うんどうエッセイ「猫なべの定点観測」

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無念さむらいジャパン、W杯本大会の出場を逃す

2009年11月09日 | 団体球技(屋外)
◆第12回男子ホッケーW杯 世界最終予選第1組(2009年10月31日~11月8日 @フランス・リール)

・決勝(11月8日)
パキスタン 3(2-1)1 日本

※この試合に勝利したパキスタンが、来年2月末からインドで開催されるW杯本大会の出場権を獲得。
  日本は3大会ぶりにW杯出場を逃す。


・予選リーグの日本の成績(日本はパキスタンに次いで予選リーグ2位で決勝に進出)
10月31日 vsロシア ○4(1-0)0      11月5日 vsパキスタン ●1(0-2)6
11月 1日 vsポーランド ○3(3-2)2   11月6日 vsフランス ○3(2-1)2
11月 3日 vsイタリア ○3(1-0)0   
※予選方式は、全6チームが1回戦総当りでリーグ戦を実施。
  リーグ戦の1-2位が決勝戦に進出し、勝者がW杯本大会の出場権を獲得。

・最終順位
優勝:パキスタン(W杯本大会出場権獲得)
2位:日本
3位:ポーランド
4位:フランス
5位:ロシア
6位:イタリア

今大会の詳細の記録

〔写真は国際ホッケー連盟より〕

                           *  *  *  *  *


「さむらいジャパン」こと、男子ホッケー日本代表(なお、野球は“侍ジャパン”です)。日本は3大会連続のW杯出場を賭けて、フランスで開催されていたW杯予選に挑みました。直近のW杯2大会の日本の成績は2002年大会12位、2006年大会が過去最高タイの9位です。日本は5月にマレーシアで開催されたアジア杯で6位に終わり、優勝国のみに与えられる来年インドで開催されるW杯本大会の出場権を逃した為、今回6ヶ国が参加したW杯世界最終予選に回りました。優勝国のみW杯本大会に出場できるレギュレーションです。かつて日本は、ミュンヘン五輪では、札幌五輪の準備に忙殺された日本体育協会と日本オリンピック委員会の手続きミスで五輪出場をフイにした悔しい経験があります。それだけに、メキシコ五輪以来、44年ぶりの五輪出場を狙う日本にとっては、是が非でも世界の強豪国との真剣勝負の舞台に立ちたいところでした。

現在世界14位の日本は、5月のアジア杯以後にオランダのプロコーチであるジークフリード・アイクマンを招聘。代表チームに外国人監督が就任するのはホッケーでは初めてです。昨年4月の北京五輪世界最終予選(岐阜/各務原)の代表メンバーからベテランが退き、世代交代を図るべく大幅に若返りました。ただ、7月にアイルランドで開催されたチャンピオンズチャレンジ2(上から3番目のカテゴリーの大会)では、日本は5位と不振に終わりました。昨年の北京五輪予選で6-1と勝利したポーランドに2-3と不覚の敗戦を喫しました。今回のW杯世界最終予選では、このチャンピオンズチャレンジ2を優勝したポーランド(世界22位)と同大会3位のフランス(世界17位)と同組。そして、最大の勝ち抜き候補である、過去に五輪3度とW杯4度優勝経験のある古豪パキスタン(世界7位)とも一緒になりました。

今回苦戦が予想された日本は予選リーグをしぶとく勝ち上がります。最初のヤマ場だったポーランド戦を3-2で勝利し、予選リーグ序盤を3連勝と好スタート。しかし、パキスタン戦では1-6と大敗。1970年代に人工芝が導入されて以降は、かつての強さは影を潜めたとはいえ、やはり印パのブランドは今でも伊達ではないです。ただ、正念場だった予選リーグ最終戦のフランスとのアウェー戦では、日本は後半に退場者を出しながらも守りきって3-2と僅差でモノにし、世界の切符を直接賭けた決勝に駒を進めます。パキスタン戦の大敗のショックを見事に自分の力で払拭しました。そして、世界の切符を賭けた相手は、もちろん強敵パキスタン。フランス戦の勢いで金星を狙いたいところでした。

今回の状況は3年前のドーハアジア大会の時とよく似ていました。あの時は、日本とパキスタンは予選リーグでいわば“談合試合”のような試合で引き分けて仲良く予選を突破。準決勝ではお互いに負けた為、3位決定戦で北京五輪出場権を賭けて再び戦いますが、日本はパキスタンに1-3と逆転負けを喰らって世界最終予選に回る羽目になりました。それだけに、今回の日本は、心中期するものがありました。しかし、聳え立つパキスタンの壁は、やはり分厚く高かったです。前半12分にFGで失点の後、24分にパキスタン得意のPCで決められ2点のリードを許します。27分には逆にPCから得点して追い上げます。前半を1-2で折り返すも、後半に入って41分に、またもやPCから痛恨の失点。結局、試合は1-3で敗戦。パキスタンがW杯本大会の出場権を獲得し、日本は3大会ぶりに本大会の切符を逃しました。

新体制の日本は善戦したとはいえ、世界大会の切符を逃したので無念の結果となりました。最大の目標であるロンドン五輪のレギュレーションは現時点では不明ですが、おそらく来年秋の広州アジア大会が五輪アジア予選を兼ねる可能性が高いと思われます。今後の日本の予定は、来月に東アジア大会(香港)があります。ライバルはどういう布陣で臨むのか分かりませんが、アジア王者の韓国や急成長中の中国と戦う事になります。来るべき正念場に向けて、さむらいジャパンの更なる活躍を祈りたいです。


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