社長ノート

社長が見たこと、聞いたこと、考えたこと、読んだこと、

臥牛山 函館新聞

2015-11-14 16:57:56 | 日記


 池井戸潤の直木賞受賞作「下町ロケット」のテレビドラマが人気を集めている。小さな町工場が国産ロケット開発の夢を追う姿に、あの飛行機を重ねた人も多いかもしれない。
 国産初のジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」が11日、ついに初飛行に成功した。度重なる試験延期を経て、スマートな機体が名古屋の空を華麗に飛び立つ様子に、画面を見ていただけの筆者も一種の誇らしさを覚えた。
 国産飛行機と言えば、1965年就航のプロペラ機「YS―11」が思い出される。地方空港同士を結ぶ翼として重宝され、函館でもかつてはよく見かけた。改修経費の関係で2006年には使命を終えたが、国内輸送の使命を十分に担った。
 YS―11の就航から約半世紀、ジェットで地方と地方を結ぶ時代がやってきた。むろん函館とも無縁ではないはず。MRJは70~90人乗りで、同形機よりも低燃費。廃止路線の復活や、少人数のチャーター便などにも有効活用が可能であろう。
 函館市や経済界は外国人観光客の誘致に知恵を絞っているが、その元となっている円安がいつまで続くとも限らない。国内需要の再開拓もインバウンド取り込みの裏で考えていい時期に来ている。(C)