goo blog サービス終了のお知らせ 

猫のやぶにらみ

こよなく猫にあこがれる中年オヤジのブログです

ジョン・ルイスのバッハ

2005-06-19 | 音楽
私のお気に入りCDを一枚ご紹介いたしましょう。ジャズピアノの巨匠ジョン・ルイスが弾くバッハ、プレリュードとフーガ Vol.1です。

とてもまろやかなタッチで、心安らかに身をゆだねることができます。アドリブも自然でゆったりスイング。深夜、疲れた身体を休めながらグラス片手に聴くとよいでしょう。

ピアノでバッハといえばもちろんグールドだと思いますが、全く異質の魅力にあふれるジョン・ルイスのバッハも私は大好きです。是非一度お試し下さい。

「ねこにふまれちゃった」

2005-06-09 | 音楽
「ねこふんじゃった」といえば、誰でも知ってる軽快で楽しい猫ソングだ。「小学校の頃、ピアノを習ってた」ことの証しとして、多くの善男善女が嬉々として弾いてみせるピアノ曲としても有名だ。途中で左右の腕をクロスさせるあたりになると、もう、有頂天。とっても幸せそうなおじさんやおばさんを、あなたもきっと何人かはご存知だろう。

もっともこの歌の歌詞についてはいささか問題ありと言わざるを得ない。「ねこふんづけちゃったらないちゃった」という無神経な歌詞に胸を痛める猫飼いは多い。猫を飼わない人から「それで、やっぱりふんづけてみたりするわけ?」などと冷ややかに詰問されたことのある猫飼いも少なくあるまい。ちょっと待って欲しい。実態は逆だ、と言いたい。「ねこをふんづける」よりも「ねこにふんづけられる」ことの方が、実は圧倒的に多いのだ!

小さな子供がいる家庭ならいざ知らず、子供も成長し、その親も「何事につけ、一歩を踏み出すことに慎重になる年頃」であれば、猫はまず踏まれない。昨今のように「コンパニオンアニマル」だとか、「ペットは人生の良き伴侶」であるなどという風潮が高まると、なおさらだ。飼い主は猫をふんだり、下敷きにしたりしないように細心の注意を払う。

小走りで寝室に入って、そのまま両手両足を広げてベッドにジャンプして倒れこむという、あの爽快な「大の字ダイブ」・・・。これは猫飼いの家では不可能だ。まず、猫が掛け布団の下に潜り込んでいないかどうかチェックしないといけない。そして大丈夫と分かれば後ずさりして助走をつけて・・・これでは面白くない!馬鹿みたいである。

このように飼い主が気を使っているのと反比例するように、猫の態度は大きくなる(ように見える)。A点からB点へ移動するのに、わざわざC点にいる飼い主をふんづけて移動する。「おっ、抱かれにきたのか」と一瞬思うが、そうではない。わざわざふんづけといて、向こうへ行くのだ。夜寝ている時に、時々、我々の寝室から「あうっ!」とか「ぐぇっ!」とか聞こえてくるのもまさにこのせいだ。決して他の理由によるものではないということを断っておく。

このように実社会においては、人が猫をふむ、ということよりは、猫が人をふむ、ということの方が頻発しているのだから、そのことを嘆くなり、喜ぶなり(人によっては!?)した新しい歌詞の登場を期待してやまない。「ねこふんじゃった」に対して「ねこにふまれちゃった」というタイトルで、より実態に即した楽しい猫の歌を、堂々発表して欲しいものだ。関係各位の努力に大いに期待したい。

怒涛のアジアン・ジプシー

2005-05-16 | 音楽
黄金井脩(こがねい・おさむ)さんのソロギターコンサートに行ってきました。

三味線とフラメンコギターを足して2で割ったような、不思議な奏法に独特のハスキーな歌声。「白い骨」などのオリジナル曲を中心に、美空ひばり、イーグルス、東北民謡にケ・セラ・セラ、など織り交ぜて楽しませてくれました。(昭和ブルースには泣けたぜ!)

立派な能楽堂の能舞台で一人ギターをかき鳴らし、魂の叫びのような歌声を張り上げる姿は感動的でした。次に何が飛び出すのかわからない黄金井ワールドへの特急電車に乗った2時間でした。

中学生の頃から銀座で「流し」を始め、ギター一本抱えて世界を放浪した筋金入りのアジアン・ジプシー黄金井さん。お近くでライブの機会があれば是非足を運ばれることをおすすめします。

公式HP
プロフィール

フラメンコ・アフリカンドラム・ベリーダンス、そして「お能」を一夜にして楽しんだのだ

2005-03-19 | 音楽
久しぶりに東京へ行ってきました。飛行機はマイレッジを利用して、お宿は弟夫婦の住まいにやっかいになる、という節約旅行です。前にも紹介した、ユニークな出版記念イベントにも顔を出してきました。これが実に面白かったのでご紹介いたします。

場所は表参道のアニヴェルセル。もちろん初めて行ったのですが、東京ならではの「おしゃれ」なお店が詰まった空間ですね。一階のオープンカフェでコーヒーを飲もうと思ったのですが、一杯1000円近くもするのでやめにしときました(笑)。

出し物の最初はフラメンコ。高関テラの踊りに池川兄弟のギター、しかしなんと言っても沓掛和子の声量豊かなハスキーボイスによる歌が素晴らしかったです。

続いて圧巻だったのは、岩原大輔奈良大介・橋本肇による圧倒的なアフリカの太鼓(ドラム)演奏です。これは衝撃的でした。こういうのは初めてだったのですが、最高です。はじまった途端に頭の中が空っぽになります。おなかの底の方がドラムのビートに感応して、会場のみんなが揺れる、弾む。ストレスなんか一発で吹っ飛びます。

ビュッフェスタイルで美味しい地中海料理を楽しみながらの上演だったのですが、思わずフォークを持つ手を止めて見入ってしまったのが、ベリーダンスです。カナリの妖艶な踊りに食事ものどを通りませんでした。

そして最後はお能です。梅若晋矢、大鼓、小鼓、地謡の総勢7名による舞囃子。お能なんてそんなに観る機会ないですよね。何がなんだかさっぱりわからない、という印象だけもっていたのですが、今回は初めて「おっ、すっごい、いいじゃん」と見直しました。お能と聞いた時に生じる一切の先入観を捨てて、フラメンコやアフリカンドラム、ベリーダンスなどと同列に、世界の民俗芸能の一つとして観れば、すっと入れるんですね。しかもそうやって並べてみるとこれはやはり恐ろしくレベルが高い、洗練されたパフォーマンスだということが分かったのです。

熱気に包まれたとても楽しい一夜を過ごすことが出来ました。

ピアソラ

2005-03-13 | 音楽
アストル・ピアソラのCD「タンゴ:ゼロ・アワー」を聴いた。すごく良かったのでご紹介します。

アルゼンチン・タンンゴの奇才と言われるピアソラのCDを買ったのはもちろん初めてだし、このジャンルのもの自体、初めてだ。特に予備知識も期待もなく、奥さんに頼まれて手に入れたものを聴いただけ。タンゴね、ま、BGMにはいいんじゃない、という程度で聴いてみた。

ピアソラの奏でるバンドネオンの音色が好きだ。哀しみと喜びが交互に織りなすようにからみあい、光と影が際立つ。地球の裏側、遠い、遠いアルゼンチンの音楽なのに、なぜか懐かしい。不思議な音色だ。

告白するのだが、これはアコーデオンだと思っていた。あの横森良三さんの福々しい笑顔をふと思い出したりして・・・。バンドネオンとアコーデオンは別の楽器だったんですね。

タンゴの革命児アストル・ピアソラから引用>
「バンドネオンという楽器は,アコーデオンと同じような構造の,空気を送り込んで笛のように穴から音を出す楽器である。この構造はそのままオルガンにも当てはまる。つまり,アコーデオンもバンドネオンも基本的には携帯版オルガンなのだ。ただし,バンドネオンはアコーデオンのように規則的に鍵盤が並んでいない。あるのは一見バラバラに配置されたような30個ばかりのボタンだけだ。
 しかも,このボタンは右と左の両方に同じ数配置され,蛇腹を押したときと引いたときで違う音が出るようになっている。つまり,左右押し引きで4種類のボタンの配置を覚えなくてはならないのだ。これはかなり厄介な作業である。ちなみに音は左の方が低音域で,右の方が高温域である。要するにピアノと同じように,左手で低音を奏で,右手で高温を奏でるというわけだ。通常は左手の低音域でコード(和音)を弾き,右手の高音域でメロディーを奏でることになる。
 このような構造のバンドネオンなのだが,その複雑さゆえに弾きこなせるようになるとかなり表現力豊かな楽器となる。左右10本の指をフルに使用すれば最高10までの和音が出せ,しかも音域も実に幅広い。オルガンのように足までは使えないが,蛇腹の使い方で音の強弱やアクセントの付け方も自由に行える。これはもう本当に携帯版のオルガンを越えたすごい可能性を秘めた楽器なのである。」
<引用終わり>

恐れ入りました。すごい楽器だったんですね、バンドネオン。このように知識のない私にはこのCDの良さを言葉で説明することができません。お勧めの一枚です、とだけ書いておきます。

リスニング・ルーム

2005-02-03 | 音楽
昨晩、お世話になっている「先生」にお招きを受けてご自宅のリスニング・ルームを拝見させていただきました。それはもう、すっごかったですよ。まずは、部屋の入り口のドアの厚さにびっくりしました。

私はオーディオは少しは興味を持っている方なのですが、全くの別世界でした。スピーカーはタンノイのウェストミンスターが鎮座しておりました。重さ138kgという大物です。まぁ、システム構成についてはあえてこれ以上報告いたしませんけど、やはり一番大事なのは「部屋そのもの」だと痛感させられました。

贅沢な広さ、天井の高さ、そして音響効果を追求した設計と建材・・・。部屋作り(というか家作り)に比べればシステムにかけるお金なんて大したことないってことなんだろなーと思いました。

で、どうだったかって? 目の前でオーケストラが演奏を始めたのでびっくりしました。

ピアノ部屋はネコ禁

2005-01-24 | 音楽
昨日は奥さんによるピアノコンサートの日だった。無事終わってほっとしている。予想を上回る大勢の皆様にお越しいただくことができて、人集め担当としては大変ありがたいことであった。シューマンのクライスレリアーナは名曲ですね。

うちの奥さんはピアノが好きで、いい歳になった現在でも精進を怠らない。何時間も閉じこもってピアノの練習をする姿には感心する。昨日のような本番の予定が入ると、二ヶ月ほど前から臨戦態勢に突入するので、家事が滞る。私が料理自慢なのは理由があってのことである。

彼女が閉じこもるピアノ部屋はネコ禁部屋である。以前は中に入れてあげたこともあったのだが、調律師さんがピアノ内部から大量のネコの毛を発見して「厳禁です」と言い渡して以来、ネコ禁になっている。

はちわれにゃんこの○○ちゃんはピアノ好きで、奥さんの正面、譜面台の横に陣取って奥さんの素早い指の動きをながめたり、ピアノ線を叩くフェルトのハンマーの動きに反応して猫パンチを繰り出したりしていたものだ。一方、気難し屋の△△ちゃんは奥さんが弾き始めると、そそくさとピアノ部屋から出て行くのを常としていた。

ピアノと猫って何か絵になるような気がしませんか?血統書つきのゴージャスな猫(長毛系の洋ネコですね)が横になって、目を細めながら、美しいピアニストの細い指使いを優雅に眺めている・・・。

残念ながら、うちの○○ちゃんのような「白黒はちわれの和猫」は、ピアノにはちっとも似合いません。このタイプの猫にはやはり「さんまが乗ったお皿」とか、「路地裏のものかげ」などの方がよく似合うようです。。。