昨日、アカデミー賞(ドキュメンタリー賞)を受賞した、話題の映画、「不都合な真実」を、先週、観てきました。
この映画は、アメリカの元副大統領アル・ゴアが、全米を中心に世界各地で1000回を超えるスライド・プレゼンテーションを行いながら地道に訴えてきた、地球温暖化問題についてのドキュメンタリー映画です。
アル・ゴアといえば・・・
・クリントン政権の8年間、副大統領として実績を積む。
・「情報ハイウェイ構想」など、インターネットやIT産業の重要性にいち早く気づいていた数少ない政治家
・環境問題への取り組みをライフワークとする
・優秀だがエリート臭い、まじめで堅物すぎると評され、クリントンやブッシュに比べて、庶民的人気に欠ける。
・2000年の大統領選挙では、ジョージ・ブッシュに対し、一般得票総数では上回ったものの、ブッシュの実弟が知事をつとめるフロリダ州での開票問題が泥沼化し、結果としては敗北
・多くの支持者の期待にもかかわらず、2004年の大統領選挙には出馬せず
とうことで、アル・ゴアは、2000年の大統領選挙に敗れて以降は、ビジネスの世界に没入するわけでもなく、元副大統領という肩書きのまま、政治的には浪人生活としか言いようのない立場で、こつこつと地道に、地球温暖化の危機を訴えて、全米を、世界を行脚してきました。
この映画は、こうしたゴアの訴えに接して心を打たれた人々の努力と情熱によって製作されたドキュメンタリー映画です。
「温暖化によって引き起こされる数々の問題に心を痛めた彼(アル・ゴア)は、人々の意識改革に乗り出すべく、環境問題に関するスライド講演を世界中で開き、地球と人類の危機を訴えてきた。そして、その真摯で、ユーモラスな語り口に共感した製作者が、彼を主人公にした映画の製作を決意。現代人にとって耳の痛い問題を正面から描き、見る人すべてに大きな衝撃と感動を与えるヒューマン・ドキュメンタリーの誕生となった。」
さて、内容は観てのお楽しみということにしておいて、私の感想を・・・
私は、政治家アル・ゴアのファンである。2004年の大統領選に出馬してブッシュを破って欲しかったし、2008年も、是非挑戦して欲しいと思っている。
このような立場からこの映画を観れば、彼は「やる気」だと希望的観測をもったとしてもおかしくないだろう。
地球温暖化問題の深刻さをこれだけ鮮やかに描いてみせるプレゼン能力はさすがだ。しかし、この際それは重要ではない。政治家ゴアを批判するにしても、彼の能力を槍玉に挙げる人はいないのだから。
問題は彼のエリート臭さであり、能力ゆえの傲岸不遜さであり、庶民的でないところだ。要するに優等生過ぎて人気に欠ける点であったのだ。
そしてこの映画は、まさにそうしたゴアの弱点に対して一つ一つ手を打った作品に仕上げてある。
プレゼンの合間に挿入された、彼の人となりを紹介するいくつかのエピソードは、彼のイメージを再構築するために選りすぐられたものに違いない。たった一人で、キャリーバッグを転がしながら空港から空港へと旅を続けるゴアの後姿は、孤独なエバンジェリスト(伝道師)の姿であって、白人のエリート、エスタブリッシュメントの一員というイメージを打ち消す効果を狙ったものだろう。
昨年、米国で公開されたこの映画は大きな反響を呼んだ。ドキュメンタリー映画としては歴代3位の興行成績を記録し、アカデミー賞を獲得した。公開のタイミングもきちんと計算されている。2008年の大統領選挙に向けて、ゴアはついに確固とした一歩を踏み出した、と考えたい。
現時点での民主党の有力大統領候補はヒラリーとオバマの両上院議員。どちらも、米国史上初の「白人男性でない」大統領を目指している。
そこに、ちゃきちゃきの「白人男性」ゴアが手を挙げるのか、挙げないのか・・・。アカデミー賞授賞式後のインタビューに応えて、ゴアはいつものように、はっきりと大統領選への出馬の意思のないことを明言している。そしてこれもいつものことだが、多くの支持者はそれを信じようとしないし、少なからぬ識者も可能性はあるという見方を変えない。
本人がどれほど否定しようとも、この映画は、ゴアとゴアの支持者による、大統領選挙出馬のための布石である。少なくともそうみなされることを承知の上で世に問うた作品である。
映画は成功した。ゴアへの期待はいやでも高まる。
米国大統領選挙という世界最大の公開権力闘争に、自ら再び身を投じるガッツがゴアに無いとすれば、それこそが、この映画を観て心打たれた多くの人々にとっての不都合な真実であろう。

「ホンダレーシングF1チームは26日、青を基調に「地球」をイメージした07年レース用マシンのデザインを発表した。これまでは、たばこ会社などスポンサー企業のロゴを大々的にデザインすることが多かったが、環境保護を訴えようと、初めてロゴの露出を抑えた」
この映画は、アメリカの元副大統領アル・ゴアが、全米を中心に世界各地で1000回を超えるスライド・プレゼンテーションを行いながら地道に訴えてきた、地球温暖化問題についてのドキュメンタリー映画です。
アル・ゴアといえば・・・
・クリントン政権の8年間、副大統領として実績を積む。
・「情報ハイウェイ構想」など、インターネットやIT産業の重要性にいち早く気づいていた数少ない政治家
・環境問題への取り組みをライフワークとする
・優秀だがエリート臭い、まじめで堅物すぎると評され、クリントンやブッシュに比べて、庶民的人気に欠ける。
・2000年の大統領選挙では、ジョージ・ブッシュに対し、一般得票総数では上回ったものの、ブッシュの実弟が知事をつとめるフロリダ州での開票問題が泥沼化し、結果としては敗北
・多くの支持者の期待にもかかわらず、2004年の大統領選挙には出馬せず
とうことで、アル・ゴアは、2000年の大統領選挙に敗れて以降は、ビジネスの世界に没入するわけでもなく、元副大統領という肩書きのまま、政治的には浪人生活としか言いようのない立場で、こつこつと地道に、地球温暖化の危機を訴えて、全米を、世界を行脚してきました。
この映画は、こうしたゴアの訴えに接して心を打たれた人々の努力と情熱によって製作されたドキュメンタリー映画です。
「温暖化によって引き起こされる数々の問題に心を痛めた彼(アル・ゴア)は、人々の意識改革に乗り出すべく、環境問題に関するスライド講演を世界中で開き、地球と人類の危機を訴えてきた。そして、その真摯で、ユーモラスな語り口に共感した製作者が、彼を主人公にした映画の製作を決意。現代人にとって耳の痛い問題を正面から描き、見る人すべてに大きな衝撃と感動を与えるヒューマン・ドキュメンタリーの誕生となった。」
さて、内容は観てのお楽しみということにしておいて、私の感想を・・・
私は、政治家アル・ゴアのファンである。2004年の大統領選に出馬してブッシュを破って欲しかったし、2008年も、是非挑戦して欲しいと思っている。
このような立場からこの映画を観れば、彼は「やる気」だと希望的観測をもったとしてもおかしくないだろう。
地球温暖化問題の深刻さをこれだけ鮮やかに描いてみせるプレゼン能力はさすがだ。しかし、この際それは重要ではない。政治家ゴアを批判するにしても、彼の能力を槍玉に挙げる人はいないのだから。
問題は彼のエリート臭さであり、能力ゆえの傲岸不遜さであり、庶民的でないところだ。要するに優等生過ぎて人気に欠ける点であったのだ。
そしてこの映画は、まさにそうしたゴアの弱点に対して一つ一つ手を打った作品に仕上げてある。
プレゼンの合間に挿入された、彼の人となりを紹介するいくつかのエピソードは、彼のイメージを再構築するために選りすぐられたものに違いない。たった一人で、キャリーバッグを転がしながら空港から空港へと旅を続けるゴアの後姿は、孤独なエバンジェリスト(伝道師)の姿であって、白人のエリート、エスタブリッシュメントの一員というイメージを打ち消す効果を狙ったものだろう。
昨年、米国で公開されたこの映画は大きな反響を呼んだ。ドキュメンタリー映画としては歴代3位の興行成績を記録し、アカデミー賞を獲得した。公開のタイミングもきちんと計算されている。2008年の大統領選挙に向けて、ゴアはついに確固とした一歩を踏み出した、と考えたい。
現時点での民主党の有力大統領候補はヒラリーとオバマの両上院議員。どちらも、米国史上初の「白人男性でない」大統領を目指している。
そこに、ちゃきちゃきの「白人男性」ゴアが手を挙げるのか、挙げないのか・・・。アカデミー賞授賞式後のインタビューに応えて、ゴアはいつものように、はっきりと大統領選への出馬の意思のないことを明言している。そしてこれもいつものことだが、多くの支持者はそれを信じようとしないし、少なからぬ識者も可能性はあるという見方を変えない。
本人がどれほど否定しようとも、この映画は、ゴアとゴアの支持者による、大統領選挙出馬のための布石である。少なくともそうみなされることを承知の上で世に問うた作品である。
映画は成功した。ゴアへの期待はいやでも高まる。
米国大統領選挙という世界最大の公開権力闘争に、自ら再び身を投じるガッツがゴアに無いとすれば、それこそが、この映画を観て心打たれた多くの人々にとっての不都合な真実であろう。

「ホンダレーシングF1チームは26日、青を基調に「地球」をイメージした07年レース用マシンのデザインを発表した。これまでは、たばこ会社などスポンサー企業のロゴを大々的にデザインすることが多かったが、環境保護を訴えようと、初めてロゴの露出を抑えた」