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ぶろぐ猫の目

笑う門には福来る・・

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北海タイムス物語

2025-06-09 11:46:16 | 読んだ本の紹介


北海タイムス物語 増田俊也著



七帝柔道記の作者、増田俊也先生の青春期ともいえる作品



まずはあらすじから

1887年(明治20年)創業の「北海タイムス」。

北海道で有数の購買数を誇る新聞であったが、バブル崩壊後の不況により苦戦を強いられている時代の話

早稲田を出た、野々宮はマスコミ試験を落ちまくったあげく、北海タイムスに入社する。

外回りの記者希望で、記者の仕事を覚えたら、一年で辞めて、全国紙へ!という野望を持っていた。

 しかし野々村は記者になれず、紙面レイアウトや見出しをつける整理部という部署に配属される。

唯一の希望は同期の浦さんという訳アリの女性に恋心を抱くのであるが、浦さんは記者に配属され面白くない

また労働条件も聞いていた以上に悪く、給料は他社の6分の1、年収でも200万しかなく業務量は4倍という

超ブラック企業であった。

不承不承の仕事でやる気も出ず、先輩の権藤には冷たくあしらわれ仕事もうまくいかない。

そんな野々村を温かく見守るのが先輩の松田。松田は七帝柔道記の主人公増田すなわち作者の増田さんを投影しているのか・・

そんな超個性的な仲間、先輩にかこまれ、そんなブラックな会社でも次第に愛するようになる。

「仕事っていうのはな、恋愛と同じなんだ。お前が好きだと思えば向こうも好きだって言ってくれる」 新入社員の成長を描く熱血お仕事物語。



とまあこんな感じ

今の時代では、労働基準法なんか無視のコンプライアンス引っ掛かりまくり企業

パワハラ、セクハラ、アルハラは当たり前。そして賃金は最低

そんな会社でもみんな辞めずに頑張っているのは「北海タイムス」という会社への

リスペクトと仕事への自尊心であったわけですね。



今では価値観も変わりはて、金がもらえるなら

意にそぐわない仕事でもやるという人が多くなってると思いますが

どうでしょうか?



昭和世代のおっさんには、理解できる部分の多い小説だと思います

昭和のおっさんの気持ちを理解するための参考書として若い人にも読んでほしい本です







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七帝柔道記Ⅱ 立てる我が部ぞ力あり

2025-05-27 12:03:22 | 読んだ本の紹介

1作目を読んでなんと重くつらく厳しい話であるが、青春とはこうあるべきという感慨をもった作品
何度も読み直した1作目の続編が出てました




七帝柔道記II 立てる我が部ぞ力あり


前作を超える血と汗と、涙――。 最後の夏に挑む、灼熱の青春小説!
15人vs15人の団体戦「七帝柔道」。

この旧七帝国大学だけの寝技中心の柔道に憧れ、増田俊也は2浪の末に北海道大学に入学した。

しかしかつて無敵を誇った名門・北大柔道部は、旧七帝大同士で競う大会・七帝戦で、2年連続最下位であった。

さらに増田の1年、2年の七帝戦でも1勝も出来ず、主力の上級生たちはみな引退してしまう。

かつてない絶望的なチーム状況の中、果たして北大、復活なるか。

副主将となった増田は主将の竜澤とともに、部内外の仲間たちに支えられながらチームを率いていく――。



あの日の少年は青年となり、因縁の戦いに向かう。

「命をかけて最下位を脱出するんだ」



転載ここまで



寝技中心の特別なルールの7帝柔道

旧帝大の間で争われる。15人制の勝ち抜き勝負。

体重は関係ない。無差別で争う。

勝負は1本のみ。技ありをいくらとっても勝ちにはならない。

重量級の猛者に対していかにして引き分けに持ち込むのかが勝負の要



かつて超ド級の選手を有し、七帝柔道を制覇していた北大ですが

昨今、軽量級の選手しか在籍せず厳しい戦いを強いられていた

しかし、練習量が勝敗を決するという先輩の言葉を胸に

常軌を逸する、日々つらい練習に励む。



主役の増田と主将の竜澤は、いかにして北大を復活させるかに腐心し

自らの体を壊しても仲間を引っ張っていく

特に北海道の冬場、雪嵐に埋もれる道場に集う柔道部員

夜の酒場で、相談に乗る先輩の姿

体格に優れた後輩の入部

かつて仙人と呼ばれた寝技の達人の先輩のコーチ

かすかではあるが、北大の先に光が見えてきたが・・・

東北大との定期戦で舐められコテンパンにやられる

ここまでやっても勝てないのか?相手もこれくらいのことはやっているのだ

ならば、練習量を増やすしか勝ち目はない

一層激しさ増す練習。道場の熱気がすさまじい

読んでるうちに手に力が入り

そして増田最後の七帝戦が始まる

知れずに涙が流れている。



何度でも読み返したくなる本です





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三体   オバマ絶賛の中国発SF

2025-04-16 07:47:16 | 読んだ本の紹介

三体



『三体』(さんたい)は、中華人民共和国のSF作家劉慈欣による長編SF小説。

2006年5月から12月まで、中国のSF雑誌『科幻世界(中国語版)』で連載され、

2008年1月に重慶出版社によって単行本が出版された。

本作は「地球往事」三部作の第一作である。



中国発の本格SF小説、オバマ元大統領が絶賛したことで一躍有名になりました

なかなか読みごたえがありました



あらすじ

中国の文化大革命時代、天体物理学を専攻していた葉文潔がモンゴルの奥地の中国軍秘密基地に

連れてこられる。

その基地には大きなパラボラアンテナが設置されており西側の衛星の監視や情報収集をおこなっていた。



時が進み現代の物理学者、汪🐫は奇妙な現象に悩まされていた

脳裏に何者かが汪🐫に研究をやめるか、さもないと死ぬことになる

というメッセージを送り込んできていたのである。実際汪🐫の周りでは高名な学者が

命を失う事件が多発していた。

同僚の申教授に相談すると、あるオンラインゲームに参加するように言われる

「三体」と呼ばれるオンラインゲームで、プレーヤーは3つの太陽を持つ地球に似た惑星に降臨し

科学知識を持って文明をいかに発展させるかを競うゲームであった。

科学知識を駆使して、文明を成熟させても3つの太陽が重なると文明が焼き払われまた

3つの太陽がすべて沈むと強烈な氷河期が訪れ、いずれも文明が終焉を迎える

そうなるとゲームオーバー。



ときは又さかのぼり、文革のころの葉教授。

勤めていた秘密基地のパラボラアンテナが情報を集めるだけでなく、反対に情報を発信することが

できることに気づいた。

しかしその出力は弱く、太陽系内の惑星に届くかどうかのレベルで

知的生命体と交信できるレベルではなかった。

しかし葉教授は、太陽の増幅反射機能を使えば電波を数万倍増幅できることを発見し

人知れず、独断で宇宙空間に向けて地球文明の情報を発信したのであった。

それに気づいたのが、地球に近い恒星系にすむ宇宙人の三体人であった。



三体人の住む環境は、ゲームの三体同様の過酷なものであった。

しかし三体人の文明は地球より数段先をいくものであった

三体人は、自分たちの子孫をこの厳しい環境から脱すために地球を乗っ取ることを

画策する。三体の星から地球までは三体人の文明でも400年かかるとされていた。

三体人が恐れたのは400年の間に、地球人が三体人を上回る

科学知識をえることであった。

それを防ぐべく三体人は、地球に対して電波を送り優秀な科学者を殺していた。



数年後、葉博士は人類により地球の環境が悪化することを憂いて、人類を滅ぼすべく

三体人に協力することを決意。富豪のエヴァンスの協力のもと、ゲーム「三体」を通じて

賛同者をあつめていた。

葉博士たちの行動に気づいた、諸国の政府は連合して葉博士一派に対抗する組織を結成し

ゲーム「三体」を理解した汪🐫をリクルートし申博士らとともに葉博士一派と対抗することに

はたして、地球は三体人の手におちるのでしょうか?



とまあこんな感じです

なんせ、500ページを超える大作で、専門用語が飛び交って読むのに一苦労

でも、上手に日本語訳されていて読みやすいです

翻訳物は、ストーリーが面白くても翻訳がへただったら

まったく面白くないですからね

この三体はそんなことはなかったです。

特にゲーム三体が、実際の三体星の状況を表しているのですが

それが突拍子もない世界観で、ぶったまげました。

まあオバマが面白いというくらいですから、相当面白いと思います

ちょっと後半、だれてくるのは筆者も疲れたのでしょうかw

まあ一回読んでみて



















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シャイロックの子供たち

2025-04-14 08:20:24 | 読んだ本の紹介
シャイロックの子供たち 池井戸潤



池井戸さんの作品は、半沢直樹関連作品から読み始めて

花咲舞、空飛ぶタイヤ、下町ロケットなど

ほとんど読んだと思ってましたが、もう20年もまえに読んでいたので

忘れてますw



シャイロックの子供たちも読んだと思いますが、ぜんぜん覚えてなかった

シャイロックというのはベニスの商人に出てくる商人の名前からとっているのですね

ある下町の銀行に勤める人びとを題材にした、連作小説です

2003年ごろの話

ある日、支店の現金残が100万円合わないことから物語が始まります

社内恋愛に悩む女子行員

彼女のロッカーから帯封がみつかり、100万円を盗んだと疑われる

女子社員の無実を信じ、真犯人を見つけようと奔走する係長

一流大学を出て将来を嘱望されている新入社員。

従来の根性論でなんでも押し通すパワハラ副支店長

大学の応援団出身でパワーはあるが運に恵まれず、プレッシャーに押しつぶされる人

高校野球で1度のミスからレールをはずれ、一流銀行にはいったものの

銀行でもレールを外れてしまう人

調子よく、口先だけで投資信託を売上て支店の業績を一手に担うやつ

銀行内調査、架空取引、転勤、昇職・・・

これらのこまごまとした池井戸さんの得意な銀行物語が続くのですが、

時系列や登場人物が行ったり来たりで頭が混乱しますが

真犯人を追う係長が失踪してからすべての話が結びついていく

そしてラストに収束していくのですが、うまく作ってあります。

20年以上も昔の話なので時代背景(当時はバブル崩壊後の超絶不景気時代)

が、今と違うのでそういった面も面白かったです。

また、池井戸作品を読み返してみようかな





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よつばと

2025-03-10 07:11:31 | 読んだ本の紹介

いやあ本当に待ちました

以下転載



お待たせしました! 『よつばと!』最新刊!



静かに移ろいゆく季節、慌ただしく過ぎていく毎日。

夏休みから始まった物語は、ついにクリスマスを目前にする。

ツリーを準備し、自転車の補助輪を取り、山に登り山を下りる……

そして逆上がりの練習に訪れた小学校の校庭で、よつばの前に現れた究極の刺客の正体とは!?



少しずつ成長する子供と、相変わらずの大人たち。

ただ流れずに重なり合っていく時間を丁寧に描き、時代に浸透しながら広く深く読み継がれて22周年。

特別編まるごと1話46ページの描き下ろしを含む、全256ページの大ボリュームでおくる4年ぶりの新刊!



転載ここまで



待ちに待って4年間。よつばとの最新刊が出ました

簡単によつばととは?

血のつながりのない外国人の幼女よつばをなぜか育てることになった小岩井葉介

親友のジャンボや後輩のやんだ、隣の家の美人3姉妹とゆるーくからんで

毎日たのしい日々を送っている。



よつばの子供にありがちな思考回路の直接的なセリフがかわいくて笑えます。

父親としての素質に悩む葉介。おおらかに明るく時に厳しくよつばに接する姿には

つい応援したくなる。こんな大人になりたいなあ

隣の美人3姉妹、大学生のあさぎ、高校生の風香、小学生の恵那とその母が

実の親子のようによつばをうけいれています。



今回16巻では

自転車屋のひげもじゃ店長が、よつばの自転車の補助輪はずして

スタンドを付けるのですが、その際に

「小学校に入ると遊ぶ時間が無くなるから、

いまのうちに一緒にいろいろ連れて行ってあげるといいよ」って

そして葉介は、よつばをつれて高尾山登山に挑みます

危険な登山に1人でよつばの面倒をみきれないと

やんだを連れ行くのですが、

やんだとよつばの精神年齢が同じくらいなので面白い。



新キャラに

大阪弁の大阪先生や「ぼくはしってるんだ!」君が出てきました

木編に無で何と読むか?



僕は知らなかったのだw



早く続きが読みたいけど、よつばが小学校入ると終わってしまうのではないかという

恐怖もあります。

永遠にかわいいままのよつばであってほしい

まるで自分の孫のようですな



よつばが入学するまで私の命が持つかどうかw











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暗闇のセレナーデ

2025-01-15 07:14:34 | 読んだ本の紹介

暗闇のセレナーデ 黒川博行



1980年代の作品ですね

黒川御大の初期の作品。本格的なミステリー小説を指向してます。



あらすじ



京都の美大に通う美和は、親友の冴子とともに、姉・雅子のもとを訪ねる。

有名彫刻家に嫁いだ雅子は、高級住宅地で暮らしながら自らも創作活動を行なっていた。

約束の時間に訪れた二人は、瀕死の状態で倒れている雅子を発見。

雅子を運び出したアトリエは、警察の到着時になぜか密室状態となっていた。

事件後、雅子の夫・昌は失踪し、愛人と息子の存在も明らかになる。

自殺未遂、殺人未遂の両面で捜査が進む中、美和と冴子も調査を始めるが――。



転載ここまで

初期の作品ということで、トリックに凝りすぎて

いろんな伏線がごちゃごちゃになってしまったのを

無理やり回収していくという感じ

本格ミステリーを目指していたという御大の若さを感じますねw



ドラマ化を念頭に書かれたとかで主人公が女子大生コンビというのが

異色でした。

女子大生にはちょっと荷が重すぎる事件でしたね

フォローする刑事のキャラが薄かったのも仕方ないか



そんな感じで突っ込みどころ満載の作品でしたが

なかなか面白く読めました

時代感じますね

30年前に読んでいたらもっと面白かったでしょうね

自分も年を取ったなあ・・





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テレビ局の衰退

2025-01-08 14:00:08 | 読んだ本の紹介


テレビをよく見るのですが

こいつが出てくるとチャンネルを変えたくなる人っていますね

こいつらが出ている番組は、よっぽど面白かったら見ますけど

こいつが話してるときは、見ないようにしてます



その人ってのは、

香取慎吾、バナナマン設楽、川田裕美、オセロ松島、友近

山田邦子、サルゴリラ、モグライダーともしげ、ユリアン、極楽山本・・



目つきが悪いか、頭おかしい人

性格の悪さが目に出るんでしょうか

人を小馬鹿にしているような態度が目立つ人ね

こういう人たちは

そのうち消えていくと思いますのでどうでもいいんですけど





いま、中居君がたたかれてますね

去年は、松ちゃんでしたが

ビッグネームが問題を起こしている

ビッグネームが狙われているということか



昔なら、ジャニーズや吉本など会社が守ってくれてましたが

今はもうそんな力もないのでしょうね



芸能事務所なんて興行会社でもともとやくざみたいなもんですからね

もめごと、トラブルシュートなんてお手の物だったのでしょうが

金や暴力で封じ込めていたのが

事務所の金も力もなくなってしまったんでしょうね



テレビ局も取り巻く環境が一変しているのに

まったくわかっていないのか?

CMを見ているとよくわかります。

同じようなCMばかりで、業種もかぎられてきてます

よく見るのはビール、車、食品、金融、こんな感じでしょうか

あとゴールデンタイムなのに聞いたことの無いような弱小企業のCMを

みることもあります。

スポンサーがどんどん減っているのでしょう



会社も生き物なので、時代に順応して変化していってるのでしょうが

中の人間は,おごっているのか勘違いして、自分だけは大丈夫と思っているのでしょうね

驕れるものも久しからず、盛者必滅のことわりをあらわすってことでしょうか

従業員の質をあげないと

そのうち、中国の御用放送を始めて免許の取り消しなんて事態になるのでは?

もう無理かもしれませんね















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爆弾  呉勝浩

2024-12-26 09:50:23 | 読んだ本の紹介


爆弾 呉 勝浩



些細な傷害事件で、とぼけた見た目の中年男が野方署に連行された。

たかが酔っ払いと見くびる警察だが、

男は取調べの最中「わたしには予知能力がある」と言い出し

「十時に秋葉原で爆発がある」と予言する。

直後、秋葉原の廃ビルが爆発。まさか、この男“本物の預言者”か。

さらに男はあっけらかんと告げる。

「ここから三度、次は一時間後に爆発します」。

警察は爆発を止めることができるのか。

爆弾魔の悪意に戦慄する、ノンストップ・ミステリー。



転載ここまで



もう少し詳しく書くと

スズキタゴサクと名乗る、坊主頭の小太りのさえない中年男が

預言者と名乗り、爆弾の爆発を予言する。

予言するたびに、次の爆発場所を暗示するような

不可解な発言をおこない、警察を翻弄する。

スズキタゴサクの言葉から事件の本筋に迫ろうとする

警察だが、後手後手にまわり被害者が増えていく

知能犯担当の類家という刑事がスズキタゴサクの悪意を読み解いていくのだが

はたして、爆発を阻止することができるの?



という感じ



読者評を見てるとおおむね好評で、面白いという人が多い

私には、合いませんでした



お前の話は下らん!!

笠智衆ならそういうところです



全然面白くない。

そもそもの動機が、生理的に無理。

そんなやつおらんやろ



スズキタゴサクが、クイズと称してヒントを出すのだが

それを優秀な刑事が読み解くのだが

無理すじ



最後にどんでん返しのつもりかしらんけど

実は・・・という展開があるのだが

食傷気味で、ふーん・・だからなに?って感じです



まさに作者のオナニーのような小説

読んでて、気持ち悪いだけ

波長が合わないんでしょうね

もうこの作者の本は読まないかな



























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黒川博行 熔果

2024-12-13 09:58:24 | 読んだ本の紹介
黒川作品を読み直してますが、大阪府警(元)の堀内、伊達シリーズの

第4弾、熔果の文庫版がようやく出ました

単行本では読んでたのですが、通勤時電車で読むのに

文庫版でないと読みにくいので文庫が出るのを待ちわびてました



まずはあらすじから



大阪府警を首になった伊達と堀内、伊達はヒラヤマ総業という

土地の競売会社に営業社員として働いている。

ヒラヤマ総業は、表向きは土地の競売を生業としてそれなりの

実績と業績を上げている企業であるが、実はやくざのフロント企業である。

堀内は、大阪府警をくびになったあと、裏仕事で稼いだ金で女に銀座でクラブをやらせて

ヒモとして暮らしていたがその暮らしにも飽きて、女を東京に残し大阪でくすぶっていた。

競売絡みの物件にややこしいのが居座っているということで

伊達がその排除に乗り込むのだが、くすぶっている堀内に声をかける。

たいくつを持て余してた堀内はやくざに刺されて不自由になった足を引きずりながら

伊達と乗り込んでいく。



不法占拠者をたたき出した2人は、そのチンピラが過去の金塊密輸事件に

かかわっていたことを知る。

金の匂いをかぎ取った伊達は、金塊密輸事件を探りはじめる。



金塊密輸事件とは、下関から活魚運搬のトラックにて韓国に渡り

韓国で金塊をトラックの水槽の中に隠して日本に持ち込むという手口

当時消費税が8%の時代

韓国で金を原価で買い取り、日本で売るときに8%の消費税を払ってくれる

8%の利ザヤが稼げるという仕組み。

当時金が1g5000円の時代。200kgの金塊で10億であった

10億の金塊であれば8000万の利益があがるという

金塊密輸団は何回か密輸を繰り返していたが当局の知るところにより

密輸団は摘発される。



しかし残党の1人が金塊を持って逃げているという情報を得た

伊達と堀内は残党を探し出し、持っている金塊を狙う猟犬となる。



かつて、優秀な大阪府警の刑事であった2人が残党の行方を探すが

大阪府警という桜の代紋がないという不自由な中、過剰な暴力で悪どもを叩きのめしながら

残党を追い詰める。



とまあこんな感じ

相変わらず面白いです

読み始めると手が止まらない。

180cm90kgの柔道4段の伊達、足が不自由であるが鉄筋を仕込んだステッキを

振り回す堀内。無敵のコンビがやくざどもをぶちのめすのは爽快ですが、

やっぱりやくざは怖いですね仕返しを虎視眈々と狙っている。

どうやって、やくざの追撃をかわすのか?読ませますね

時折出てくる、食事の場面がまた面白い

読んでると食べたくなってきます



あ、この本が書かれたのは2021年当初ですが

当時金は1g5000円くらいだったんですね。消費税も8%だった

今では14000円で10%になっています。

そんなこともちょっと面白い

ぜひお読みください

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七帝柔道記  絶対読むべき本

2024-12-02 08:40:44 | 読んだ本の紹介
7年前に読んだ本ですが
読み返してみると、やっぱり面白いです
引き込まれる
7年前の感想をそのまま転載バカボンなのだ

最近続編が出たそうです
買って読まねば!




七帝柔道記 世界で一番熱い小説
17/12/20 04:30


すごい本に出くわしてしまいました

50数年生きてきて読んだ本の中で

10本の指に入るであろう本です


七帝柔道記 増田俊也 著


戦前行われていた寝技中心の高専柔道を受け継いで、

北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学の

旧帝国大学7大学で現在も行われている七帝柔道を題材に、描かれた

自伝的小説であります


高校時代名古屋の進学校で柔道部に在籍してた増田は

名古屋大学の柔道の試合を見たとき、柔道部員から

井上靖の「北の海」を教えられ、七帝柔道の存在を知ります。

どうしても北海道大学で七帝柔道をやりたいと思った増田は

2浪し北大に入ります

そして念願であった、北大柔道部に入るのですが

寝技中心の七帝柔道というのは想像を絶する柔道だったのです

引き込みあり、間接技あり、締め落としあり・・

現代のスマートな講道館柔道とは一線を画するものなのでした

同期入部の、九州の柔道部で鳴らし、3浪で入ってきた沢田や

2年後、主力選手となる竜澤とともに

七帝柔道に日夜奮闘するのであるが・・・

過去北大柔道部は、優勝経験もある、名門であったが

最近は、重量級の選手に恵まれず

超弩級といわれる、有力選手を有する他の大学の後塵を拝していた

その汚名を晴らすべく、主将は

「練習量がすべてを決める」の合言葉とともに

過酷な練習量を部員に強いるのであった

とまあこんな感じですが

練習シーンの描写が半端ない

絞められて、参ったしても絞め続けられる

落ちていくのは、死ぬのと同じ

それを毎日繰り返していくのです

ぐいぐい引き込まれる

自分が畳の上で戦っているような錯覚におちいるのです

電車の中で読んでいて、腕や体に力が入り

駅について読み終わったら、すごい疲労感に襲われます

それくらいのめりこむ、恐ろしいパワーを持った本です


わしの好きな本に

「柔道部物語」っていう小林まこと著の漫画があるんですけど

似たテイストをもった小説です


強靭な練習シーンの合間には

体育会系の活動をした人なら心覚えがある、

あるあるネタが豊富にちりばめられているのもいいですね

カンノヨウセイとよばれる恐ろしい新歓行事

学園祭での資金稼ぎの焼きそばや

放課後先輩に連れて行ってもらった、飯屋

そんなことあったよなあって

当時を知る、おっさん連中がいることでしょう

時代は変わって、こんなバンカラなことをやる

クラブはもうないかもしれませんが

こういった空気感は大事にしたい

高校生の諸君に是非読んでほしい小説です

こんな世界があるんだぞって



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ドアの向こうに  黒川博行

2024-11-13 16:06:45 | 読んだ本の紹介



ドアの向こうに 黒川博行



黒川御大の昔の本を読み返してますが

今回は、密室殺人のミステリー



あらすじ



工事現場の杭孔から衣装ケースが見つかり、中からバラバラ死体の一部がでてくる。

それは、腐った頭部に干からびた足という変わった様相を示していた。

大阪府警のブンこと文田刑事と総長こと総田部長刑事、見習の五十嵐の3人が

事件を追う。

数日後、心中事件が発生する男は青酸カリで死に、おんなはマンションのベランダから

紐を垂らして縊死していた。

マンションは密室で無理心中かと思われたが、部屋の中から

バラバラ死体の記事の切り抜きが多数見つかり

事件との関連性が浮き出した。

バラバラ死体と心中事件の間にどんな関係があるのか?

ブンと総長が足で稼いだ情報でパズルを埋めていく。



とまあこんな感じ

ブンと総長に京都出身の五十嵐が加わり、ブンと京都対大阪の争いが面白い

京都と大阪は永遠に相いれないのだw



バラバラ死体の身元が判明し、捜査が進展するのですが

一つ一つの鍵をもとに推理を積み重ねていく過程が

面白いのですが、初期の作品だけあって

詳細が荒いですね

頭部が生で脚部がミイラっていうのは思白かったのですがねえ

そうくるかって

殺人の動機がそもそも乱暴ですしねえw

興味のある方は読んでみてください。













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煙霞   黒川博行

2024-10-30 10:26:37 | 読んだ本の紹介
煙霞 黒川博行



黒川御大の本を読みなおしてます

今回は「煙霞」2006年の作品ですね



あらすじから

私立高校の美術の講師熊谷は、正教員になることを希望しているが、雲行きが怪しい

音楽の教師である菜穂子も、ガラの悪い姉妹校への転勤がうわさされている

そんな2人に同僚である体育教師の小山田が、理事長酒井の弱みを握ったので

理事長に2人の身分を保証させるので拉致を手伝えと言ってくる。

切羽つまっていた2人は小山田と3人で酒井とその愛人朱美を拉致し監禁するが

熊谷も菜穂子も、こんな計画が小山田1人でできるわけがない

黒幕の存在を感じていたが、果たして2人の身分を保証してもらったところまでは

よかったが、そこへ現れた黒幕により事態が急展開となる。

黒幕の狙いは酒井が隠していた50KGの金塊であった

金塊をめぐって、大阪から和歌山にかけての追いかけあいが始まる

金塊を最後に手に入れるのは誰だ!?

とまあこんな感じ

学校法人の不正をバックに、欲の深い男女が二転三転する展開は、軽くてスピーディーです。

ページをめくる手が止まりません

黒川御大にしては初期の作品のためか、細部が大雑把ですが

それがまたいい感じです。

熊谷と菜穂子という男女のバディーもので、それも面白かったです

面白かったと思ったら、ドラマ化されてるんですね

次はぜひとも映画化してほしいです



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そらそうや  黒川博行新刊

2024-10-22 07:16:47 | 読んだ本の紹介

黒川博行 そらそうや



黒川御大の自伝的エッセー



久々の黒川御大の新刊ということで速攻で買いました

ちょっと体調を崩してて、リモート勤務と称して

休んでおりました

医者へ行く合間に本屋で購入し寝ながら読んでました



エッセイなのですぐ読めます

生まれてから、お父さんが持っていた船で生活し

高校生となってからは、自由奔放に麻雀、パチンコ

浪人して、京都の芸大へ、浪人中も在学中も麻雀三昧

就職からの教職へ

東淀川高校の美術教師をへて、作家へ

そんないきさつを。おもしろおかしく怒りを含めて描いてあります



日常の風景もおもしろい

金魚、メダカ、オカメインコ、を育てる日々

蛙が好きだそうで、ひきがえるを飼われているそうですな



藤原伊織さんとの交流も描かれてます

若くして亡くなった伊織さんとの交友録は胸に響きますね



あと麻雀関係は、身につまされる

将棋は実力の勝負

しかし麻雀は実力以外の運の要素もあるから

個々の勝負は時の運ですが

結局長い目でみると、強い人が勝つようになっている

運を読みとるのも実力のうちなんですね

ついてるときはどんどん乗っていき、ついてない時に被害を最小限に抑える

それができる人が強い

まさにその通り



あと、カジノは基本勝てない

席に座った時点で、てら銭を取られていることで

もう負けが確定していると

遊びですね

IRなんてそんなもん。パチンコも一緒でしょう





東野圭吾との対談もありましたが

黒川御大は1949年生まれ、私より一回り上ですね

東野圭吾は私より4つか5つ上のはず1957とか8でしょうか

そんな年回り

団塊の世代のつぎというところでしょうか

万博から高度成長、オイルショック、バブル景気、そんな感じ

まあ昭和世代ということで、吸ってた空気はにたようなもんでしょう

そんな空気を思い出させてくれる本でした。





唯一気になったのが、自分の作品を振り返る章があったのですが

その中で、疫病神シリーズのことが書いてありました

その中で、破門の項ですが

「出版社の編集者に桑原が無敵化ヒーロー化してきている」

と言われたので、桑原を追い込むように書いた

みたいな記述がありましたが

編集者の分際で作品に口を出すなって言いたいですわ

分をわきまえろと言いたいです













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狭小邸宅  新庄耕

2024-10-21 10:07:43 | 読んだ本の紹介

狭小邸宅 新庄耕



狭小住宅ではなく、狭小「邸宅」というのがみそ



あらすじから

一流とされる私大を出てさしたる目的もなく戸建不動産会社に就職した松尾。

そこは売上という結果以外、評価されない職場だった。

容赦ない上司からの暴力。過酷なノルマ。成果を上げることが出来ない日々が続き、

ある日突然、異動命令という戦力外通告を受ける。

異動先の営業所でも、有名大学出の売れない奴として周囲から冷ややかな態度を取られる。

そこでも課長から辞職を迫られるが、ある日様々な運も幸いして一つの物件が売れた。

そこから課長に営業のノウハウを叩き込まれ、売上も一変。

同時に服装、言動まで変わっている自分に気付かされ――。

やがてどれだけ売れても満たされない空虚に侵食されていく。



とまあこんな感じ



不動産の営業とはこんな感じか

正直不動産という漫画を読んでますが、似たような感じですね

売ってなんぼ。売ることが正義。

客にいかに買う気にさせるか?

そこに嘘、欺瞞はないのか?

そんな不動産業界を描いてますが

似たようなもんでしょうね



狭小住宅とは?

20坪程度の敷地に80平米以上の居住空間の建物

当然、上に延ばすしかなく3階建て以上となる

俗にいうペンシルハウス



何を隠そう私の家もペンシルハウスですw

よくもまあ、そんな狭い敷地に建てたもんだという家です

マンションを買ったほうがよかったのか

ペンシルハウスを買ったほうがよかったのか

悩みましたが

車があったので、駐車場料金を考えると

狭くても一軒家を買ったほうが結果的によかった気がします

家が古くても土地は残りますからね

狭い土地ですが土地をたたき売れば、老後の資金になるでしょう

そんなことはどうでもええんです



不動産屋ですね

まあいい不動産屋に当たるかどうかで

いろいろ変わってきますからね

家を買う前には「正直不動産」を読むことをお勧めします



あと、よく言われることですが

信用できる不動産屋かどうかを見極める1つの手段

不動産屋の免許証番号の横に()で書いてある数字

まるぺけ不動産 大阪府知事(3)第111111号

とあるはずです

3というのは、3回免許の更新を受けてるという証明

1回の更新は5年毎だそうですので(昔は3年)

その間まあつぶれずに営業しているので信用があるということ

ここ数字が(1)だったら、新参者ってことです



まあ参考まで






































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ニューカルマ  新庄耕

2024-10-16 06:30:17 | 読んだ本の紹介

ニューカルマ 新庄耕



「地面師たち」の新庄耕さんの作品



あらすじから

人生や社会を豊かにすると喧伝するネットワークビジネス。

ある日大学時代の友人から突然かかってきた電話で勧誘されたユウキ。

今、彼の勤める会社ではリストラが始まり不安な気持ちが膨らんできていた。

そんな状況の中、副業のつもりで入会し、順調に会員を増やしていき、次第にそのビジネスにのめり込んでいくものの、

周囲からは冷ややかな目で見られるように。

そして思ってもみない落とし穴に嵌まり―。



とまあこんな感じ

一流の大学をでて、一流企業の子会社に就職したユウキ。

入社した時期がわるかった、平成不況の真っただ中

業績が悪い会社は雰囲気も悪く、リストラの嵐が吹き荒れていました



年を取った先輩が九州工場へとばされて憂き目を見るのを

目の当たりにしたユウキ

ユウキ自身も仕事がうまく回っていない

そんなときに大学時代の友達から電話がかかってきた

どうもマルチ商法の勧誘らしい

最初は断っていたが、気の弱いユウキは断り切れずに

セミナーに参加してしまう

マルチとネットワークビジネスは違う

ネットワークビジネスは、優秀な商品に裏打ちされた根拠のある

正当なビジネス手法である

セミナーでのリーダーの甘言に踊らされて

ユウキも加入してしまう



とりあえず自分の子供会員を増やさないと

親であるユウキは儲からない

会社の同僚や友人、家族を巻き込んでいくが・・・





とまあこんな感じ

アムウ●イを彷彿とさせますね

わしも20年くらい昔、会社の同僚がアムウ●イをやっていて

洗剤や浄水器をすすめられたりしました

当時は若かったしそんなもんいらんって、平気で断ってたから

被害はなかったけど

会社では、アムウ●イの洗剤を会社の金で買ってる

お局がいたなあ



かとおもえば、同期の奴が

ハーバー●イフをやっていて、ことあるごとにサプリメントを

ほめてました。

年賀状では、ハーバー●イフのメンバーでハワイに行きましたとか

いう景気のいい話をしてましたなあ

いつの間にか、会社を辞めていなくなりましたが

わしにも買ってほしかったのかな

私は鈍感だから、まったく聞く耳を持ってませんでしたが



小説では、マルチにはまったユウキの姿を描いていますが

ラストは、考えさせられるシーンで終わってます

いったい、マルチビジネスとはなんなのか?

考えさせられます。



アムウ●イをやっていた、お局さんも金持ちになったという話は聞かないし

ハーバー●イフをやっていた同期の奴は、それなりの高位だったので

羽振りのいい話をしてましたが、

会社を辞めてからはどうなったか行方知れず

ひょっとしたら、芦屋の豪邸に住み、週末はクルージングしてるかも



いっちょやってみるかw













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