猫のやぶにらみ

こよなく猫にあこがれる中年オヤジのブログです

ピアソラ

2005-03-13 | 音楽
アストル・ピアソラのCD「タンゴ:ゼロ・アワー」を聴いた。すごく良かったのでご紹介します。

アルゼンチン・タンンゴの奇才と言われるピアソラのCDを買ったのはもちろん初めてだし、このジャンルのもの自体、初めてだ。特に予備知識も期待もなく、奥さんに頼まれて手に入れたものを聴いただけ。タンゴね、ま、BGMにはいいんじゃない、という程度で聴いてみた。

ピアソラの奏でるバンドネオンの音色が好きだ。哀しみと喜びが交互に織りなすようにからみあい、光と影が際立つ。地球の裏側、遠い、遠いアルゼンチンの音楽なのに、なぜか懐かしい。不思議な音色だ。

告白するのだが、これはアコーデオンだと思っていた。あの横森良三さんの福々しい笑顔をふと思い出したりして・・・。バンドネオンとアコーデオンは別の楽器だったんですね。

タンゴの革命児アストル・ピアソラから引用>
「バンドネオンという楽器は,アコーデオンと同じような構造の,空気を送り込んで笛のように穴から音を出す楽器である。この構造はそのままオルガンにも当てはまる。つまり,アコーデオンもバンドネオンも基本的には携帯版オルガンなのだ。ただし,バンドネオンはアコーデオンのように規則的に鍵盤が並んでいない。あるのは一見バラバラに配置されたような30個ばかりのボタンだけだ。
 しかも,このボタンは右と左の両方に同じ数配置され,蛇腹を押したときと引いたときで違う音が出るようになっている。つまり,左右押し引きで4種類のボタンの配置を覚えなくてはならないのだ。これはかなり厄介な作業である。ちなみに音は左の方が低音域で,右の方が高温域である。要するにピアノと同じように,左手で低音を奏で,右手で高温を奏でるというわけだ。通常は左手の低音域でコード(和音)を弾き,右手の高音域でメロディーを奏でることになる。
 このような構造のバンドネオンなのだが,その複雑さゆえに弾きこなせるようになるとかなり表現力豊かな楽器となる。左右10本の指をフルに使用すれば最高10までの和音が出せ,しかも音域も実に幅広い。オルガンのように足までは使えないが,蛇腹の使い方で音の強弱やアクセントの付け方も自由に行える。これはもう本当に携帯版のオルガンを越えたすごい可能性を秘めた楽器なのである。」
<引用終わり>

恐れ入りました。すごい楽器だったんですね、バンドネオン。このように知識のない私にはこのCDの良さを言葉で説明することができません。お勧めの一枚です、とだけ書いておきます。