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空飛ぶタイヤ 池井戸潤 おすすめです!!

2013-09-06 05:26:32 | 読んだ本の紹介

空飛ぶタイヤ 池井戸潤


久々、骨のある小説読みました。
「半沢直樹」のバブルシリーズがお好きな方なら
絶対面白いと思います。

っていうか、絶対読んでほしい本です。


ストーリー
赤松の経営する中小運輸会社のトラックから突然タイヤがはずれ
主婦を直撃し、死亡させてしまう。

業務上過失致死ということで、赤松は加害者として追求されることとなる。
世間の風当たりが厳しくなり、得意先からの受注が打ち切られたり
メインバンクからの融資を見送りされ経営の危機にひんします。

警察は、赤松運送を家宅捜索する一方、車両の製造元
ホープ自動車に事故の原因鑑定を依頼する。

ホープからの回答は、「整備不良」一方的に赤松運送の責任として
一件落着を図る。

しかし、赤松は自社の整備員門田の整備手帳を見るにあたり
「うちの整備には問題は無い」と確信する。

赤松は、自社の責任の有無をはっきりさせようと外部機関の調査をすべく
破損部品の返却をホープ自動車に求めるのだが、
ホープのカスタマー担当の沢田は、中小企業のクレーマーと相手にしない。


しかし、ホープ自動車常務の狩野率いる、品質保証グループでは
ホープの自動車に構造的欠陥のあることを把握していた。
カスタマー担当の沢田は、品質グループの行動に疑問を持ち
もしかして、リコール隠しではないか?と疑問を持つ

沢田は、正義感から品質Gの悪事を暴こうと内部告発等奔走するのですが
赤松運送に対しては、ホープ自動車の名誉を守るため
かたくなに部品を返そうとしません。


取引が減り融資もストップされた赤松運送は、ジリ貧の危機。
早く部品を手に入れて、無実を証明しないと
倒産してしまいます。

そんな中、週刊潮流の記者が取材にくる。
週刊潮流は、ホープのリコール隠しをスクープしようとしているのです。
その記事が出れば、赤松運送の無実が証明されます。

週刊潮流に期待を寄せる赤松・・


とまあ、あまり書くとネタバレになりますので書きません

しかし、文庫版で上下2巻なんですが
ほぼ2日で読みきりました。

下巻なんか、新幹線の中で読んでたのですが
3時間で読みきりました。

途中で、感極まって涙が出そうになりました。


この小説は実際の事件を元にかかれたフィクションなんですが
三菱自動車ほか三菱グループの内幕を描いてます。
あまりにリアルにえげつなく描いてあるので、
これは対三菱上ドラマ化映画化は難しいかも知れません。


しかし、池井戸潤という作家は
悪役を書かせると天下一品ですね。
社会的に力を持ったものが有する権力のいやらしさをこれでもか!
と描きます。うまいです。

追い詰められる弱者・・感情移入が著しい
読んでて、心が締め付けられます。
どこまでいじめるねん。
もう、あきらめようよ。
あきらめたら楽になるよ・・って何度も思います。

しかし池井戸潤の描く市民は、強いのです
信念に基づき正しい行いを誠実に努力するんです

その先には、その真摯な姿を評価する
また誠実な市民がいるのです。

緊張につぐ緊張
この小説は、「半沢直樹」の10倍は緊張させられます
その分、緩和が訪れたときの
心の開放感は半端無い。

是非お読みください。





空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)
クリエーター情報なし
講談社
コメント (2)
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