自民特別委員会で青柳群馬建協会長/外国人受入れ「慎重に」
【担い手育成の後退懸念】
自民党の外国人労働者等特別委員会(木村義雄委員長)が19日に開いた会合に、群馬県建設業協会の青柳剛会長が出席した。同委員会はこれまで、外国人技能実習制度の改正や外国人技能労働者受け入れ拡大の是非について議論を重ねてきたが、建設業界関係者が意見表明をするのは初めて。青柳会長は「外国人技能労働者の受け入れ期間を仮に3年から5年に延長しても、職人として一人前になるには10年かかる」とした上で、「建設業界にとって最大の課題である、(中長期の視点で人材を育成する)担い手確保が先決。外国人材拡大は両刃の剣で、技能実習制度見直しについても制度の原点に返って、慎重に検討してほしい」と主張した。
青柳会長の発言は、当面の課題である人材不足に対応するために外国人技能労働者の受け入れを拡大すれば、建設業界で共通認識になりつつある、担い手の確保・育成への取り組みが後退しかねないことへの強い懸念が背景にある。
特に、担い手確保を実現するためには、「公共事業の予算確保と、発注量の長期安定化、発注時期の平準化と早期化、設計労務単価の新たな引き上げなどの施策が重要」と訴えた。
この日は同建協が18日に公表した「外国人材(外国人労働者)活用などに関するアンケート調査報告書」の要約版を提示。外国人技能労働者の受け入れ拡大に対し、建設市場が急増する首都圏の元請けや専門工事業が歓迎の声を上げている中、中長期での人口減少が顕著な地方業界の声を代弁する形で、担い手確保・育成重視を理由に、慎重姿勢を打ち出した格好だ。
冒頭、木村委員長は、「建設業界でも入札の不調・不落の理由として施工する人材がいないことが問題になっている。この問題は日本全国の課題で、地域の声を聞くことも必要」と話した。
[ 2014-03-20 1面]