うんどうエッセイ「猫なべの定点観測」

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さくらジャパン、ロンドン五輪の前哨戦を5位で終える

2012年02月08日 | 団体球技(屋外)
◆第20回女子ホッケー・チャンピオンズトロフィー(2012年1月28日~2月5日 @アルゼンチン・ロサリオ)

・今大会の日本の成績
第1ラウンド プールA    ※なお、第1ラウンドは準々決勝の対戦相手を決める為のラウンド。
1月28日 vs英国 ●0(0-2)3 
1月29日 vs中国 ●1(1-1)2
1月31日 vsオランダ ●1(1-2)4
〔日本は3敗でプールAを4位通過〕

準々決勝
2月 2日 vsドイツ ●2(2-3)3

5―8位決定予備戦
2月 3日 vs韓国 ○4(1-2)3
          (延長0-0、1-0)

5位決定戦
2月 5日 vsニュージーランド ○4(2-0)3
                 (延長1-0)

最終順位
優勝・アルゼンチン、2位・英国、3位・オランダ、4位・ドイツ、5位・日本、6位・ニュージーランド、7位・韓国、8位・中国

※アルゼンチンは2大会ぶり5度目の優勝。
  過去最高タイの5位入賞の日本は、2014年2月にインドで行われる次回大会の出場資格を獲得。


今大会の詳細の成績
国際ホッケー連盟の今大会の関連ページ
日本ホッケー協会の今大会の関連ページ
今大会のハイライト映像

〔写真は共同通信より〕


                           *  *  *  *  *


国際ホッケー連盟(FIH)が主催の「チャンピオンズトロフィー」は、世界ランキング上位6ヶ国(五輪とW杯の翌年は基本的にそれらの上位6ヶ国)、下部大会である「チャンピオンズチャレンジ」の前年度の優勝国、FIHの招待国の合計8ヶ国に参加資格が与えられ、その年度の世界一を決定する大会です。1987年からは隔年で開催され、1999年以降は毎年開催されてます。第1ラウンドでは2つのグループに別れて総当たり戦を行い、第2ラウンド(トーナメント方式)で順位を確定します。なので、参加8ヶ国は必ず6試合を戦います。

現在世界ランキング9位の「さくらジャパン」こと女子ホッケー日本代表は、昨年6月にアイルランドのダブリンで開催されたチャンピオンズチャレンジⅠで優勝し、今大会の出場権を得ました。今大会の参加国のうち、日本を除いた7ヶ国は全てロンドン五輪の出場権を既に獲得してます。五輪本番前に世界のトップクラスが集結する大会は今大会が最後なので、既に出場権を得た国にとっては、今大会は半年後に控えた五輪の前哨戦の意味合いがあります。一方、まだ出場権を得てない日本にとっては、五輪本番だけでなく、当面の目標である4月25日から岐阜県各務原市で開催される世界最終予選に向けた準備を兼ねた大会でもありました。日本以外の7ヶ国は、過去の実績や世界ランキングからしても、日本より全て格上の国なので、現時点での世界における自らの立ち位置を知る上では、またとない試金石となる大会でした。

今大会の日本は第1ラウンドで、世界ランキング1位のオランダをはじめ、五輪開催国の英国(同4位)、北京五輪準優勝の中国(同5位)と同じプールでした。日本は初戦で英国と対戦し、0-3と敗戦。日本ホッケー協会の戦評によると、結果だけでなく、内容的にも完敗に終わり、黒星スタートとなりました。続く、第2戦目は広州アジア大会優勝国でもある中国と対戦。14分に中国に先制点を許すも、7分後にペナルティーコーナー(PC)からの混戦から駒沢李佳が押し込んで同点に追いつき、前半を折り返します。しかし、後半に中国にPCを取られ、日本は1度は凌ぐが、再取得されたPCを中国に押し込まれてしまい、結局この失点が決勝点となって1-2で敗北。欧州王者のオランダとの最終戦は、早い時間帯に立て続けに失点を喰らったのが響き、1-4で大敗。第1ラウンドは3戦全敗で最下位となりました。

日本は第2ラウンド (決勝トーナメント)の初戦である準々決勝で、プールBを首位通過したドイツ(同3位)と対戦。またも早い時間帯に失点を許すも、徐々に日本がペースを掴んでドイツを押し込みます。だが、前半終了間際に立て続けに失点を許してしまい、0-3と大量リードを奪われて前半を折り返します。しかし、後半は日本が反転攻勢に転じます。37分にPCから村上藍が決めて反撃の狼煙を上げ、44分にもPCから藤尾(旧姓・千葉)香織がタッチシュートを決めて1点差に追い上げます。その後も日本が幾度かチャンスを作りますが、どうしても得点するには至らず、結局2-3で惜敗。結果こそ得られなかったものの、内容的には改善の傾向が見られました。

5-8位決定予備戦に回った日本は、アジアの強豪の韓国(同8位)と対戦。開始早々の2分にPCを得た日本は、村上のシュートが相手選手のスティックに当たり、そのリバウンドを駒澤が押し込み、今大会初の先制点を奪います。しかし、日本が1人退場している間に、31分と34分に連続失点を喰らい、韓国に逆転されます。後半は、日本が柴田あかねのゴールで追いつくも、韓国が再び突き放します。だが、しぶとく食い下がった日本は、試合終了2分前に駒澤が決めて、再び追いつき、延長戦に持ち込みます。延長戦は一進一退の展開でしたが、試合終了2分前に藤尾のセンタリングが相手選手に当たってコースが変わり、それを駒沢がスライディングタッチで合わせて、ゴールデンゴールを決めて死闘に終止符を打ちます。5位決定戦はニュージーランド(同6位)と対戦。激しい点の取り合いの末に再び延長戦に縺れ込むも、日本が4-3で勝利。日本は、初参加した2007年大会(当時の参加国は6ヶ国)以来となる過去最高タイの5位で今大会を終えました。また、今大会で5点を挙げた駒澤が得点王に輝きました。

決勝トーナメント以降の戦いで健闘した日本は、近年苦手にしていた韓国に執念で勝利を掴んだのは、今後に向けて大いに自信となるでしょう。なにせ、世界最終予選で最大のライバルとなるアゼルバイジャンは、集団で帰化した元韓国人を5~6人擁する“エセ韓国代表”なので、本家に勝ったのは予選突破に向けて弾みが付くはずです。ただ、日本は大会終盤にかけて尻上がりに調子が良くなったとはいえ、今大会は初戦から4連敗を喫して2勝4敗と負け越しているので、大会の入り方が悪かったです。また、最初の4戦はいずれの試合も先制点を許したので、試合の入り方も悪かったです。経験豊富な世界の強豪は、弱点を容赦なく付け込んで来るので、試合運びを上手くすることが今後の課題でしょう。前回の2008年北京五輪のレギュレーションは、予選リーグは参加12チームを6チーム×2組分けて総当たり戦を実施し、各組2位までが準決勝に進めました。なので、序盤で連敗を喫すると、苦戦を余儀なくされます。目標の6位以内の入賞を果たす為にも、今大会で世界の強豪と戦った経験を糧に、更なる精進をしなくてはなりません。


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