じ」の曲を作ってる/作れるのは誰か?ってなったら
かなり真っ先にボニーピンクが浮かびます
「良い感じ」というのは、
もっと詳しく説明するとその前に「誰が聴いても」とか「人を選ばない形で」という枕詞が付きます
その上で、「良い」だけでもなく、「感じ」も付くのがミソです
「良い曲」を作ってるだけなら他にも沢山います
けど、
「良い感じの」ってなるとイメージ的にはそこに雰囲気とかも加わるんですよね
そうなってくると日本でトップクラスに居るのはボニーピンクかな~って思うんですよね
まず、バンドじゃなくソロシンガーってとこも馴染みやすいし入りやすいですしね。

それに加えて、
ボニーピンクにはあんまり女性女性してないニュートラルなセンスと
どの曲を聴いてもナチュラルに感じるという余計な主張の少なさが光っています
我を出すのはある意味イージーだと思うんですが、
こういう・・・
J-POPファンにも
うるさ型の音楽マニアにも、
両方にスッと届けられる音楽って実は物凄いと思うんですよ
聴くのに余計なプレッシャーとか気分によって左右されるようなものが無く、
かつしっかりとした音楽的センスによる奥深さもある、、、と考えると、
やっぱり ボニーピンクって凄い歌手だな、って感じます
兎角、
純粋に良い音楽が聴きたい。そういう気持ちに真っ向から応えてくれるシンガーじゃないでしょうか。




取るに足らない小さい事も
手に負えない大きな事も
成るようにしか成らないのさ
明日を夢見る為に眠ろう (Lullaby)




で、
本作をチョイスしたのは、
この数日間色々なアルバムを聴いてて、
どれを取り上げるか結構迷ってたんですが、
聴き込んだ結果このアルバムが好きだなあ。ってなったのと、
後は一番のヒット曲が入ってるので知名度的にも良いんじゃないかと(笑
入り口にはね・・・と、書きつつ、
その曲をお気に入りの3曲に入れてないのがまた自分らしいですね(勿論大好きです)。
ただ、本作は全体的にどの曲も素晴らしく、捨て曲がなく、どこを切っても良いって類のアルバムなので
必然的に好きな3曲も色々選びたくなるというか・・・多分人によっても違うでしょうね。

そう、
この作品はボニーピンク史上最も売れてる(?)時に出た作品なのにも関わらず
(まーシングルヒットが少なかっただけで正直90年代の頃からアルバムは売れてたと思うんですけどね)、
内容が結構野心的というか、
引き出しが多いというか、
ポップな曲と攻めてる曲のバランスが良くてそういう意味でも素晴らしいと思うんですよね
ちょうどよくキャッチーな曲とディープな曲が詰まっている、というか。
そういう性質なのもあって、
一番のヒット曲が入ってる~という事実以上に、
ボニーピンクの凄さと良さが伝わりやすい名盤に仕上がってるなと思うんです
それと同時に、ロックシンガーとしてのボニーピンクの魅力もよく伝わる一枚になっている、かと。




Blue Blue 辺りはブルー
求める事は罪ですか? (慰みブルー)




全体としては、
小気味良いポップチューン「Gimme A Beat」から始まって、
クールなロックンロール「Broken hearts,city lights and me just thinking out loud」と繋ぐ序盤の流れからして格好良い
そこからこれまたナチュラルなメロディラインが気持ち良い感情移入もし易い「Burning Inside」と完璧な流れ
4曲目の「慰みブルー」から一気にコアな音像に向かってくのも刺激的でゾクゾクする
そこからバッキバキのロックアンセム「Imagination」とこの辺は序盤と比べるとかなり変化していて面白い
6曲目にボニーピンク最大のヒット曲「A Perfect Sky」がアルバムバージョンで入ってます
2曲続けて多少マニアックな曲が続いた後にこの配置は上手いですね
シングルと違って最初はオーケストラ風ですが後々ポップに弾けるのでこのバージョンも正直かなり好き
優しく響く「Lullaby」の音色、
そこから挑発的なロックンロール「坂道」とやはりジャンルの幅広さを感じる
シングルにもなった感動的なバラッド「Water Me」は本当はお気に入りの3曲に入れたかったくらい好きな曲
丁寧なメロディラインに神々しいアレンジが付けられていて聴いてると物凄く気分が高揚します
高揚するというか、気持ち癒される感じもして・・・どっちもある感じですかね
「Catch the Sun」も晴れた日の朝に似合いそうな本当に良い曲、爽やかなポップソングに仕上がっていて、
最後の最後までちゃんと良い曲を詰め込んでいる抜かりの無さが光っています
また、こういう明るさ全振りの曲がここまで無いのもこの曲の良さを引き立ててると感じます
この曲もシングルカット行けたんじゃないかな~って下世話な感想を抱きつつ(笑
貴重なバラッド「Chances Are」もハイクオリティかつ沁みるような一曲、
ラストはシングル曲でもあった「Anything For You」ですが、
この配置も曲の良さを感じるのを手伝ってるのかシングルでラジオとかで聴いてた時よりも素晴らしく思える
元々ポップでキャッチーな曲だと思うんですが不思議とラストで鳴らされるのにも違和感が無い、という
むしろ包み込んでくれる新しい感触さえする・・・
そんなボニーピンク・マジックも感じる締めになっててそこもまた好きな部分ですね。

そう、
このアルバムは、
ナチュラルでポップなグッド・ミュージックも、
内省的でディープなバラッドやロック・ミュージックも、
シンプルだからこそ突き刺さる美しいアンセムも、
そしてポストロックもヒット曲も入ってる、
色々な意味合いで音楽の文字通りの楽しさが詰まってる過不足の無いアルバムに思えるんです
その上でボニーピンク独自のフラットで気持ち良いセンスが前提としてあるわけですから、
そりゃもう間違いないよね!っていうか。自信を持って推したい作品です。





人はあれこれ言いたがるじゃない?
人はそのくせ無責任じゃない? (Burning Inside)




個人的に好きな曲は、
メロディもアレンジも歌も兎に角「気持ち良い」、
ボニーピンクの良いトコが凝縮されてるとすら思える「Gimme A Beat」、
それと、
「Anything For You」は凄くナチュラルに、
かつ人間の根源的な欲求をストレートに歌詞に出していて、
でもそれがスッと入って来るセンスも含めて大好きな一曲
この曲はアルバムでより化けてる気がしますが・・・
多少オルタナっぽいギターの音色を聴いてるだけでも堪らない楽曲です。

一番好きな曲は迷うんですが、
歌詞的に言えば「Burning Inside」なんですよね
この曲は歌詞だけではなくこれまためちゃくちゃナチュラリーなメロディの時点で大好きなんですけど、
歌詞の方も男女問わず人間なら誰しも抱えてる野心・・・つまり「Burning Inside」の事を歌っていて、
そういうテーマの歌詞って振り返ればあるようでなかった風にも思うんです
この曲を聴く度、
自分の中で、
自分の中に、
燻ったまま欲望を叫び続けてる、
または何かに成りたい。ともがき続けてる、
そんな燃えるような想い・・・が刺激される気がするんです
しかもそれをごく自然かつポップに聴かせられるセンスにも痺れる、
そこまでシングル向けでない分アルバム曲として最高に輝いている大好きな楽曲です

もう一曲選ぶとしたら「Water Me」ですが・・・
まあしかし本当粒揃いの作品ですよね(笑
うん、
それに尽きるわ。








最近、
久々にボニーピンク聴きたい欲が高まってるので、
もっと過去のアルバムとかも逆にこれ以降の作品も聴きたいですね
また、新緑の季節にも似合う音楽だとも思いました。
個人的に改めて注目したい歌手と感じます。